フェムテックで人も地球も持続可能な未来を切り開く 『明日 わたしは 柿の木にのぼる』インタビュー

『明日 わたしは 柿の木にのぼる』の商品

女性が抱える健康の問題を解決するサービスやモノを指す「フェムテック」は、女性のエンパワーメントだけでなく、持続可能な未来へもつながってくる。フェミニンケアブランド『明日 わたしは 柿の木にのぼる』創設者の小林味愛氏に、ウェルネスとエシカルを重視する理由を聞いた。

Mai Shiratori

トレンドリサーチャー

埼玉県出身。2014年から2019年までアメリカのニューヨークに居住し、トレンドリサーチャーとして衣食住のトレンドをリサーチする。さらに、ニューヨークでヨガ学んだことをきっかけに、ウェル…

2021.10.02
SOCIETY
学び

イベントや商品の魅力を広げる エシカルインフルエンサーマーケティング

持続可能な社会に欠かせない農家の存在

柿を手に取った農家

-製品をつくる上でこだわったことを教えてください。

「サステナブル」「品質」の二つは、妥協できない強い思いがありました。サステナブルという部分では、私たちが製品を生み出して販売することで、お客様はもちろん社会に還元できるかということを一番に考えました。

製品には、干し柿を加工する上で廃棄されてしまう柿の皮を農家さんから買い取り、成分に使用しています。どこの畑で誰がつくっているのかということまでわかる、透明性のあるものです。

全国的に農家さんの所得は、家族経営であればあるほど、そこまで高くないのが現実です。『明日 わたしは柿の木にのぼる』を販売することで、いままで価格が付けられていなかったものに付加価値をつけ、廃棄せずに買い取ることができる。製品が売れれば、どんどん生産者さんに還元することができ、経済的な安定や後継者問題などの解決にもつながっていきます。

出会った農家さんたちは、人間的にも尊敬でき、嘘がなく信頼できる。そのような農家さん達をサポートすることが、日本がこれから持続可能に食料をつくっていく上で、とても大事な観点だと思っています。

一方で、いち消費者としては製品が安心安全であることが重要です。使用する成分はすべて天然成分で統一し、使い心地にもこだわっています。

自分達ができる等身大のサステナブルを続けていきたい

柿

-環境のお話が出ましたが、環境を配慮した物づくりやブランドが近年増えています。環境にやさしい選択肢がスタンダードになるためにはどんな課題があるのでしょう?

責任を消費者に求めるのではなく、私たちの企業の責任としてどこまでを追求できるかが課題だと思っています。

メーカーが製品を製造販売する段階において、いかに環境に配慮した仕組みがつくれるかが重要です。私たちの製品が天然成分のみを使用しているのは、もしたとえ廃棄されても地球に戻れるようにするため。重いという難点もありますが、ボトルにはできる限り陶器を使用しています。

私たちはメーカーとして「これは本当にサステナブルなのか?」ということを真剣に考え選択し、自分達ができる等身大のサステナブルを続けていきたいと、強く思っています。そしてまだまだ追求して改善できることがたくさんあると思っています。

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タブー視から抜け出して多様な選択肢を
※掲載している情報は、2021年10月2日時点のものです。

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