サステナブルな取り組みに、周囲の人を巻き込むには? エシカルなお悩み相談室vol.2

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エシカルディレクターが一緒に考えます! エシカルなお悩み相談室

エシカルやサステナブルに関する聞くに聞けない素朴な疑問や小さな悩みに対し、ELEMINISTエシカルディレクター中川原圭子が一緒に考える連載コーナー。悩みやモヤモヤは抱え込まずにみんなでシェアして、Enjoy lifestyle ethical and minimal !

監修者: Keiko Nakagawara

ELEMINIST エシカルディレクター

何でも手作りしてくれた母の影響で、自身も2児の母として何事も自分で一度咀嚼し取り入れるライフスタイルを長年実践。「サステナブル・エシカル・SDGs」、難しい横文字を「暮らし」…

ELEMINIST Editor

エレミニスト編集部

日本をはじめ、世界中から厳選された最新のサステナブルな情報をエレミニスト独自の目線からお届けします。エシカル&ミニマルな暮らしと消費、サステナブルな生き方をガイドします。

2022.06.21
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今回のお悩み:エシカル、サステナブルな取り組みについて、周囲の人を巻き込むことに難しさを感じています……。

—第二回のお悩みも、共感できる人が多そうです。サステナブルな行動をしていると、身近な人、とくに一緒に暮らしている家族やパートナーや友人にも実践してほしい! と自然と思うはずです。何かいい方法はあるのでしょうか?

わかります! 私もいまでこそ臆さずに日々発信をできていますが、最初は「意識が高い人だな」と線をひかれてしまうかも……とドキドキしたことがあります。周りの理解が得られないと、気持ちよく生活にサステナブルなことやものを取り入れられないですよね。そこで大切になるのは“私は”というメッセージの伝え方だと、実感しています。よく「I(アイ)メッセージ」という言葉で表現されていますが、どんなに正しい行いだとしても、「正しいことだから! 」と相手にサステナブルな行動を促すことは難しいもの。そこで「私は○○してくれたら嬉しい」「私があなたに使ってみてほしくって……」というように、主語を“私”にして伝えることを心がけています。

その上で、一緒に想いを共有し、行動につなげてもらうきっかけとしておすすめなのが「ギフト」。ものを贈ることは、「喜んでもらいたい」という贈る側の願いが根底にあり、さりげなく気づきを与えられる効果的な方法だと思います。

例えば、料理が好きな方にはオーガニックの食材やキッチングッズ、アートに興味がある方にはビジュアルが美しい絵本、映画好きの人にはDVD……と、相手の顔を思い浮かべながら選ぶ時間も楽しいですよね。相手が気に入ってくれたら周りに広めてくれたり、食材をリピート買いしてくれたりと、自然と生活に取り入れてもらえると思います。

—具体的におすすめのギフトはありますか?

例えば絵本だったら最近発売された『みんなの地球を守るには?』。フランス発の絵本でおしゃれなビジュアルとシンプルな言葉が魅力的な、大人も楽しみながら多くの学びを得られる一冊です。映画なら『もったいないキッチン?』はどうでしょう? 身近なフードロスの問題を楽しく解決していくドキュメンタリー作品で、なにより日本を舞台にしているので「あ! ここ知ってる」「こんな取り組みがあるんだね」と、会話も弾む一作です。それから、ジャンル別にユニークなアイテムが揃うELEMINIST SHOPはギフト選びに迷ったらぜひ一度覗いてほしいです。

—どれもすてきなアイデアですね。サステナブルな活動を周囲に伝えようとすると、「意識高いね」と敬遠されそう……と躊躇してしまう人もいると思います。ものを贈るという行為は、こちら側に引き入れるというよりも、相手のことを考えたアクションなのがいいですね。

そう、相手に寄り添ったものを贈ることが大前提ですね。ギフトのもう一歩先の提案としては、行動変容につながるような、楽しい集まりを計画してみるのも手です。例えば、仲のいい友達とは「ヴィーガン アフタヌーンティー」など、テーマを持って集まるのもおすすめです。ふだん自分一人ならなかなか手に取らないものでも「テーマを決めて持ち寄る」ことで、トライしやすくなって、しかもみんなで共有する楽しさも味わえます。視覚的にもいろいろなものが集まってにぎやかになり、おいしくて体にもいいので会話も弾みそうです。

またこれからの季節、お酒好きの友人と盛り上がれそうなのが、クラフトビールを持ち寄る「クラフトビアガーデン」。グラウラーというビール専用のボトルにそれぞれの「推しクラフトビール」を各ブリュワリーで充填してもらい、地産地消のビールやフードを一緒に囲んでみる。グラウラーは空き瓶や空き缶も出ないので、ビールが好きな人にはぜひ一度試してもらいたいアイテムです。こんなふうに仲間と心地よく過ごせて、新しい価値や経験をわかち合えそうな、その季節ならではのイベントを企画してみるのも楽しいですよね。

—企画する側も相手の喜ぶ顔を想像しながら、何を贈ろう、どこに集まろうと考える時間も楽しそうです。周りを巻き込む際に気をつけたいことはありますか?

3つのポイントがあります。まず一つ目は、冒頭でも「I(アイ)メッセージ」で触れましたが、自分の言葉で話し、自分の実体験を伝えること。エシカル、サステナブルな取り組みは「いい行い」だけに、自分ではない誰かの言葉をそのまま伝えたりすると、それこそ“意識高い”“偽善”と思われがち。贈り物は、自分のことを思って選んでくれた、という気持ちが嬉しいもの。なので、セレクトした理由や、自分がいいと思う点を伝えると、相手の関心がぐっと近づくと思います。

二つ目は、自分のモチベーションを維持すること。自分が楽しんで続けていけないことに、周囲の人を巻き込むことは難しいと思うんです。でも、一人で続けるって案外大変なこと。そのためには、小さくても自分が楽しくできる方法を見つけるといいと思います。例えば、街に落ちているごみを拾ったら、ごみ拾いSNSアプリを活用してみる。ごみを一つ拾って、その写真を投稿するだけなのですが、他の参加者から「ありがとう」のスタンプが届き、ハッピーな循環とやりがいを感じられます。そういった小さな喜びが継続へとつながるはずです。

三つ目は、相手を変えようとは思わないこと。今回のお悩みのアンサーとして反するかもしれませんが、サステナブルな暮らしを“自分ごと化”するかどうかは、相手が決めること。とくに、学校や会社、地域などの広範囲の人を巻き込みたいと思っても、強い信頼関係がないと「やらされている」だけで終わってしまうことも。まずは自分が楽しみながら続けて、伝えることを諦めない。そうすることで、周りの人が想いを自然とキャッチしてくれて、少しずつでも輪が広がっていったらいいですね。

いまの時代は、「テレビを観る」「スマホでYouTube動画を見る」などという個々が受け取ること、そして広くSNSなどでアウトプットすることが主流ですよね。ただ、半径5m以内の身近な人に伝えようと思ったら、そこから「対話につなげる」ことが大切だと思っています。友人に贈ったプレセントの感想を聞いたり、子どもと一緒に読んだ絵本について話したり……。「どう思った? 」「私はこう感じた!」という想いを交換するコミュニケーションができたら、それが自然と人を巻き込む一歩になっているんじゃないかなと思います。

取材・執筆/高橋仁美 イラスト/Rino 編集/堂坂由香(ELEMINIST編集部)

※掲載している情報は、2022年6月21日時点のものです。

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