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飛行距離や機体の種類などをもとに、二酸化炭素排出量の少ないフライトを調べられるサービス「ライト・フライツ(Lite Flights)」。世界のトップ100の空港間で検索が可能だ。飛行機が出す二酸化炭素排出量の多さから、「フライトシェイム(飛び恥)」という概念も広がっている。
染谷優衣
フリーランスライター
YouTubeのThrift Filp動画をきっかけにサステナブルに興味を持つ。最近は洋服のリメイクを勉強中。リサイクルショップで掘り出し物の古着を見つけるのが好き。
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危機対応サービスのグローバル・レスキュー社がアメリカのビジネス旅行者に行った調査によると、2021年に宿泊を伴うアメリカ国内の出張に出かけた人は、61%にのぼった。
新型コロナウイルス感染症(COVID-19)のワクチン接種率が上がり、政府の検疫・検査条件が徐々に緩和。それにより、ビジネス旅行の需要が回復しつつあるようだ。
コロナ前のように自由に世界中を飛びまわれるようになったとき、気になるのが飛行機による環境負荷だ。世界で排出される二酸化炭素の約2.4%は飛行機によるものと言われている。さらに、機体から排出される二酸化炭素以外のガスや水蒸気と合わせると、地球温暖化の原因の約5%は航空業界によるものという。
そこで紹介したいのが、環境への負荷がもっとも少ないフライトを検索できる「ライト・フライツ(Lite Flights)」だ。同サイトでは、世界のトップ100の空港間のフライトについて、飛行距離、飛行ルートの過密度、航空会社、機体の種類などの情報をもとに、二酸化炭素排出量の少ない順に表示する。
例えば、羽田空港からアメリカのロサンゼルス空港へ行く場合、デルタ航空のエアバスA330-900では、乗客一人当たりの片道の二酸化炭素排出量は1933kg。成田空港からロサンゼルス空港までのルートでは、日本航空のボーイング787-9で、一人当たりの二酸化炭素排出量は1943㎏だ。
同サイトによると、飛行距離が5000㎞未満ならエアバスA321Neo、5000㎞以上ならエアバスA350-1000が理想的な機体という。またほとんどの場合、他の空港を経由するルートより目的地まで直行するルートの方が二酸化炭素排出量は少ない。
ライト・フライツを制作・開発したのは、デザイン会社のグッド・シーザーだ。同社では今後、利用できる目的地の数を増やし、ライト・フライツの検索結果からそのまま飛行機の予約を可能にすることを検討している。
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飛行機は二酸化炭素を多く排出することから、2020年には環境活動家のグレタ・トゥーンベリによって、飛行機に乗ることを恥ずかしいとする「フライトシェイム(飛び恥)」運動が生まれた。
世界の航空会社や空港で、環境に配慮したサービスの開発などが進められているが、同時に飛行機に乗ることを避けるような動きが少しずつ出てきている。とはいえ、空の旅が完全になくなることは、現実的に難しいだろう。
だからこそライト・フライツのように、環境負荷の軽減につながるサービスの需要が高まっているようだ。実際にアメリカの飲食業界では、テイクアウト容器のサステナビリティを基準に、レストラン選びができるサービスが広がっている。
同様の動きは、今後さまざまな業界で生まれていくのではないだろうか。
※参考
Lite.Flight Map
https://lite.flights/map/best-routes
Global Rescue Survey Finds Business Travel Is Returning|Global Rescue
https://www.globalrescue.com/common/blog/detail/business-travel-is-returning/
Should we give up flying for the sake of the climate?|BBC
https://www.bbc.com/future/article/20200218-climate-change-how-to-cut-your-carbon-emissions-when-flying
What Is Flight Shaming, and How Is It Impacting the Aviation Industry?|GREENMATTERS
https://www.greenmatters.com/p/flight-shame
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