ニューヨーク市を中心に展開するフードデリバリーサービス「DeliverZero」が、シカゴとアムステルダムへの展開を発表。再利用可能な容器で配達をおこなっている点が支持されている。これは、日本人になじみが深い出前文化と同様の仕組みだ。環境負荷の軽減に向けて、利用者の拡大を狙う。
小嶋正太郎
農家 / 編集者
元ELEMINIST副編集長。2021年7月に東京から瀬戸内海に浮かぶ因島へと拠点を移す。高齢化で運営困難になった八朔・安政柑農園を事業継承し、農家として活動中。
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「DeliverZero」は、いまニューヨーク市でもっとも注目されているフードデリバリーサービスだ。
2019年11月のローンチ以降徐々に規模を拡大し、つい最近シカゴやアムステルダムへの事業展開も発表した。
日本でも利用者が急増している「UberEats」でもなく、ニューヨーク証券取引所に上場したばかりの「DoorDash」でもなく、なぜ「DeliverZero」が人気を集めているのか。
その秘密は“容器”にある。
「DeliverZero」では、1,000回以上使えるリユーサブル容器をレストランに提供している。
「United States Environmental Protection Agency(アメリカ合衆国環境保護庁)」の調査によれば、国内の埋立地へと運ばれるごみの45%が食品を包装するパッケージや容器で占められている。
たしかにフードデリバリーサービスを利用していると、使い捨てプラスチック容器が使われている場合がほとんどだ。紙製だとしても使い捨てタイプであれば、決して環境にいいとは言えない。
提供したリユーサブル容器をレストランに利用してもらうことで、環境への負担を軽減させる。これが「DeliverZero」の狙いだ。
返却の仕組みもいたってシンプル。ユーザーは次の配達まで容器を保管しておき、配送ドライバーに手渡すだけでいい。もし6週間以内に容器を返却できなければ、3.25ドル(約340円)を追加で請求されることになるという。
先にも触れたが、「DeliverZero」はニューヨーク市での成功を受け、シカゴやアムステルダムへの展開も発表している。ユーザーにとってはひと手間かかるサービスだとしても、多くの人が環境への負担を減らそうと進んで協力しているのだ。わたしたちがエシカル・サステナブルな生活を送るうえで、海外から学べる好例といえるだろう。
ところで、同社の配達システムになじみのある人は日本にはたくさんいるはず。そう、出前の文化と一緒なのだ。
このような視点でニュースを捉えると、日本文化には多くのサステナブルなティップスがあることに気づけるかもしれない。
参照サイト/deliverzero
https://www.deliverzero.com/
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