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イタリア議会は、将来の世代のために生態系と多様性を守らなければならないとする新しい憲法を承認した。「歴史的な日」と、この改正を評価する声が国内外から集まっている。
染谷優衣
フリーランスライター
YouTubeのThrift Filp動画をきっかけにサステナブルに興味を持つ。最近は洋服のリメイクを勉強中。リサイクルショップで掘り出し物の古着を見つけるのが好き。
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2022年2月8日、イタリアで歴史的な憲法改正が行われることが決まった。同国議会は、将来の世代のために生態系と生物多様性を守らなければならないとする憲法を承認した。また今回の改正では、民間の経済活動は健康と環境を損なってはならないと記述されている。
環境と動物の保護に関する内容を憲法に盛り込むことは、イタリアの将来にとって非常に大きな決断であると、政治家、活動家ともにこの改正を評価している。
ロベルト・チンゴラーニ環境移行大臣は、声明の中で「今日は記念すべき日だと思う」とコメント。「環境、生物多様性、生態系の保護が我々の国の価値になることは素晴らしいこと。この改正は必要不可欠なステップである」と述べた。
またイタリア以外の国々からも、賛同する声が報じられている。ヴィルジニウス・シンケヴィチウス欧州環境委員は、「大きな一歩」と自身のツイッターでコメント。
WWF(世界自然保護基金)イタリアのドナテッラ・ビアンキ会長は、「ついに環境保護がイタリアの基本原則となった」とし、この憲法改正はイタリアの法制度を世界の環境原則と調和させる「重要な第一歩」であると述べている。
環境と動物の保護について憲法に明記されるれることは、素晴らしいことだ。だがこの改正が、どこまで影響を与えるかは未知数である。
これまでイタリアの憲法は、1948年に施行されたが、すべての法律や政策にその内容が反映されているとは限らない。
例えば、イタリアは2012年に国家予算を均衡させる必要性を憲法に盛り込んだ。だが、均衡財政を達成したことは一度もない。同様に、憲法第11条ではイタリアが「国際紛争を解決する手段として、戦争を拒否する」と明記されているが、これは武力紛争への参加を阻止するわけではなく、これまでも軍事介入を行っている。
もっとも大切なのは、憲法に書かれていることを人々が実際に行動にうつすことであろう。
だが、国が大切にするべき憲法に、環境や動物を守る内容が記されるというイタリアの歴史的な出来事を祝福したい。
※参照
‘Historic’ vote means Italian state must now protect animals and ecosystems|Euro News
Italy makes constitution greener, environmentalists call for action | Reuters
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