太陽光だけで70km走行できる  オランダ発の電気自動車「ライトイヤー」

ソーラーパネル搭載の電気自動車「Lightyear 0モデル」

Photo by Lightyear

オランダのスタートアップ企業Lightyear(ライトイヤー)が、新しい電気自動車を発表。ボンネットからルーフ、テールまでソーラーパネルに覆われ、太陽光エネルギーだけで70km走行できるという。

岡島真琴|Makoto Okajima

ライター

ドイツ在住。自分にも環境にも優しい暮らしを実践する友人たちの影響で、サステナブルとは何かを考え始める。ライター・編集者として活動しつつ、リトルプレスSEA SONS PRESSを運営。

2022.06.28
SOCIETY
学び

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ボンネット&テールにもソーラーパネルを搭載

ソーラーパネル搭載の電気自動車「Lightyear 0モデル」

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オランダで2016年に創業したスタートアップ企業Lightyear(ライトイヤー)が、太陽光エネルギーだけで長距離走行が可能な電気自動車「Lightyear 0モデル」を製造する。ボンネットとルーフ、後方のテールまで車全体にソーラーパネルが搭載され、充電しなくても太陽光エネルギーだけで70kmも走行できるという。

太陽を原動力とする自動車はソーラーパネルの占める面積が大きく、試作段階から苦戦を強いられてきた。試行錯誤の結果、60kWhのバッテリーで航続距離は625㎞にまで伸びた。太陽光エネルギーとあわせて最大で700㎞近く走行できることになる。

ソーラーパネル搭載の電気自動車「Lightyear 0モデル」

Photo by Lightyear

電気自動車の開発にあたって、これまで業界では、長時間走れるようにバッテリーの容量を大きくすることに注力されてきた。しかしバッテリーを大きくすると生産時のCO2排出量も増加するという。そこで同社では、小さなバッテリーでより長い距離を走行できて、しかもCO2排出量を削減できる「Lightyear 0」を開発した。

夏のアムステルダムでは2カ月、晴れる日が多く日照時間の長いポルトガルでは7カ月も充電なしで運転が可能だという。

同社のCEO兼共同創業者のレックス・ホーフスルート氏は、Lightyear 0モデルの発表の場で「太陽という新たなエネルギー源を加えることで、常に充電が可能で、充電の頻度を大幅に減らせるという確信を得た」と述べ、ソーラー電気自動車の普及に期待を寄せている。

手頃な価格のモデルも製造予定

ソーラーパネル搭載の電気自動車「Lightyear 0モデル」

Photo by Lightyear

「Lightyear 0」は、フィンランドのヴァルメト・オートモーティブにて2024年末〜2025年初頭の生産開始を目指す。価格は25万ユーロ(約3,550万円)と高額で、949台の限定生産となる。今後は3万ユーロ~(約420万円~)の手頃な価格のモデルも製造予定だ。

電気自動車が普及し始めて久しいが、一方で化石燃料エネルギーに依存している送電網での充電を行なっている場合も少なくない。手頃な価格でのソーラー電気自動車がより一般に普及すれば、自動車の未来も大きく開けるかもしれない。

※掲載している情報は、2022年6月28日時点のものです。

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