ラッピング材は1度使うと、ごみとして捨てられることが多いもの。でも「繰り返し使ってもらえるものでプレゼントをラッピングしたい」と思っている方も多いのでは。そこで今回はラッピングデザイナーの益田志穂さんに、繰り返し使える和晒を使ったサステナブルなラッピング方法を教えてもらいました。
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贈り物に欠かせないラッピング。しかし、特別な想いをこめて贈ったプレゼントでも、ラッピングの多くは、再利用されずごみになってしまうことも。そこで今回、ラッピングデザイナーの益田さんが提案してくれたのが、贈った方に再利用してもらえるアイテムでプレゼントを包むラッピング方法です。
使用するのは、綿布を大きな釜で数日間じっくり焚き上げ、綿繊維の一本一本まで不純物をとり除いて仕上げる「和晒(わざらし)」。食材を包んだり、テーブルを拭いたり、グラスを磨いたり。日常のさまざまなシーンで便利に使えるすぐれものです。
「さささ」の和晒をつくる武田晒工場では、従来と比べて「少しの化学薬品・少しの水・少しのエネルギー」で加工し、時代に合わせた新技術を採用。古くは安産祈願腹帯・ゆかたや手ぬぐいとしても親しみのある「晒」の魅力を広げています。
そんな万能な和晒は、包装紙の代わりにプレゼントを包んでも〇。益田さんによれば、「ドライフルーツや木の実を飾れば、それだけでおしゃれなラッピングに早変わりする」そう。そんな和晒を使ったラッピング方法を教えてもらいました。包むプレゼントの大きさや形にあわせて、アレンジ方法も紹介しましょう。
なお、ここで紹介した商品はすべて『ELEMINIST SHOP』で取り扱っているものを使用しました。
まずは、基本の包み方から。基本を覚えれば、さまざまなアレンジを楽しめます。
基本の材料は、和晒(写真下)、麻ひも、はさみの3つ。中に包んだものは、ソーラーランタン(写真左上)とホタテパウダー(写真左から2番目)。
ラッピング素材として使ったのは、創業1911年創業の老舗和晒ブランド「さささ」の和晒。その他、必要なのは麻ひもとはさみ。最後の飾り用に、ユーカリの葉を用意しましょう(お好みでドライセージやラベンダーなどを添えてもOK)。
(材料)
・和晒
・麻ひも
・ユーカリの葉
・はさみ
(中に包んだもの)
・ソーラーランタン
・ホタテパウダー
プレゼントを包み込める大きさの和晒を用意します。写真のようにひし型に広げて、中央に包むモノを置きます(写真はソーラーランタンを使った例)。
和晒の左右を内側に折ります。
下側を折ります。
上側も折ります。
麻ひもで十字に縛ります。
「和晒の大きさが足りないときは、2枚を重ねて包みましょう。また麻ひもを長めにカットしておいて、その麻ひもにユーカリを結びつけてリボン結びしてもすてきです。もし麻ひもがない場合は、ラフィアやコットンなどのナチュラル素材のひもを使ってもいいですね」(益田さん)
風呂敷でモノを包むように、最後にトップを結ぶ包み方。大人っぽくシックな仕上がりになりそうです。
「ピクニックセット」を包みましょう。
ラッピング素材として必要なのは、和晒のみ。
(材料)
・和晒
(中に包んだもの)
・ピクニックセット(カトラリーセット・折りたたみ式マイカップ・蜜蝋ラップ)
まずカトラリーセットを包みます。和晒をひし形になるように斜めに置きます(対角線上の2つの和晒の角を取り、結べる長さがあるか確認しましょう)。中央にカトラリーセットを置きます。
左右の和晒を内側にたたみます。
くるくると丸めるようにして、和晒でカトラリーセットを包みます。
次に、折りたたみ式マイカップを包みます。
和晒の上下を折ります。
STEP3のカトラリーセットを上にのせます。
カトラリーセットを包むようにして、左右の和晒を上で結びます。
最後は、蜜蝋ラップを包みましょう。
上下の和晒を内側に折りたたみます。
左右を結んだら、できあがり。
「和晒だけでできる、シンプルなラッピング方法です。最後にきゅっと結ぶときは、内側の布をつまんで持ち上げると角がふくれずキレイに包めますよ。結び目はゆるくならないよう、しっかり結んでくださいね」
写真左はネイルセット(ネイルカラー+除光液)を、右は石鹸をラッピング。
ドライオレンジをラッピングの飾りに使うのも、おしゃれなアイデア。プレゼントの見た目が華やかになるだけでなく、香りもよく大人っぽいアレンジです。石鹸やビューティアイテムのような小さなサイズのプチギフトにもピッタリ。
「私もドライオレンジをラッピングの飾りによく使っています。オレンジが沢山手に入ったときは、ドライオレンジにしてお菓子づくりやラッピングに活用することで、旬の恵みを長く楽しめます。つくり方は、スライスしたオレンジを80℃~120℃のオーブンで、様子を見ながら数時間焼くだけ。とても簡単にできますよ!」
ドライオレンジのつくり方
1. オーブンを80℃に温める
2. オレンジを1cmほどの厚さにスライスする
3. ペーパータオルで表面の水分をとる
4. オーブンの天板の上にワイヤーラックをのせ、オレンジを重ならないように並べる
5. 5〜6時間ほど焼く(途中で2〜3度ひっくり返す)
ポイント: オーブンによって熱のまわり方が異なるため、様子を見ながら取り出すのがおすすめ。ワイヤーラックがない場合は、クッキングシートをひいた天板の上に並べてもできます。
キャンディの包み紙のように、両端を結ぶ形もできます。プレゼントを受け取った相手が、思わず「わ~!」と歓声をあげそうな、見た目の可愛らしさもあります。
「中に包むモノを和晒の中心に置いて、左右両サイドに絞れるだけの長さがあるか、確認しましょう。もし和晒の長さが足りないなら、和晒を2枚重ねて使うといいですよ」
贈った相手が再利用できて、しかもラッピング素材として使えるアイテムは、和晒以外にもあります。
今回ご紹介した和晒と同じように包んで使えるのが、風呂敷やハンカチ。麻ひもで結んでもいいし、風呂敷スタイルで結ぶだけでもいいですね。贈る人の好みやギフトのテーマにあわせたデザインのものをチョイスすれば、統一感のあるラッピングになります。
プラスチック製容器の代わりになる100%ピュアプラチナシリコーン製の「stasher(スタッシャー)」。食材を入れる容器として使われますが、ギフトアイテムをこの中に入れて渡すのもGOOD。S~Lサイズ、スタンドアップタイプもあるから、贈るモノの大きさにあわせてセレクトするといいでしょう。
「stasher(スタッシャー)」の中に入れるアイテムを選ぶ時間がないという方は、サステナブルなオーラルケアグッズが一式になった「アメニティーは使いません・出張セット」をギフトにチョイスしてはどうでしょう。
竹歯ブラシ、植物由来の原料からできたデンタルフロス、天然原料由来の歯磨き粉がセットが揃い、ホテルや旅先でアメニティを使う必要がありません。出張が多い方や旅好きの方へのギフトに喜ばれそうです。
ラッピングに使えるアイテムは、実は身近にたくさんあるもの。例えば、いただきものの包装紙やリボンもそのひとつ。それらを再活用するときでも、今回ご紹介したラッピングアイディアを取り入れてみてもいいでしょう。
贈る相手のことを思い浮かべながら、あなたらしいアイディアを考えて、相手に喜んでもらえて、ごみをなるべく出さないラッピングを楽しんでみてはいかがでしょうか?
益田志穂/ギフトラッピングアーティスト。NY、ハワイをはじめ、世界各地で活躍する。オンラインで開講しているラッピング教室には世界中から生徒が参加している。@shihomasuda_giftwrapping
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