Photo by Oda
ノルウェーのオンラインスーパー「Oda」では、レシートに各食品の価格とあわせてカーボンフットプリントを表示し、代替肉や植物性食品の購入量が増加した。同社が始めた取り組みと、その成果について紹介する。
染谷優衣
フリーランスライター
YouTubeのThrift Filp動画をきっかけにサステナブルに興味を持つ。最近は洋服のリメイクを勉強中。リサイクルショップで掘り出し物の古着を見つけるのが好き。
知識をもって体験することで地球を変える|ELEMINIST Followersのビーチクリーンレポート
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スーパーで買い物するとき、環境への負荷が少ない食材を選ぶ人が増えれば、それだけ地球環境の改善が期待できるだろう。だが、環境について考えながら買い物している人はまだ一部に限られるかもしれない。そんな人々の環境に対する意識を高め、実際に代替肉の購入量が80%も増えた事例がある。
それが、ノルウェーのオンラインスーパー「Oda」が行った取り組みだ。Odaでは、買い物客に渡すレシートに、商品の価格とあわせてカーボンフットプリントを記載している。
カーボンフットプリントが記載されたレシート。
レシートには、それぞれの食品1kgあたりで、製造過程から廃棄に至るまでの全工程で排出される二酸化炭素排出量を表示。さらに、二酸化炭素排出量が多いものは赤、少ないものは緑という具合に、色別でも表示され視覚的にも環境への影響がわかりやすくデザインされている。
この二酸化炭素排出量は、ノルウェーの気候研究機関、Ciceroの協力のもと作成された。さらにOdaで取り扱う全商品について、二酸化炭素排出量の多いもの、少ないものも分類されている。
牛、仔羊、豚などの肉類は二酸化炭素排出量が多いが、野菜や魚は少ないとわかるようになっている。
このレシートを見れば、どのような食品が二酸化炭素排出量が多いのか一目瞭然。毎日の献立を考える上でも、肉料理を魚料理に変えるといった心がけで、環境にプラスの効果があることを日常的に認識できる。
Odaを利用する顧客は、ノルウェーの一般的な消費者に比べて、生鮮食品の消費量が50%多いという。しかもこの取り組みを始めてから、代替肉の購入量は前年比で80%も増加。レンズ豆のスープなどのプラントベースの食材の購入量も増加したそうだ。
このレシートの取り組みについて、顧客からのフィードバックも好評で、一定の成果が出ているものとみられている。
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カーボンフットプリントを記載したレシピ。
また同社は気候変動に配慮したメニューのレシピを同社Webサイトで公開。それぞれの料理で使う材料ごとの二酸化炭素排出量や、できあがった料理1人分の二酸化炭素排出量も表示している。
「環境によいことをしたくても手段がわからない」という課題は、多くの人が共感できるのではないだろうか。そのようなとき、Odaのように二酸化炭素排出量が目に見える形でわかるサービスがあると、私たちは実際の行動に移しやすく、環境に配慮した行動を継続するモチベーション維持にもつながるだろう。
実際、Odaの事例を受けて、ノルウェーでは類似のサービスが多く生まれているそうだ。環境に対する貢献を見える化するサービスが、今後も増えていくとさらにいいのではないだろうか。
※参照
Oda
Norwegian Consumers Ditch Red Meat After Carbon Footprint Is Printed On Oda Grocery Receipts|Green Queen
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