2021年・都道府県別「平均寿命ランキング」 1位は滋賀県の81歳 世界との比較は?

日本全体の平均寿命は、男性が80.77歳、女性が87.01歳。厚生労働省のデータをもとに、最新の都道府県別の平均寿命ランキングを紹介する。さらに世界各国の平均寿命との比較や、ランキング上位の都道府県の取り組みについて解説する。

ELEMINIST Editor

エレミニスト編集部

日本をはじめ、世界中から厳選された最新のサステナブルな情報をエレミニスト独自の目線からお届けします。エシカル&ミニマルな暮らしと消費、サステナブルな生き方をガイドします。

2021.10.28
EARTH
編集部オリジナル

地球を救うかもしれない… サキュレアクトが出合った「未来を変える原料」と新たな挑戦

Promotion

日本全体の平均寿命の推移

厚生労働省「平成27年都道府県別生命表の概況」によると、日本全体の平均寿命は、男性が80.77歳、女性が87.01歳だ。(※1)

都道府県別にみると、男性は滋賀県が81.78歳でもっとも高く、次いで長野県の 81.75歳、京都府の 81.40歳となる。女性では長野県が 87.67歳でもっとも高く、次いで岡山県の 87.67歳、島根県の 87.64歳となっている。

平均寿命のもっとも高い都道府県ともっとも低い都道府県では、男性が3.11年、女性が1.74年の差がある。

都道府県でこのような差はあるとはいえ、男女ともに平均寿命は延びている。

厚生労働省が前回(平成22年、2010年)発表した平均寿命に比べて、とくに大きな延びを示したのが、男性では長崎県(1.50 年)、山口県(1.48年)、青森県(1.39年)だ。女性では、鳥取県(1.19年)、群馬県(0.93年)、兵庫県(0.93年)で大きく延びた。(※1)

2060年の平均寿命は?

内閣府の報告によれば、今後も平均寿命はさらに延び、2060年には男性は84.19歳、女性90.93歳になるという。女性の平均寿命はついに90年を超え、2060年の高齢化率は39.9%に達する見込みだ。(※2)

世界各国の平均寿命との比較

男性女性
日本80.77歳87.01歳
アメリカ76.3歳81.4歳
カナダ80.0歳84.2歳
ブラジル73.1歳80.1歳
ノルウェー81.48歳84.89歳
イギリス79.37歳83.06歳
フランス79.10歳85.12歳
韓国80.3歳86.3歳
中国73.64歳79.43歳

厚生労働省の資料によると、世界各国の平均寿命は表のとおりだ。(※3)各国と比べても、日本が高いことがよくわかる。

ランキング上位の都道府県

平均寿命の高い都道府県は、健康増進のためにどのような取り組みをしているのか。男性は全国2位、女性は全国1位となった長野県のケースをみていこう。長野県の資料では、健康長寿の要因として以下の4点を挙げている。(※4)

1. 高齢者の就業率が高く、生きがいを持って生活している
65歳以上の就業者割合が、28.7%と全国1位だ。(全国平均は22.5%)

2. 野菜摂取量が多い
1人1日あたりの野菜摂取量が、男性352g、女性335gで、ともに全国1位。(全国平均は男性284g、女性270g)

3. 健康ボランティアによる自主的な健康づくりへの取組が活発
食生活改善推進員1人あたりの年間活動回数が、全国平均21.9回に対して、24.1回と全国第13位。さらに保健補導員を設置しているのは、県内77市町村のうち76だ。

4. 専門職による地域の保健医療活動が活発
人口10万人あたりの保健師数が76.6人と全国第1位(全国平均は40.4人)

長野県における地域の健康増進は昭和20年代からはじまっている。昭和40年代には診療所の医師、市町村・保健所の保健師・栄養士、食生活改善推進員、保健補導員などの関係者が連携・協力し、保健予防活動を展開。

医療機関による保健活動の推進にも注力しており、全国に先駆けて食生活の改善や、健康診断・検診受診の勧奨、健康教室・健康づくり大会が実施されている。

1965年の平均寿命ランキングで長野県は、男性9位、女性26位だったが、上記のような取り組みによってランクを徐々にアップ。1990年には男性で全国1位の座を獲得し、それ以来、男女ともランキング上位の常連になっている。

長野県だけでなく、日本の各都道府県はそれぞれ独自に健康施策や事業を行っている。ランキング上位の都道府県は、さまざまな取り組みによって市民の健康を増進。平均寿命の延びにつながっていると考えられる。

ランキング下位の都道府県

一方、ランキング下位の都道府県には、青森県、秋田県などが並んだ。青森県では平均寿命が全国最下位となった要因として、肥満や高血圧など生活習慣に起因するものや、高い喫煙率などを挙げている。これらは健康意識の低さが関連するものとして、健康リテラシーの向上に力を入れている。(※5)

県民の健康への意識が高くなれば、運動習慣や食生活の改善、がん検診や健康診断の受診率向上につながり、平均寿命の延伸になるものと考えられる。

「健康寿命」の延伸も課題

日本の平均寿命は世界的に高く、長寿国であることは間違いない。今後は、日常生活を制限されることなく健康的に生活できる「健康寿命」を延ばすことも重要だ。少子高齢化が進む日本では、元気に長生きできる社会の仕組みや制度がますます必要になっていくだろう。

※掲載している情報は、2021年10月28日時点のものです。

    Read More

    Latest Articles

    ELEMINIST Recommends