初心者におすすめのコンポスト4選 エシカルディレクターがセレクトした2022年最新版 

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Photo by Neslihan Gunaydin

微生物の働きを活用して、キッチンから出る生ごみを堆肥に変えるコンポスト。興味はあるけれど手が出しにくいという人も多いのでは? コンポスト初心者が始めやすい、ベランダやキッチンで使えるコンポストを『ELEMINIST』エシカルディレクターが解説する。

監修者: Keiko Nakagawara

ELEMINIST エシカルディレクター

何でも手作りしてくれた母の影響で、自身も2児の母として何事も自分で一度咀嚼し取り入れるライフスタイルを長年実践。「サステナブル・エシカル・SDGs」、難しい横文字を「暮らし」…

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エレミニスト編集部

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2022.03.31

コンポストとは?

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Photo by Patricia Valério on Unsplash

コンポストとは英語のcompostが語源で、生ごみなどからつくる「堆肥」、および「堆肥化すること」を意味する。生ごみから「堆肥」をつくる装置のことを英語では「コンポスター(composter)」と呼ぶ。日本では、この「堆肥」と「コンポスター」両方のことを「コンポスト」と呼ぶのが一般的。

「堆肥」や「生ごみ処理」といったワードを聞くとややハードルが高く感じがちだが、「微生物が生ごみを分解してくれる」と想像すれば、少し身近に思えるかもしれない。コンポストを使うとごみが分解されて微生物の呼吸でコンポストから湯気が上がる、そんな様子が目に見えてわかるため、ふだんは意識することのない微生物の存在を身近に感じられるはず。自治体によってはコンポスト購入費の助成金制度もあるので、興味のある人はぜひ調べてみては?

いろいろあるコンポスト、どうやって選ぶ?

庭に設置するタイプ、埋め込み式、ダンボールコンポスト、電動生ごみ処理機など、コンポストを調べるといろいろな種類が出てくるため、初めての人はどれを選んでいいか迷ってしまうかもしれない。選び方のポイントを『ELEMINIST』でエシカルディレクターを務める中川原圭子に聞いた。

置き場所と予算がポイント

選び方に迷ったら、「置き場所」と「予算」で考えるのがおすすめ。ベランダに置きたいのか、室内に置きたいのか、初期費用はどれくらいまでかけられるか、維持費はどう? ライフスタイルに合ったコンポストを選んで、無理なくコンポストライフを始めてみよう。

コンポストには「好気型」と「嫌気型」がある

コンポストには「好気型」と「嫌気型」の2種類のタイプがあり、「好気型」はにおいが少ない、「嫌気型」はかき混ぜ不要といった特徴がある。酸素が好きな微生物がごみを分解するタイプ、酸素が嫌いな微生物がごみを分解するタイプ、と考えるとイメージしやすいかもしれない。

エシカルディレクターがセレクト! ベランダやキッチンで使えるおすすめコンポスト

LFCコンポストのイメージ画像 shopping

Photo by LFCコンポスト

『ELEMINIST』エシカルディレクターの中川原圭子に、ベランダやキッチンから気軽にスタートできるコンポストをいくつか挙げてもらった。以下のタイプの中から「置き場所」と「予算」を基準に、自分のライフスタイルに合ったコンポストを見つけてみよう。

手軽で置き場所を選ばない EMぼかしタイプ

ベランダや室内のキッチンに置くことができるEMぼかしタイプ。生ごみにボカシ(発酵促進剤)を振りかけて堆肥をつくる仕組みで、初期費用は数千円〜2万円程度。維持費としてボカシ購入費がかかる。なかでもおすすめはスロベニア生まれの「ボカシオルガンコ2」。キッチンに置いても違和感のないスタイリッシュなデザインと、ごみのにおいが気にならない独自構造がポイント。2週間ごみを貯めて、2週間放置するだけという手軽さも初心者にとっては始めやすい。

「EMぼかしタイプは、途中で液肥ができるという副産物も! 液肥は水で薄めて肥料にしたり、排水溝に流すと排水溝がキレイになる効果もあります」(中川原)

土に埋めるだけの手軽さが魅力! キエーロ

土の中の微生物の力で生ごみを分解するキエーロは、土に穴を掘って埋めるだけという手軽さが魅力のコンポスト。庭がなくてもベランダで使える。生ごみを入れても土の量が増えることはなく、正しく使えば虫やにおいは発生しにくい。手づくりすることもでき、維持費がかからないところが初心者にとって嬉しい点。

「キエーロはプランターで自作することもでき、安く始められるのが魅力です。土は市販の黒土がおすすめ。ただ場所は取るため、ある程度広いベランダのある人におすすめです」(中川原)

植物を育てながら生ごみを堆肥化 ミミズコンポスト

ミミズコンポストは、生ごみをミミズに食べてもらい、貯まった糞や尿を堆肥や肥料として使わせてもらうという仕組みのコンポスト。初心者に必ずしもおすすめできる手軽さはないが、なかでもプランター一体型タイプならば比較的始めやすい。ミミズと微生物の力で生ごみを堆肥化しながら同時に植物を育てることができる。栄養豊富な土壌ができるため、植物や野菜の育成スピードや収穫量が多いのもポイント。初期費用は4万円ほどで、維持費としてミミズの購入費がかかる(ミミズは大型の釣具屋やネット通販で購入可能)。コンポストと家庭菜園を同時に行いたい人におすすめ。

「土中環境が良くなってくるとミミズが太っていったり動きが早くなるなど、目に見えてやりがいが感じられるところもミミズコンポストの特徴。ずっと運用できるところもいい点だと思います」(中川原)

都会暮らしの人も始めやすい おしゃれなトートバッグ型

『ELEMINIST SHOP』でも取り扱っているLFCコンポストは、生ごみを「入れる・混ぜる・フタをする」だけで初心者でも簡単に堆肥が作れるトートバッグ型のコンポスト。独自配合の基材(生ごみと混ぜ合わせる原料)が生ごみの分解を早め、悪臭の発生を抑えてくれる。専用バッグには水や虫の侵入を防ぐ特注のファスナーが付いているなど、初めてでも失敗しにくく続けやすい工夫が各所に施されている。

また「LFCホットライン」というLINEチャットサポートが付いているため、わからないことやトラブルが起きたときに気軽に相談できる点も心強い。初期費用は数千円〜で、維持費は基材代がかかる(専用バッグ・内袋は再利用可能)。

「LFCコンポストはとにかく簡単なので、初心者の方に一番おすすめ。大きさは大きめのトートバッグくらいで、屋外への設置の際、省スペースで使えます」(中川原)

都市型コンポスト「LFCコンポスト」 生ごみとCO2の年間削減量を発表

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コンポストを始める前に知っておきたいこと

ひと口大に切って投入するのがポイント

小さく切って入れることで分解が促進されるため、5cm角以下に切って入れるのがポイント。入れていい生ごみの種類として、例えば「LFCコンポスト」の場合は、野菜くず、シンクの排水溝のごみ、卵の殻、肉魚類、食べ残し、コーヒー殻、お茶殻などが挙げられる。逆に貝や栗の皮、タケノコ、とうもろこしの皮、雑草や生花などは入れないほうがよいとされている。入れていいもの、避けた方がいいものはコンポストの種類によって異なるため、各メーカーの説明書に従おう。

できた堆肥はどうすればいいの?

堆肥は栄養ドリンクのようなもの。そのまま土として使うと栄養過多で植物がダメになってしまうため、用土とブレンドすることでガーデニングに使える。堆肥の使い道に困ったときは、土地や畑を持っている人や園芸をやっている人に分けたりコミュニティコンポストへ持参するのがおすすめ。「LFCコンポスト」では定期的な堆肥の回収や、不定期で堆肥と野菜を交換する堆肥回収キャンペーンを行なっている。

ダンボールコンポストはベランダで使える?

コンポストをはじめる際、候補の一つに挙がることの多いダンボールコンポスト。手軽さが魅力であるものの、熟成期間にダンボールがダメになってしまうことや、繰り返し使うことが難しいため、『ELEMINIST』としては他の候補をおすすめしている。

微生物と共存する感覚でコンポストを始めてみよう

コンポストを始めると生ごみを捨てる手間がなくなるだけでなく、捨てるときに使うビニール袋の削減やごみ焼却の環境負荷の軽減につながるなど、たくさんのメリットがある。ふだん目にすることのない微生物の息吹を感じられる楽しさもあるので、まずは気になるコンポストを手に入れて、気軽にコンポストライフを始めてみては?

※掲載している情報は、2022年3月31日時点のものです。

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