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イギリスの非営利団体「Media Smart(メディア・スマート)」は、実態がともなっていない“グリーンウォッシュ”を見極めるための5つのポイントを紹介。10代の若い世代を対象に、グリーンウォッシュに対する理解を広めるべく、SNSでキャンペーンを行っている。
神本萌 |Moe Kamimoto
フリーランスライター
大学時代に南アジア文化を学んだことをきっかけに、環境や人権の問題に関心を持つ。それ以降、より自分と地球にやさしい暮らしを目指して勉強中。趣味は写真。
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イギリスの非営利団体「Media Smart(メディア・スマート)」が、みせかけの環境活動を行っている“グリーンウォッシュ”に惑わされないように、グリーンウォッシュを見極める方法を広く伝えるキャンペーンを開催中だ。主に10代の若者を対象としており、教員向けの教材や、同年代のインタビューをまとめた動画を配信している。
グリーンウォッシュとは、環境に配慮していると見せかけて実態がともなわない企業や製品のこと。環境への意識が高まるにつれて、ブランドイメージアップのために利用され、見かけだけのエコが広まっている面もある。
同団体は、グリーンウォッシュを見極めるために気を付けることとして、以下の5つのポイントを紹介している。
Webサイトや広告で、植物や森など自然風景の写真を使う企業が増えている。これは「環境にやさしい企業」というイメージを持たせるためかもしれない。サービスや商品のラベル、詳細説明まで目を通してから判断しよう。
天然成分、エコ、サステナブル、SDGsなどの言葉は、マーケティング目的で多用されている。これらの言葉を使っているからといって、商品やサービスが環境にやさしいとは言い切れない。なぜ、どのようなところが環境にやさしいのか、その理由が明記されていない場合は、とくに注意が必要だ。
いくつかのブランドは自社・他社製品を回収し、リサイクル・交換・再販売を行っている。Webサイト等をよく見て、それらの活動がきちんと実行されているか確認しよう。あわせて、長く使えるモノかどうかも大切なポイント。買ってもすぐにダメになるものや、飽きて使わなくなるなら、サステナブルな買い物にはならない。
企業や商品のWebサイトに掲載されている環境関連活動のページを読んで、公的機関の認証を受けているかを確認しよう。環境のために何をしているか、サステナブルなポイントはどこか、きちんと説明されているはずだ。具体的なデータを環境レポートとして公表している企業もある。
製品を選ぶときは、原料の生産から廃棄に至るまで、すべての過程が環境に配慮されたものか考える必要がある。ビジネスである以上、環境にやさしいポイントを強調するのは当然のことだ。
例えば、製品自体がサステナブルに見えても、遠く離れた国で製造し何度も空輸しているとしたら、環境にやさしいとは言い切れない。企業側に都合の悪いことはわざわざ教えてくれないため、自分で考える必要がある。
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イギリス政府の調査によると、無作為に選んだWebサイトのうち約40%が、消費者に誤解を与えかねない表現を使っていた。
日本にも、エコやサステナブルを謳う企業やブランドは溢れているが、実態がともなっているのはどれほどだろうか。私たち消費者は、購入する前に一度立ち止まって、グリーンウォッシュではないか考えることが必要だ。
このキャンペーンは、メディア・スマートのSNSで4月まで開催されている。英語のみだが、グリーンウォッシュについてわかりやすく解説されているため、チェックしてみてはどうだろう。
※参考
Media Smart
Media Smart launches greenwashing awareness guide|The Media Leader
Global sweep finds 40% of firms’ green claims could be misleading|GOV.UK(2021)
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