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エジプトのカイロで計画されているのが、持続可能なネットゼロの都市「Nexgen(ネクスジェン)」だ。食料、エネルギーを自給自足で確保すると同時に、エコツーリズムなど新たなビジネスチャンスを創出するよう設計されている。
今西香月
環境&美容系フリーライター
慶應義塾大学 環境情報学部卒。SUNY Solar Energy Basics修了。 カリフォルニア&NY在住10年、現地での最新のサステナブル情報にアンテナを張ってライター活動中
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気候変動への影響を最小限に抑えるために、二酸化炭素排出量の実質ゼロを目指すカーボンニュートラルな街づくりが世界中で加速している。そのひとつが、エジプトのカイロ東部におけるネットゼロ都市「Nexgen(ネクスジェン)」計画だ。
9,000戸の住宅がつくられ35,000人が暮らせる5.8平方㎞のNexgenは、食料もエネルギーも自給自足でまかなう都市を目指す。空気から飲料水を生成するほか、食料も都市内部でつくり出す。そして、それらの食品・エネルギー・廃棄物関連技術などのグリーン技術産業によって、1万人の雇用を創出するという。まさにサーキュラーエコノミーを実現する都市といえる。
また廃棄物リサイクル施設やバイオガスプラントも設置され、廃棄物ゼロを目指す。
Nexgen内部は徒歩で移動でき、ランニングやサイクリングコース、乗馬コースも設けられ、歩行者にやさしい街づくりがされるという。都市内部には自律走行式のシャトルが走り、移動にはそれらを利用することも可能だ。
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Nexgenの全景。住居や教育施設などは中央の円部分に集められ、その周囲には農園やソーラー施設などが設置されている。
もちろん、保育園、学校などの教育機関は最先端の施設が整えられ、リハビリテーション&ウェルネスセンターなどの健康関連施設も整備される。
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さらに、Nexgenには5つ星のエコリゾートやグランピングロッジ、自然保護区、レジャー施設も設けられ、エコツーリズムやメディカルツーリズム(治療や検診などの医療を目的にした観光交流)を推進。都市全体の活性化に貢献しながら、新たなビジネスチャンスを創出する。
また、開発全体の中心になるのが景観戦略だ。都市圏内には効果的に緑地が配備され、オープンなエリアがあちこちにある。このような緑地は住民の目にやさしく、さらにコンクリートで囲まれた従来の都市部に比べて、気温の上昇を抑え涼しく維持する効果も期待できる。
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URB CEO&創設者のBaharash Bagherian氏
Nexgenは、多くの都市開発プロジェクトの設計を主導してきたURBが中心に進めている。URBを創設したBaharash BagherianCEOは、「食料、エネルギー、綺麗な水を提供する次世代のネットゼロ都市をつくることは、もはや選択肢ではなく必然」と説明している。
世界の4人に1人が食料不足に陥っているという現代。ネットゼロで気候変動のような環境問題に対応しながら、さらに食料問題などマルチに解決策を提供できるNexgenのような都市が、今後は本格的に求められていくのではないだろうか。
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