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イギリスの高級ブランド「マルベリー」が、バッグのレンタルサービスを開始。同ブランドでは中古品の買取サービスも行っており、持続可能な取り組みの一環として、顧客に新たな選択肢を提供する。
今西香月
環境&美容系フリーライター
慶應義塾大学 環境情報学部卒。SUNY Solar Energy Basics修了。 カリフォルニア&NY在住10年、現地での最新のサステナブル情報にアンテナを張ってライター活動中
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イギリスに拠点を置く高級バッグブランドの「マルベリー(Mulberry)」は、洋服やバッグのレンタルサービスを展開するHURRと提携して、ハンドバッグのレンタルサービスを開始した。
マルベリーでは、中古のマルベリーのバッグを下取りして新しいバッグの購入に代金の一部をあてられる「マルベリーエクスチェンジ」プログラムを展開している。本パートナーシップは、同社のそのような継続的な持続可能性を高める取り組みの一環だ。
HURRで扱うマルベリーのアイテムは、季節を問わず使えるニュートラルカラーの定番バッグや、鮮やかなシーズンカラーのバッグなど。クラッチ、ショルダー、クロスボディバッグを扱う。
レンタル料金はアイテムにより異なるが、4日間で約95ポンドから195ポンド(約15,800円~32,600円)。例えば、ミニアレクサ(ピンク色)は日本で購入すると定価が15万円以上だが、4日間で146ポンド(約24,400円)、20日間で404ポンド(約67,000円)でレンタルできる。
またこのレンタルサービスでは、古くなったバッグを修理して再び利用する仕組みも設けられている点が特徴的だ。HURRでレンタルされているバッグが寿命を迎えると、同ブランドのライフタイムサービスセンターにいる熟練の職人によって、「Made to Last (長持ちさせるの意味)」スピリットにもどついて修理される。美しく蘇ったバッグは、新品同様の商品として再び販売されるという。
2021年にブランド創立50周年を迎えたマルベリーは、サプライチェーン全体を網羅する再生型の循環モデルにビジネスを変革している。2035年までにネットゼロを実現するコミットメントを発表。もっとも二酸化炭素排出量の少ないレザーを使用し、農場から最終縫製まですべての生産工程をイギリス国内で行うなど、透明性が高く環境に配慮した生産体制を整えている。
ファッションの大量生産、大量消費時代が終焉を迎える中、レンタルやシェアリング、サブスクリプションといった新しい消費スタイルが裾野を広げている。
HURRのヴィクトリア・プリュ―CEOは、マルベリーがレンタルサービスを開始することについて「モノを所有せずにファッションを楽しむ形へシフトしてきている証で、サーキュラーエコノミーを取り入れることになる」と話している。
無駄買いや廃棄を減らす、環境保全にもつながる新たなアパレル消費のかたちは、今後さらなる躍進が予測されている。マルベリーのレンタルはイギリスでのサービス開始だが、「ミニマムにおしゃれを楽しみたい」「憧れの高級ブランドを安価に試したい」という方は、このようなレンタルサービスを一度活用してみてはいかがだろう。
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