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ニューヨーク州議会に、温室効果ガスの排出を削減する目的で、新築ビルでのガスヒーターなどの設置を禁止する法案が提出された。2022年の予算確保には至らなかったが、62%の州民がこの法案を支持。同州では、他にも環境問題に関する法案を次々と作成している。
神本萌 |Moe Kamimoto
フリーランスライター
大学時代に南アジア文化を学んだことをきっかけに、環境や人権の問題に関心を持つ。それ以降、より自分と地球にやさしい暮らしを目指して勉強中。趣味は写真。
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ニューヨーク州議会で、新築ビルにおける天然ガスなどの化石燃料の使用を禁止する法案「オール電化ビル法(All-Electric Buildings Act)」について議論されている。
ニューヨーク市では2021年12月、同様の法案がすでに承認されており、2023年から7階建て未満の新築建物で、2027年半ばから7階建て以上の建造物で天然ガスの使用が禁止される。ニューヨーク州議会に提出された今回の法案は、これに続くものだ。
同州では、天然ガスや石炭を燃やす火力発電の割合が多いため、短期的な効果は少ないと考えられる。しかし、2030年までに70%を、2040年までには完全にクリーンエネルギーへ移行する計画がある。そのため長期的に考えると、炭素排出量を大幅に削減できる見込みだ。
キャシー・ホークル州知事は、2022年1月の州議会演説で「遅くとも2027年までに、新築ビルでの温室効果ガスの排出をゼロにする」と宣言。この計画を後押しする法案として、期待されている。
だが4月上旬、州議会で2022年の予算案から除外されたことが明らかとなった。同法案の反対派は、光熱費の負担が増えると主張。消費者の経済負担を緩和することができれば、可決への道が開けそうだ。
1月に発表された世論調査では、62%の州民がこの法案を支持しており、2023年の予算確保が期待される。
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「オール電化ビル法」は予算として組み込まれなかったが、同州は環境保護に積極的だ。
4月上旬には、環境インフラ整備のための予算法案「環境ボンド法(Environmental Bond Act)」の額を30億ドル(約3,800億円)から42億ドル(約5,200億円)に増額。11月の州民投票を経て、正式に決定される。
今回の予算案では、州内のすべてのスクールバスを電気バスにするプロジェクトに、少なくとも5億ドルを投じることが盛り込まれている。同州では、2035年までにスクールバスを完全に電気自動車へ移行する予定だ。これは全米初の取り組みであり、他州からも注目されている。
さらに1月には、ファッション業界の生産プロセス開示を義務化する法案が州議会に提出され、世界中で話題となった。
アメリカ最大の都市を有するニューヨーク州の革新的な環境問題への取り組みは、アメリカ国内や世界各国へ大きなインパクトを与える可能性がある。新しい法案が続々と発表されているニューヨーク州の動きに、今後も注目したい。
※参考
Landmark legislation banning natural gas in new buildings in New York cut from state budget|6sqft
New York set to ban natural gas in new buildings -environmental groups|Reeters
New York Enacts First-In-Nation Plan To Electrify All State School Buses|Clean Technica
New York voters will consider larger bond act for environment|Spectrum News
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