瓶詰め飲料の配達と回収を行うデリバリーサービス「lark」。保存料を一切使用しない5つのフレーバーを展開し、ローゼル、エルダーフラワーなどの植物を使って水に色や香りをつけている。このビジネスモデルは、1960年代に玄関先へ牛乳配達していた「ミルクマン」の仕事からヒントを得ている。
染谷優衣
フリーランスライター
YouTubeのThrift Filp動画をきっかけにサステナブルに興味を持つ。最近は洋服のリメイクを勉強中。リサイクルショップで掘り出し物の古着を見つけるのが好き。
「ものを一度しか使わないなんてクレイジーだ」
大手メーカーのブランディング担当をした経験を持つMichelle Donnellyさんは、そう言って昨年3月「Lark」を設立。瓶詰め飲料の配達と回収するサービスだ。
「どんなに革新的な素材だとしても、使い捨てのパッケージは財源を圧迫する」と説明する彼女。夫でありビジネスパートナーでもあるMark Puchalaさんとともに新しいチャレンジに踏み出そうと考え、1960年代の飲料配達ビジネスからインスピレーションを受ける。
当時多くの人たちが瓶詰めの牛乳を玄関前まで運んでもらい、クローズドループなビジネスを展開していた。「Lark」もおなじく配達と回収モデルを組んでおり、洗練されたミニマルなデザインの瓶にオリジナル飲料を提供する。
2年以上前から準備をしていた二人は当初、ホテルやレストランへの配達を計画していた。しかし新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の影響もあり、急遽販売ターゲットを変更、一般家庭への配送を決めた。
「Lark」では保存料を一切使用しない5つのフレーバーを展開。ローゼル、エルダーフラワーなどの植物を使い、水に色や香りを付ける。環境にやさしいのは大前提として、デザインや体験も一切妥協せずに製作されている。
「Lark」のビジネスモデルはまったく新しいものかと聞かれれば、そうではないだろう。実際、Michelleさんたちも60年代に牛乳を玄関先に宅配していた「ミルクマン」の仕事からヒントを得ていると言っている。
以前紹介したニューヨークのデリバリーサービス「Deliver Zero」でも、ごみを出さなく使えるという部分で人気を博していた。これも日本の出前システムと近いものを感じる。
新しい打手を考えるとついつい最新技術に頼りたくなってしまうところであるが、冷静に分析すると、過去の方法で問題解決する場合もある。環境問題を正しく理解し、柔軟な思考で打ち手を考案するのが大切そうだ。
参照サイト/lark
https://www.larkdff.com/
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