プラダが中古市場参入を検討 高級ブランドが次々と循環型経済へシフト

プラダ、中古市場への参入を検討

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イタリアの高級ブランド「プラダ」が、急成長を遂げる中古市場に注目。自社またはパートナーシップの提携等で中古市場への参入を検討していることがわかった。高級ブランドをはじめ、ファッション業界で循環型経済へのシフトが進んでいる。

小原 ゆゆ (Yuyu Obara)

ライター / インターン

上智大学総合グローバル学部在学中。 エストニアへの渡航をきっかけに、ヨーロッパの持続可能なライフスタイルに関心を持つ。 趣味は旅行、おかし作り、映画鑑賞。

2022.01.04

4年で65%成長の中古市場に注目

プラダ、中古市場への参入を検討

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イタリアの高級ブランド「プラダ」は、近年急激に拡大を続ける中古市場への参入を検討していることを明らかにした。

コンサルタント企業ベインによると、中古品の市場規模は2017年から2021年のわずか4年の間で約65%成長。2021年には330億ユーロ(約4兆3000億ドル)になるとみられる。これに対し、同期間における高級ブランド品の成長率は12%にとどまっている。

また、2020年に6カ国7,000人に行われた調査で、消費者の62%が「中古品業者と提携しているファッションブランドから買いたい」と回答。中古品購入者の85%が、過剰消費を抑えるため「高品質で長持ちするアイテムに買い換えたい」と答えており、消費者のショッピングスタイルが、新品から中古品にシフトしつつあることがうかがえる。

これを受けて、プラダでは1年以上前から中古品取引市場について戦略的に調査を実施。同ブランドのマーケティングチーフであるロレンツォ・ベルテッリ氏によると、中古市場参入をビジネスチャンスと捉え、自社またはパートナーシップ企業との提携によって中古市場へ参入する可能性があるとしている。

プラダでは、今後の中古市場参入に向けた具体的な計画は明らかにしていない。しかし同ブランドは、化石燃料の使用状況に応じた自然保護団体Stand.Earthによるスコアで、最低のFランクに評価されている。

環境への配慮がますます求められることを背景に、中古市場への参入は消費者の需要にこたえる一歩となっていくだろう。

ファッション業界で進む循環型経済への移行

中古市場へのシフトは、プラダに限った話ではない。ラグジュアリーブランドの中で、中古市場へ参入する動きが広がっている。

バレンシアガ、サンローランなどのブランドを傘下とするフランスのケリングは、ラグジュアリーブランド品の中古販売を行うサイト「Vestiaire Collective」の5%の株式を購入。また、ケリングの代表的なブランドであるグッチも、ラグジュアリーブランド品の中古販売を行う「The RealReal」とパートナーシップを結んでいる。

これまでのファッション業界では、ワンシーズン限りの流行にあわせて「買って、トレンドが終われば捨てる」という価値観が当たり前だった。しかし環境に配慮する消費者から疑問視され、「中古品を選ぶ」という選択肢が広がってきている。

影響力のあるラグジュアリーブランドの循環型経済への移行は、ファッション業界を大きく変革するきっかけとなることが期待されている。

※掲載している情報は、2022年1月4日時点のものです。

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