着古した下着を堆肥化する 約90日で土に還る「LA発のブランドKENT」

約90日で土に還る「LA発の下着ブランドKENT」

Photo by KENT

米国ロサンゼルスを拠点とする「KENT」が開発した、約90日で土に還るエコな下着。衛生上の問題などで、下着のリサイクルやリセールは難しいが、堆肥に変えられる下着は新しい選択肢のひとつになりそうだ。

神本萌 |Moe Kamimoto

フリーランスライター

大学時代に南アジア文化を学んだことをきっかけに、環境や人権の問題に関心を持つ。それ以降、より自分と地球にやさしい暮らしを目指して勉強中。趣味は写真。

2023.01.06
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オーガニックコットンを使用した100%堆肥化できる下着

着古した下着を堆肥化する、約90日で土に還る「LA発のブランドKENT」

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ファッション業界は環境負荷の高い産業として知られている。そこで、多くのブランドがリセールやリペアのサービスを開始し、廃棄物を減らそうという機運が高まっている。しかし、下着は衛生上の問題でリサイクルできず、仕方なく捨てている人がほとんどではないだろうか。

この現状を打開するため、アメリカ・ロサンゼルスの企業「KENT(ケント)」は、3年の歳月をかけて100%堆肥化できる下着を開発し、販売している。もちろん合成繊維や化学染料も使っておらず、完全プラスチックフリー (マイクロプラスチックフリー)、ヴィーガンな製品だ。

着古した下着を堆肥化する、約90日で土に還る「LA発のブランドKENT」

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主な原料は、GOTS認証を受けたペルー産オーガニックピマコットン。一般的なコットンに比べて、水の使用量は87%少なく、CO2の排出量も45%も抑えて生産されているという。

ピマコットンは最高級のコットンとも呼ばれ、なめらかな肌ざわりと耐久性の高さが特徴だ。環境にやさしいものでも、すぐにダメになってしまえば意味がない。ケントの製品は質のよい素材を使って、長く快適に愛用してもらえるようデザインされている。

また糸やゴムも植物由来のものを使用。下着でよく使われるスパンデックス、ポリエステル、ナイロンなどは一切使用していない。

ケントのこだわりは、製品そのものだけではない。例えば、パッケージも100%堆肥化できる素材を使用している。

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土に還るといっても手間や時間がかかりそうと思うかもしれない。しかし、処分は至って簡単だ。洗濯したあとの下着を小さく切り、自宅や近くのコミュニティコンポストに入れるだけ。コンポストセンターでテストしたところ、約90日で堆肥化されたという。

また自宅や身近な場所にコンポストがない人のため、使い古した製品の回収プログラムも用意されている。5ドル(約670円)で配送キットを購入し、洗濯後の製品を送るだけでいい。

引き換えに、次回の購入時に使える10ドル(約1,300円)分のポイントがもらえる。細かく裁断してから送れば、さらにボーナスポイントも付与されるというお得さだ。自宅でコンポストした場合も証拠となる写真を送れば、同様にポイントを受け取ることができるという。

環境にやさしいだけでなく顧客にもメリットがあるからこそ、より多くの人を巻き込むことができそうだ。「使い古した下着はコンポストで堆肥化する」選択肢が広がるきっかけになるかもしれない。

ケントの製品は、現在はアメリカ、カナダ、イギリス、オーストラリアからのみ購入可能だ。残念ながら日本からは購入できないが、成長を続けるケントに今後も注目しておきたい。

※掲載している情報は、2023年1月6日時点のものです。

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