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ギネスは大麦生産で排出する二酸化炭素を削減するため、リジェネラティブ農業(環境再生型農業)プログラムの計画を発表した。土壌や水質改善、農家の生活向上などが計画され、アイルランドの農場で取り組みが開始される。
小原 ゆゆ (Yuyu Obara)
ライター / インターン
上智大学総合グローバル学部在学中。 エストニアへの渡航をきっかけに、ヨーロッパの持続可能なライフスタイルに関心を持つ。 趣味は旅行、おかし作り、映画鑑賞。
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「ギネスビール」で知られるギネスは、アイルランドでの大麦の生産工程で排出する二酸化炭素を削減するため、3年間にわたるリジェネラティブ農業(環境再生型農業)プログラムを開始する。
このプログラムでは、農場の土壌や水質改善、生物多様性の保全、合成肥料の使用量削減、農家の生活向上などの取り組みが行われる予定だ。プログラムの第一段階として、アイルランドの約40の農場を対象に、2022年の大麦の種まきシーズンから開始される予定だ。
ギネス社は、このプログラムの開発においてさまざまなパートナーと連携している。製麦、栄養、穀物トレーディングなどの企業のほか、農学者などの専門家の協力をあおぎ、もっとも効果的なリジェネラティブ農業プログラムを設計した。
ギネス社のこのプログラムは、親会社であるディアジオが発表した10年間のサステナビリティ・アクションプランの一環だ。ディアジオの目標は、2030年までに自社グループの事業で二酸化炭素排出量をゼロにすること。またバリューチェーン全体における排出量の50%削減も目指している。
このアクションプランの一環になっているリジェネラティブ農業プログラムは、ディアジオにとって初めての試みだ。そして同社では、このような取り組みを業界全体に広げようと考えている。そのため、他社も農場の環境保全と収益性を両立できるよう、このプログラムの成果を公表する予定だ。
大手企業が自社のバリューチェーン内でリジェネラティブ農業の取り組みを行うことは、その効果だけではなく業界全体にとって大きなインパクトとなるだろう。今後のプログラムの成果や業界全体の動向に期待したい。
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