赤ちゃんが誕生するたびに木を植える 英国の団体がウガンダに1500万本を植樹

森林保護のための植樹活動

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赤ちゃんの誕生または養子縁組が行われるたびに植樹を行う、英ウェールズの慈善団体サイズ オブ ウェールズ。2008年から始まったこのプロジェクトで、ウガンダで行った植樹が1500万本に達した。森林や農地を保護し、安定した食料と資金確保の実現を目指している。

染谷優衣

フリーランスライター

YouTubeのThrift Filp動画をきっかけにサステナブルに興味を持つ。最近は洋服のリメイクを勉強中。リサイクルショップで掘り出し物の古着を見つけるのが好き。

2021.09.07
SOCIETY
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2025年までにウガンダに2500万本の植樹を目指す

森林保護のための植樹活動

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イギリスのウェールズを拠点に森林保護活動を行う慈善団体、サイズ オブ ウェールズ(Size of Wales)は2021年8月、ウガンダ東部の都市ムバレでの植樹活動「ムバレ・ツリーズ・プロジェクト」で、1500万本の植樹を行ったことを発表した。

このプロジェクトは、ウェールズ政府の「プラント! スキーム」と連携。二酸化炭素排出量を削減する「カーボンオフセット」を目的に、ウェールズで子どもが誕生するか養子縁組が行われるたびに、ウガンダとウェールズに各1本ずつ植樹を行う取り組みだ。

当初ウェールズのみで始まったこの植樹活動は、2008年の開始から8年後の2016年には、植樹面積がウェールズとほぼ同じになった。2018年からは活動地域をウガンダにも拡大。ウェールズとウガンダのムバレの両地域で、植樹を行うようになった。

ウガンダでは気候変動や人口増加による深刻な森林破壊、不十分な森林保護法などが原因で、かつてあった豊沃な土地が失われている。1990年から2010年の間で31%の森林を失ってしまったという。そのためムバレでは近年、豪雨や土砂崩れによる被害が発生している。

サイズ オブ ウェールズによる植樹活動は、地滑りによる土砂災害を防ぐだけでなく畑などの農地の保護にも貢献。果物の収穫による安定した食料と資金の確保も期待できるという。同団体は、2025年までに2500万本の植樹を目指している。

世界の環境問題を意識するきっかけに

このプロジェクトでは、ウェールズで誕生した子どもと養子縁組が行われた子どもに、この植樹活動に貢献した証として証明書と手紙を付与している。さらに、子どもが大きくなったときに、実際に森林を見に行くことを歓迎している。

気候問題や森林保護の問題は、ふだんの生活ではなかなか実感しづらく、他人事になりがちだ。しかし自身の誕生や養子縁組が、地元と遠く離れた地の環境保護活動にかかわっているなら、地球がつながっていることを改めて実感できるきっかけになり得るだろう。

自分が“地球の一員”であることを意識できれば、自然と日常の行動も変わっていくのではないだろうか。

参考
※ 15 Millionth Wales-Funded Tree Planted In Uganda|Size of Wales
https://sizeofwales.org.uk/press-release-15-millionth-wales-funded-tree-planted-in-uganda/
※ Which country is planting a tree for every baby that is born?|euronews.green
https://www.euronews.com/green/2021/08/23/which-country-is-planting-a-tree-for-every-baby-that-is-born

※掲載している情報は、2021年9月7日時点のものです。

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