スキー板の製造技術を応用した木製自転車「Pardee Bike」 製造過程のCO2排出量が半分以下に

「Pardee Bikes」に乗車した男性

アメリカのスキー&スノーボードメーカー「Gilson Snow」のエンジニアたちが、コロナ禍で2ヶ月ほど製造停止していた間木製自転車「Pardee Bikes」を製作。強度は担保しつつ、自転車製造過程におけるCO2排出量を50%以上削減した。

染谷優衣

フリーランスライター

YouTubeのThrift Filp動画をきっかけにサステナブルに興味を持つ。最近は洋服のリメイクを勉強中。リサイクルショップで掘り出し物の古着を見つけるのが好き。

2021.06.09
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強度と環境への配慮を実現する木製自転車「Pardee Bikes」

ニューヨーク・タイムズスクエアにたたずむ男性と「Pardee Bikes」

現代つかわれる移動手段のなかでも、燃料が不必要な自転車は環境にやさしい。しかし、ほとんどの自転車は加工に大きな熱量を要する金属でできているため、製造過程は特段エコではない。

そんな問題に着目したのが、アメリカのスキー&スノーボードメーカー「Gilson Snow」。新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の影響で2ヶ月ほど製造停止していた間、エンジニアたちがスキー板をつくる技術をつかって木製自転車「Pardee Bikes」を製作したのがきっかけだ。

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従来の自転車でよく使われる鋼、アルミニウム、炭素繊維はどれも多くのエネルギーを要する。そこで、「Pardee Bikes」はフレームを木製に変更。かえでの木を38層にして圧縮することで、丈夫で衝撃に強いフレーム作りを可能にした。結果、使用する金属を77%削減成功。二酸化炭素排出量は約53%減り、エネルギーは19.32kWH節約できた。

製造時の環境負荷が課題になるのは時間の問題

公道を走る「Pardee Bikes」

いま世界では自転車ブームが巻き起こっている。感染予防のため公共交通機関を避けたい風潮があるなか、昨年WHOが自転車や徒歩での移動を正式に推奨。それを受け、パリではロックダウンで自粛していた期間を利用し、道路を自転車レーンへ工事した(※)。

マレ地区からコンコルド広場まで続く全長約3キロにおよぶ有名な通りの一つリヴォリ通りも自転車専用になったというから驚きだ。

今後も続くであろう自転車ブームを考えると、製造過程で排出される二酸化炭素量も無視できなくなる。まずは車から自転車に変えるだけでも大きな一歩になるが、「Padree Bikes」のような先を見据えた開発もますます必要になるだろう。

※Paris seeks to ban through traffic in city centre by 2022|BBC
https://www.bbc.com/news/world-europe-57109733

参照サイト/Pardee Bikes
https://www.kickstarter.com/projects/pardeebikes/pardee-bikes/description

※掲載している情報は、2021年6月9日時点のものです。

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