【2023年最新】世界の出生率最新ランキング 日本の順位や今後を解説

すやすやと眠る乳児

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世界人口に影響を与える、出生率。2023年3月時点での、世界の最新ランキング情報を紹介する。日本の順位や現状を確認してみよう。ランキングから見えてくる世界の状況や、今後の予測、出生率が高い国・低い国それぞれの傾向も解説する。

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2023.03.29
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地球を救うかもしれない… サキュレアクトが出合った「未来を変える原料」と新たな挑戦

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出生率とは?言葉の意味を解説

出生率とは、「人口1,000人に対する1年間の出生数の割合」を示す数値である。日本においては、毎年10月1日時点の人口をもとに計算。厚生労働省の管轄で調査が行われている。具体的には、役所に届けられた出生数を、日本の人口数で割る。求められた数値に1,000をかけて求められるのが出生率だ。「普通出生率」とも呼ばれている。

日本において、普通出生率よりも注目される機会が多いのは、「合計特殊出生率」である。普通出生率とは違い、「15~49歳の女性人口」をもとに計算される。導き出された数値は「1人の女性が生涯を通じて産む子どもの数」だ。今後の人口動向がどう傾くのか、予測するための指標として使われている。

2023年最新の世界の出生率ランキング

アメリカ合衆国中央情報局(CIA)が発表している「The World Factbook」によると、2023年(推定)の合計特殊出生率の最新ランキングは以下のとおりだ。(※1)

順位国名出生率
1位ニジェール6.73
2位アンゴラ5.76
3位コンゴ民主共和国5.56
4位マリ5.45
5位ベナン5.39
6位チャド5.35
7位ウガンダ5.26
8位ソマリア5.22
9位南スーダン5.2
10位ブルンジ4.96
11位ギニア4.82
12位モザンビーク4.74
13位リベリア4.73
14位ギニアビサウ4.65
15位ナイジェリア4.57
16位スーダン4.54
17位アフガニスタン4.53
18位カメルーン4.5
19位ザンビア4.49
20位タンザニア4.33
21位コンゴ共和国4.32
22位赤道ギニア4.19
23位トーゴ共和国4.18
24位セネガル4.17
25位ブルキナファソ4.14
26位東ティモール4.09
27位中央アフリカ共和国3.99
28位エチオピア3.92
29位ジンバブエ3.88
30位パプアニューギニア3.85
31位シエラレオネ3.71
32位ガンビア3.66
33位ガーナ3.61
34位マダガスカル3.55
35位エリトリア3.5
36位コートジボワール3.47
37位モーリタニア3.46
38位サントメ・プリンシペ3.44
39位パキスタン3.39
40位ガザ地区3.34
41位マラウイ3.3
42位ガボン3.26
43位ルワンダ3.23
44位ケニア3.23
45位イラク3.17
46位リビア3.04
47位ナミビア2.94
48位ヨルダン2.91
49位イエメン2.91
50位ヨルダン川西岸地区2.91
51位レソト2.88
52位ソロモン諸島2.82
53位ツバル2.81
54位フィリピン2.77
55位エジプト2.76
56位グアム2.76
57位シリア2.74
58位マーシャル諸島2.72
59位トンガ2.7
60位コモロ2.69
61位オマーン2.67
62位北マリアナ諸島2.59
63位バヌアツ2.59
64位ベリーズ2.59
65位ナウル2.58
66位グアテマラ2.57
67位イスラエル2.54
68位キルギスタン2.47
69位アルジェリア2.47
70位タジキスタン2.42
71位エスワティニ2.41
72位ハイチ2.39
73位サモア2.37
74位パナマ2.37
75位ボツワナ2.37
76位ラオス2.3
77位フェロー諸島2.28
78位モロッコ2.27
79位ボリビア2.26
80位フィジー2.23
81位クウェート2.22
82位ミクロネシア連邦2.22
83位カンボジア2.2
84位ベネズエラ2.2
85位ドミニカ共和国2.2
86位キリバス2.18
87位ペルー2.18
88位アルゼンチン2.17
89位南アフリカ2.17
90位アメリカ領サモア2.13
91位ジブチ2.13
92位カーボベルデ2.11
93位カザフスタン2.08
94位バングラデシュ2.08
95位インド2.07
96位ガイアナ2.06
97位ジャマイカ2.05
98位クック諸島2.04
99位ベトナム2.04
100位エルサルバドル2.04
101位トルクメニスタン2.03
102位フランス2.02
103位エクアドル2.02
104位ドミニカ2.01
105位ビルマ2
106位インドネシア1.99
107位シント・マールテン1.98
108位ヴァージン諸島1.98
109位ホンジュラス1.98
110位バハマ1.97
111位キュラソー1.97
112位スリランカ1.97
113位チュニジア1.96
114位アイスランド1.95
115位コロンビア1.94
116位アンティグア・バーブーダ1.94
117位グレナダ1.92
118位イラン1.92
119位トルコ1.91
120位アイルランド1.91
121位スリナム1.91
122位カタール1.9
123位ジブラルタル1.9
124位グリーンランド1.9
125位バミューダ1.89
126位韓国、北朝鮮1.89
127位モンゴル1.89
128位サウジアラビア1.89
129位パラグアイ1.88
130位コソボ1.88
131位マン島1.88
132位ネパール1.88
133位アゼルバイジャン1.86
134位コスタリカ1.86
135位ニュージーランド1.86
136位ニューカレドニア1.84
137位アメリカ1.84
138位ノルウェー1.83
139位アルバ1.82
140位ケイマン諸島1.82
141位セーシェル1.81
142位モンテネグロ1.81
143位セントマーチン1.8
144位フランス領ポリネシア1.8
145位ニカラグア1.78
146位オランダ1.77
147位ブータン1.77
148位デンマーク1.77
149位ベルギー1.77
150位セントクリストファー・ネイビス1.76
151位チリ1.75
152位ウルグアイ1.75
153位ブラジル1.75
154位グルジア1.75
155位セントビンセントおよびグレナディーン諸島1.74
156位マレーシア1.74
157位フィンランド1.74
158位ブルネイ1.74
159位メキシコ1.73
160位オーストラリア1.73
161位ウズベキスタン1.72
162位アンギラ1.72
163位セントルシア1.72
164位レバノン1.71
165位ウォリス・フツナ1.71
166位キューバ1.71
167位モルディブ1.7
168位バルバドス1.7
169位パラオ1.7
170位タークス・カイコス諸島1.7
171位リヒテンシュタイン1.69
172位スウェーデン1.67
173位バーレーン1.66
174位ジャージー1.66
175位アルメニア1.65
176位聖バルテルミー1.64
177位ルクセンブルク1.63
178位イギリス1.63
179位トリニダード・トバゴ1.63
180位ルーマニア1.63
181位アラブ首長国連邦1.62
182位エストニア1.62
183位リトアニア1.61
184位セントヘレナ、アセンション、トリスタン ダ クーニャ1.61
185位ロシア1.6
186位スロベニア1.6
187位サンピエール島とミクロン島1.59
188位モルドバ1.59
189位ガーンジー1.59
190位スイス1.58
191位ドイツ1.58
192位カナダ1.57
193位ウクライナ1.57
194位ラトビア1.55
195位アルバニア1.55
196位タイ1.54
197位モナコ1.53
198位サンマリノ1.53
199位北マケドニア1.52
200位ベラルーシ1.52
201位オーストリア1.51
202位マルタ1.51
203位ブルガリア1.51
204位チェコ1.5
205位ハンガリー1.49
206位キプロス1.48
207位スロバキア1.46
208位セルビア1.46
209位アンドラ1.46
210位クロアチア1.46
211位中国1.45
212位ポルトガル1.44
213位ポーランド1.41
214位ギリシャ1.4
215位日本1.39
216位ボスニア・ヘルツェゴビナ1.37
217位イギリス領バージン諸島1.37
218位モーリシャス1.35
219位モントセラト1.32
220位スペイン1.29
221位プエルトリコ1.25
222位イタリア1.24
223位マカオ1.23
224位香港1.23
225位シンガポール1.17
226位韓国1.11
227位台湾1.09

【2021年】世界の出生率の現状 国別ランキングと今後の予測

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日本や先進国の出生率の現状

2023年(推定)の最新ランキングで、日本の合計特殊出生率は1.39である。つまり、1人の女性が生涯を通じて産む子どもの数は1.39人。夫婦2人の間に生まれる子どもの数が「2」に届かなければ、人口減少は食い止められないだろう。順位は227国中215位と、世界的に見ても最低レベルの数値である。

ちなみに、日本を除く先進国(G7)の合計特殊出生率とランキング情報は以下のとおりだ。

順位国名出生率
102位フランス2.02
137位アメリカ1.84
178位イギリス1.63
191位ドイツ1.58
192位カナダ1.57
222位イタリア1.24

日本の順位はG7中6位と、非常に低いことがわかる。また7カ国中、合計特殊出生率が「2」を超えたのはフランスのみだ。今後急速に進むと予測される少子高齢化問題は、多くの先進国が共通して抱える課題と言えるだろう。

出生率が高い国の特徴や理由

出生率ランキング上位にはアフリカの国々が目立つ。社会情勢が安定せず、経済的に発展途上である国も多い。出生率の高さは、こうした要因とも深く関わっていると考えられる。

開発途上国には、経済的に恵まれない人々も多く暮らしている。彼らにとっての「子ども」とは、家族の一員であり稼ぎ手でもある。より豊かな生活を手に入れるため、できるだけ多くの子どもを持とうとするのだ。

また開発途上国では、先進国よりも幼い子どもの死亡率が高い。「無事に生まれたとしても育つかどうかわからない」という事情も、出生率に影響を与えていると言えるだろう。

とはいえ出生率が高い国も、ずっとそのままとは限らない。衛生面や食事の改善、医療の充実が進んでいけば、「多産多死」は「多産少死」へと変化するだろう。それによって生じる急激な人口増加は、国にとってリスクでもある。過去に中国やインドが実施したような人口抑制政策が導入されれば、出生率は低下するだろう。

このほかにも、経済発展や選択肢の多様化が、出生率低下につながるケースもある。経済が発展し、子どもを「労働力」とみなさなくても良くなれば、家庭における家族計画も徐々に変化していくだろう。女性の活躍の場が「家庭」以外に広がれば、「子どもを産む」以外の選択肢も増えるはずだ。

出生率が低い国の特徴や理由

続いては、出生率が低い国に注目してみよう。日本を含め、経済的に安定した国が目立つ。経済発展とともに、人々の選択肢が増えた結果と言えるだろう。

男女を問わず社会で活躍する場が広がれば、「結婚して子どもを持つ」以外の道を選択する人も増える。晩婚化は、出生率低下と深く関連している。多様化する社会において、より自分らしい生き方を望んだ結果、「子どもを持たない」という選択肢や「出産適齢期を逃す」といったことも非常に身近になっているのだ。

出生率が低い国にとって、少子高齢化は非常に深刻な問題である。数値を上昇させるため、国が積極的な取り組みを行う国も目立つ。G7中で唯一、合計特殊出生率が「2」を超えるフランスは、具体的かつ継続的な政策で知られている。家族給付の手厚い支給のほか、保育の充実など、仕事と妊娠・育児の両立支援にも注力。こうした政策が人々の生活や感情とうまくマッチすれば、出生率上昇のきっかけになるだろう。

新型コロナウイルス感染症(COVID-19) による爪あと

先ほどのランキング情報から計算すると、出生率の最新世界平均は「2.38」である。日本をはじめとする先進国で人口減少が問題視されているものの、世界全体で見れば、人口はまだまだ増加傾向にあると言えるだろう。貧困や格差、十分な食料の確保など、さまざまな課題を解決していく必要がある。

2020年から2021年にかけて、猛威をふるった新型コロナウイルス感染症(COVID-19)
は出生率にも影響を与えた。コロナ禍において、出生率を上げた国もあれば下げた国もあり、日本は後者に当てはまる。2022年は、多くの国や地域で経済が活性化した。出生率の今後の変化にも注目していこう。

出生率が下がることで予想される世界の変化

出生率が低下すれば、総人口における若い世代の割合が減少する。高齢化が進めば、労働力不足や社会保障費の負担増といった問題が表面化するだろう。人口が減れば、これまでと同じ社会基盤を維持するのは難しくなる。世界全体で出生率が低下し続ければ、社会の仕組みそのものを変えざるを得ない。

一方で、出生率低下による世界の変化は、悪いことばかりではない。人口が減少すれば、経済活動は緩やかになる。二酸化炭素排出量が減少すれば、地球温暖化を食い止められるかもしれない。人間の生活に必要な品物や食料を無理なく確保できるようになれば、環境破壊もストップできるだろう。

今後予想される世界の出生率の推移

2023年現在、世界の人口は増え続けている。今回紹介した合計特殊出生率から見ても、それは明らかだ。しかし、出生率の数値に注目してみると、その数値は年々減少傾向にある。このまま低下し続ければ、世界人口はいずれ減少に転じるだろう。

先進国においては、出生率の低下はすでに深刻な問題となっている。現在は出生率が高い国々も、今後の経済発展により、先進国と同じような道筋をたどっていくことは想像に難くない。出生率低下がもたらす社会の変化を頭に入れた上で、今後の推移に注目していこう。

※掲載している情報は、2023年3月29日時点のものです。

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