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イギリスがフォアグラの生産・使用禁止について検討していることが報じられた。カモやガチョウに強制的に餌を与えることが残酷であると指摘されている。イギリスは2021年夏、フカヒレの輸出入を全面禁止する法律を制定しており、動物福祉の取り組みをさらに一歩前進させるようだ。
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イギリス議会が、フォアグラの生産や使用禁止について検討中だ。
フォアグラは、カモやガチョウに大量の餌を与え、肝臓を肥大させて生産される。しかし「ガヴァージュ」と呼ばれる強制給餌では、漏斗などを使って餌を流し込む方法がとられ、そのように強制的に餌を与えることは残酷であると、動物愛護団体などが指摘している。
フォアグラは高級食材としてハイクラスなレストランなどで提供されているが、近年では動物愛護の観点からフォアグラの使用をやめる店が増えているという。
イギリス議会は現在、フォアグラの販売や輸入を禁止するため、専門家や関連機関から見解を求める段階にある。先日は、ヴィーガンレストランの関係者と政府アドバイザーが、植物由来のフォアグラをつくる方法について話し合いの場を持ったことが明らかとなった。
フォアグラの取引が禁止された場合、市場には需要と供給にギャップが生まれると考えられる。政府は、代替品の提供に意欲のある高級レストランのシェフの力によって、そのギャップをカバーしたいと考えているようだ。
動物愛護や動物福祉(アニマルウェルフェア)の考えが進むイギリスでは、2021年8月にフカヒレの輸出入を全面禁止とする法律が世界で初めて制定され、話題となった。
フォアグラについては、イタリア、ポーランド、トルコ、フィンランドなどの国で生産が禁止されている。だがイギリスでは、フランスなどの他国から輸入したフォアグラを使用している店もあるため、生産のほか販売と輸出入の禁止が求められる。
アメリカのニューヨーク市議会は2021年、フォアグラの販売と使用を禁止する条例を可決。2022年より施行されることが決定している。
フカヒレもフォアグラも美食家に好まれる食材だが、生産過程では動物が残酷に搾取されている面がある。料理の見栄えや味だけでなく、その食材がどのように調達されているのかということも考える必要があるだろう。
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