フランス政府は、老朽化した車と引き換えに電動アシストユニットのついた自転車「E-バイク」を購入する人に対し、2,500ユーロ(約33万円)の補助金を支給すると発表した。仏自転車ユーザー連盟車は「車を環境にいいものにするのではなく、その数を減らすことが大切」とコメントしている。
染谷優衣
フリーランスライター
YouTubeのThrift Filp動画をきっかけにサステナブルに興味を持つ。最近は洋服のリメイクを勉強中。リサイクルショップで掘り出し物の古着を見つけるのが好き。
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フランス政府は、老朽化した車と引き換えに電動アシストユニットのついた自転車「E-バイク」を購入する人に対し、2,500ユーロ(約33万円)の補助金を支給すると発表した。
今回の施策に対して、フランス自転車ユーザー連盟代表であるOlivier Schneiderさんは「環境問題を解決するには、車をより環境にいいものにするのではなく、シンプルにその数を減らすことが大事である」とコメント。
環境によいとされるEV(電気自動車)だが、二酸化炭素排出量こそガソリン車に比べて少なくなるものの、製造過程や電気の供給で二酸化炭素を多く排出してしまう。持続可能な社会をつくる特効薬とは言い難いという意見があるのも事実だ。
エネルギーに関する研究を行う「CRED」の調査によると、E-バイクは1kmの二酸化炭素排出量の平均がガソリン車に比べて約1/11、ハイブリット車に比べて約1/7、EVに比べて約1/5ほどと極めて低い。従来の車より環境にやさしいEVといえど、自転車にはかなわないという結果となった。
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またこのような制度は環境だけでなく、公衆からも人気を集める。隣国フィンランドでは、2015年にはじめて類似の制度を試験的に導入。好評を得、2017年に再導入した経緯がある。
同国の自転車連盟のチーフスペシャリストのMartti Tulenheimoさんによると、1,000人が環境によい車を、100人が公共交通機関のチケットを、2,000人以上がE-バイクを車の代替として購入したことがわかった。
今回のフランスの施策がフィンランドの事例と違うのは、補助対象をE-バイクのみに限定している点だ。前述したOlivier Schneiderさんのコメントがその核心をついている。車の話に限らず、サステナブルな生活を送るうえで大事な視点だといえるだろう。
昨今、サステナブルなアパレルブランドが数多く登場しているが、ファストファッションの代替として利用しているのであれば本質的ではない。重要なのは、長く使えるものを大切に使うこと。購入する数を減らすほうが、結果的に環境への影響は少なくなる。
ネーミングに翻弄されず、本質的なアクションをとれているか。盲目的にならず、いま一度振り返ることの大切さを考えさせられる。
参照サイト/France to Offer E-Bikes for Clunkers
https://www.treehugger.com/france-to-offer-e-bikes-for-clunkers-5176617
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