利用者はただ溜めておくだけ コーヒーかすをスタートアップに提供するサービス「jugi」

「Jugi」から飛び出たコーヒー豆

コーヒーかす専用ディスペンサー「Jugi」は、日常的に出るコーヒーかすを入れるだけ。回収されたコーヒーかすは、それを原料とするスタートアップ企業へ提供され、環境にやさしいプロダクトつくりに生かされる。

染谷優衣

フリーランスライター

YouTubeのThrift Filp動画をきっかけにサステナブルに興味を持つ。最近は洋服のリメイクを勉強中。リサイクルショップで掘り出し物の古着を見つけるのが好き。

2021.06.18
SOCIETY
学び

エシカルマーケティングとは? メリットや実例をわかりやすく紹介

消費者はコーヒーかすを「Jugi」に溜めるだけ 必要とする人に届けるまでのすべて運用

3色の「Jugi」が並ぶ様子

忙しい日常生活の中で、多くの人にとって常に生ごみに気を配るのは難しいだろう。しかし意識的な消費には、廃棄物に責任を持つことが不可欠。トルコのプロダクトデザイナー Pelin Bilginさんが開発したコーヒーかす専用ディスペンサー「Jugi」は、消費者の食品廃棄物に対する意識を高める。

消費者の役割は、日常的に出るコーヒーかすを「Jugi」に入れるだけ。容器が満杯状態になると自動で「Jugi」運営チームに通知が届き、容器を訪問回収してくれる仕組みだ。

もしくは近所に店舗用の「Jugi」を置いているカフェがあれば、消費者が直接そこに持っていくことも可能。その場合、消費者は割り引きを受けられるポイントを溜めることができるため、受け入れ側のカフェはマーケティングとしても活用できる。

回収されたコーヒーかすは、原料とするスタートアップ企業へ提供される。彼らはこれまで何件もカフェを巡って調達をする必要があったが、コーヒーかす管理の質にばらつきがあり、入手できる量も安定しなかった。

「Jugi」を通して仕入れることで、安定した供給量を担保できるのはもちろん、回収したコーヒーかすを殺菌加工しているため、安全な原材料の入手が可能になる。

資源として注目されるコーヒーかすの機会損出を防ぐ

赤い背景に宙に浮くコーヒー豆と白色の「Jugi」2つ

コーヒーは習慣的に飲む人が多い飲料の一つである。抽出する際に発生するコーヒーかすのほとんどは、埋立地に送られているのが現状だ。しかもそれらが分解される際は、温室効果の高いメタンガスが生成されることから環境にも影響があるとされる。

そんな問題を解決するためにも、昨今コーヒーかすをつかったスタートアップが増えている。コーヒーかすをお弁当箱に加工することもできれば、ガソリンに変わるバイオエタノールにもなるほどのポテンシャルを持っている。「Jugi」があれば、貴重な機会損失を防げるのだ。

それに、消費者がすることはコーヒーかすを溜めるだけだ。回収含めたその後の運用は丸投げできるのも、忙しい現代人にあっているプロダクト設計といえるだろう。

参照サイト/Jugi - A smart coffee waste collection system
https://www.behance.net/gallery/101188831/Jugi-A-smart-coffee-waste-collection-system

※掲載している情報は、2021年6月18日時点のものです。

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