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国際機関「世界国際フォーラム」が、2030年までにプラスチック包装を減らす世界のモデリングを提案。プラスチック包装の10〜20%が再利用可能なものになれば、年間の海洋プラスチックごみの45〜90%が削減可能となると示した。
染谷優衣
フリーランスライター
YouTubeのThrift Filp動画をきっかけにサステナブルに興味を持つ。最近は洋服のリメイクを勉強中。リサイクルショップで掘り出し物の古着を見つけるのが好き。
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現在、世界で生産されるプラスチックの半数が使い捨てだ。プラスチック包装のうち、リサイクルされるものは、全体の約14%に過ぎない。もし私たちが一部でも再利用可能なプラスチック包装に切り替えたら、世界はどう変わるだろうか。
世界情勢の改善に取り組む国際機関「世界国際フォーラム」と経営コンサルタント会社「Kearney(カーニー)」は、2021年7月に発表した報告書で、プラスチック廃棄物削減のための代替モデルを提案した。
そのなかで、2030年までに再利用可能なプラスチック製品が使われた場合の3つのシナリオを提示。それぞれのシナリオで、世界のプラスチックごみ問題解決にどのような影響を与えるかも示している。
1つ目は、プラスチック包装の10〜20%が再利用可能になった場合を仮定したシナリオだ。これは年間の海洋プラスチックごみの45〜90%、埋め立てられているプラスチックごみの10~25%に匹敵する。
つまり、プラスチック包装の1~2割が再利用可能になるだけで、年間の海洋プラスチックごみのおよそ半分を削減できるということだ。
2つ目のシナリオは、プラスチック包装の20〜40%が再利用可能になった場合だ。これは、年間の海洋プラスチックごみの90%以上、埋め立てられているプラスチックごみの25〜50%に匹敵する。
3つ目のシナリオはもっとも積極的に進めたケースで、すべてのプラスチック包装のうち、40〜70%が再利用可能になった場合を想定。この場合、海洋プラスチックごみの185〜320%、埋め立てられているプラスチックごみの50〜85%に匹敵するという。
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今回の調査結果は、再利用を中心とした循環型経済への転換が、持続可能な世界を築く鍵を握っていることを示唆する。しかし、これを現実にするためには、いまの社会のあらゆる部分で変革が必要である。
「再利用可能な消費財へのシフトは、消費者・企業・公的機関という3つの原動力の選択と行動にかかっている」と、「Kearney」のグローバル・ソーシャル・インパクト&サステナブル・リーダーのBeth Bovis(ベス・ボヴィス)は述べている。
「3者それぞれが、再利用する社会を実現するための独自の役割を担っている。そして、再利用を中心とした経済モデルの必要性は急務であり、その必要性は年々高まっている。それに応えられるか否かは、すべてのステークホルダーしだいだ」
あくまで想定ではあるものの、少しでも調査結果に近い未来をつくれるよう、改めて自分の行動を見直してはどうだろうか。
※参照サイト
Reusing 10% Will Stop Almost Half of Plastic Waste From Entering the Ocean | WEF
https://www.weforum.org/press/2021/07/reusing-10-of-plastics-can-prevent-almost-half-of-all-plastic-waste-from-entering-the-ocean/
Future of Reusable Consumption Models | WEF
http://www3.weforum.org/docs/WEF_IR_Future_of_Reusable_Consumption_2021.pdf
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