「ブルガリ イル・チョコラート」2023年バレンタインのテーマはSDGs

ブルガリ イル・チョコラートのチョコレート

ブルガリが手がける「ブルガリ イル・チョコラート」は、SDGsをテーマにした4つのフレーバーのバレンタインチョコレートを1月12日(木)に発売。そのうちの「アーモンドプラリネ」には国際フェアトレード認証原料を採用した。これはラグジュアリーブランドとして世界初の試みだ。

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2023.01.23
SOCIETY
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「ブルガリ イル・チョコラート」SDGsをテーマにしたチョコレートの宝石

世界的ハイジュエラーであるブルガリが、変わらぬ情熱を惜しみなく注いでいることから名づけられたチョコレートの宝石「チョコレート・ジェムズ」。「ブルガリ イル・チョコラート」の2023年バレンタインのテーマはSDGsだ。

サステナブルな環境で、生産者の生活向上をも考えてつくられた食材をつかい、食品ロスや廃棄物削減への試行錯誤を重ね、メートルショコラティエ 齋藤香南子氏の卓越した技術により驚きとおいしさを纏ったチョコレート・ジェムズが誕生した。

SDGsの17の目標を環境・社会・経済の3つのカテゴリーにわけ、自然や環境の上に持続可能な社会生活があり、それを基盤に経済が発展していくというモデルを参考にし、フレーバーを構成。

フェアトレード・ラベル・ジャパン、SDGsに積極的なビジネスパートナーおよび生産者たちとパートナーシップを組むことで、SDGsの17番目の目標である1〜16の目標を達成するための「パートナーシップの活性化」を実現している。

SDGs17の目標を4つのフレーバーで表現

4つのフレーバーのチョコレート link

サン・ヴァレンティーノ2023 4個入り 5,200円 (左上から、ヘーゼルナッツプラリネ、グリーンレモン、アーモンドプラリネ、バジル)

ヘーゼルナッツプラリネ

“ヴィーガンのチョコレート・ジェムズ”というオプションで、異なる食文化を持つ人々とも同じ食体験と時間を共有することができるひとつのたとえを表現。このひと粒で地球環境を守ることの大切さを語りかけている。

ピエモンテ産ヘーゼルナッツをキャラメリゼしてつくる自家製プラリネペーストに3種のスパイス(オーガニックのカルダモン、シナモン、タイム)とヴィーガンチョコレートを合わせ、ビターチョコレートでコーティング。このヴィーガンチョコレートはヴァローナ社の「アマティカ46%」を使用している。

グリーンレモン

小田原のアートサイト「江之浦測候所」のある「甘橘山」にて自然農法でつくられたグリーンレモンの皮、果実、そして種に至るまですべてをチョコレートに使用し、使いきる責任と食べ物を無駄にしないというメッセージが込められている。

自然農法のグリーンレモンを丸ごと使い、ジャスミン茶葉を漬け込んだクリームで香りに深みを加えたミルクチョコレートガナッシュをビターチョコレートでコーティングした。

アーモンドプラリネ

発展途上国で生活する生産者や労働者を支援するフェアトレードのガーナ産オーガニックカカオとインド産砂糖を使用したチョコレート・ジェムズ。地球上のどこに住んでいようとも、笑顔があふれる幸せな世界になるようにという願いを込めてつくられている。

シチリア産アーモンドとインド産砂糖を使ってプラリネをつくり、チョコレートとオレンジのゼストと合わせ、ミルクチョコレートでコーティングした。

バジル

豊かな大地を守るために自然農法で育てられた食材を使い、自然と共存・共生することの探求心を表現。メートルショコラティエが選んだ石川県にある「Paysan」(ペザン)のホーリーバジルがもつ苦味はほんのわずかで、爽やかな香りが特徴だ。パウダー状にしたドライホーリーバジルを水分と合わせガナッシュにし、ビターチョコレートでコーティングしている。

この4つのチョコレート・ジェムズの輝きで、人と人、人と自然の間がAMORE(愛)で満たされるようにとの願いが込められている。またパッケージに施されたブルガリジュエリーのアイコンのひとつ、ディーヴァにもそのメッセージを継いだカラーをあしらっている。

ラグジュアリーブランドとして世界で初めて「国際フェアトレード認証」原料使用

「アーモンドプラリネ」には、国際フェアトレード認証原料(カカオと砂糖)を使用。発展途上国で生活する生産者や労働者を支援するフェアトレードのガーナ産オーガニックカカオとインド産砂糖を使用したチョコレート・ジェムズで、地球上のどこに住んでいようとも、笑顔があふれる幸せな世界になるようにという願いを込めてつくられている。

国際フェアトレード認証原料を使用したチョコレートの発売は、ラグジュアリーブランドとして世界初であり、先進的な取り組み事例となる。

カカオや砂糖が生産される背景にある社会・環境問題

カカオ生産の背景にはカカオの主要産地(ガーナとコートジボワールの合計)の農業世帯において、子どもの45%が児童労働に従事していたり、カカオ栽培にかかる労力の68%を女性が負担しているにもかかわらず得られる収入は21%とジェンダー間の格差がある。(Fairtrade Foundationより)

また、カカオ生産地の拡大によって2019年~2021年の3年間にカカオ主要産地の5.9万ha(東京23区相当)の森林が消失しており、将来的にこうした主要産地でカカオが生産できなくなる可能性が指摘されるなど、いまだ多くの社会課題・環境問題を抱えている。(MIGHTY EARTHより)

また、砂糖の生産地のなかでも、アジアや中南米、アフリカでは、いまなお収穫や除草作業などで児童労働が発生していると指摘されている。(米国労働省より)

熾烈な価格競争の影響で取引価格が低くなりすぎると、生産コストを賄えずに子どもが働かざるを得ない状況になっているのだ。他にも砂糖の大規模生産に伴う森林破壊や住民生活への影響、生物多様性への影響、農薬による健康被害などさまざまな環境・社会課題があると言われる。

欧米と比較し普及が遅れる日本のフェアトレード市場

ブルガリが手がけるイル・チョコラートから高品質な国際フェアトレード認証の製品が販売されることは、これらの社会課題解決に向けた大きな足がかりであり、持続可能な生産を支援し、生産者への還元と地位向上を推し進めるために、国内のみならず世界的に大きな影響力を持つ。

日本のフェアトレード市場規模は131億円と、フェアトレード・インターナショナルの本部があるドイツの2,374億円と比較すると約18分の1で(2020年時点)、欧米と比較して普及が遅れている。

しかし国内におけるSDGsの認知の高まり等を受けて、2021年には市場規模が前年比20%増(158億円)を記録し急速に拡大。今回の取組みを受けフェアトレードの成長の機運がさらに高まることが期待される。

1993年設立し、国際フェアトレードラベル機構(Fairtrade International)の構成メンバーとして、日本国内における国際フェアトレード認証ラベルの認証・ライセンス事業、フェアトレード の啓発・アドボカシー活動を行う認定NPO法人、フェアトレード・ラベル・ジャパンの事務局長である潮崎 真惟子氏はこの取り組みについて次のようにコメントしている。

「ブルガリの取組みの社会的インパクトは大きく、新たな素晴らしい取組みに敬意を表します。また途上国の生産者の努力によりフェアトレード原料の品質が非常に高いことが、今回の原料採用に結び付いたとも思い嬉しく思います。近年の日本におけるフェアトレードの急速な拡大がさらに加速することに期待します」

お問い合わせ先/ブルガリ イル・チョコラート
https://gourmet.bulgari.com/shop/default.aspx

※掲載している情報は、2023年1月23日時点のものです。

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