まるでイグルーのような球体型をした地下冷蔵庫「Groundfridge(グランドフリッジ)」は、年間を通して10〜12℃の温度帯をキープできる。野菜やチーズ、ワインなどの食材を保存するのに最適だ。約3,000L分の食糧を貯蔵できるといい、家庭用冷蔵庫約20個分に相当する。
染谷優衣
フリーランスライター
YouTubeのThrift Filp動画をきっかけにサステナブルに興味を持つ。最近は洋服のリメイクを勉強中。リサイクルショップで掘り出し物の古着を見つけるのが好き。
オランダのデザイナーFloris Schoonderbeekさんが開発した「Groundfridge(グランドフリッジ)」は、ほとんど電力を使わずに食べ物を冷蔵保存できるのが特徴だ。
同製品は、食料貯蔵庫として活躍した伝統的なセラーからインスピレーションを受けている。見た目はまるでイグルーのような球体型をしており、入り口から階段を降りて貯蔵庫に行く構造だ。扉以外はすべて地下に埋まっているため、外から見えるのは扉のみで景観を害すこともない。室内には食料品を置きやすいよう木製の棚が内蔵されている。
設置の際は、地面を掘り「Groundfridge(グランドフリッジ)」の上に1mほど土をかけることで、温度変化の影響を受けにくくできる。庫内の温度は地域の気候にもよるが、年間を通して4〜15℃で安定する。野菜やチーズ、ワインなどの食材を保存するのに最適だ。製造会社によると、約3,000L分の食糧を貯蔵できるといい、家庭用冷蔵庫約20個分に相当するという。
20個分の冷蔵庫となると、一般家庭ではスペース的に厳しいかもしれない。価格としても1台100万円以上するため、地方で農業を営む人や飲食業を経営する人と相性が良さそうだ。
初期投資の価格こそ高くものの、その後の運用でほぼ電力を使わないことを考えると、長い目で見たときの費用対効果もそこまで悪くない。
とくに最近は、日本でも環境配慮をしたレストランが増えてきている。ある調査によると、背景にはミレニアル世代やZ世代が“自分の価値観に合った飲食店”として境環境への取り組みに賛同する人が多くいるからだという(※)。
「Groundfridge(グランドフリッジ)」のような環境配慮がされた製品を運用することで、店の価値観をより強く表せるだろう。
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