これまでサステナビリティに関する数々の作品を配信してきた「Netflix」が、2022年末までにネットゼロを達成すると発表。「Net Zero + Nature」と名付けられたその取り組みには、大きく3つのステップがある。
染谷優衣
フリーランスライター
YouTubeのThrift Filp動画をきっかけにサステナブルに興味を持つ。最近は洋服のリメイクを勉強中。リサイクルショップで掘り出し物の古着を見つけるのが好き。
動画配信サービス「Netflix」が、2022年末までに温室効果ガス排出実質ゼロを目指す「ネットゼロ宣言」を発表した。「Net Zero + Nature」と名付けられたその取り組みには、大きく3つのステップがある。
ステップ1「温室効果ガス排出量の削減」
まずは、パリ協定での達成目標「温暖化を1.5℃以内に抑える」ことを目指し、自社で発生する温室効果ガス排出量を削減する。また、「Science Based Targets(SBT)」(※)に基づいて、スコープ1(事業者⾃らによる温室効果ガスの直接排出)とスコープ2(他社から供給された電気、熱・蒸気の使⽤に伴う間接排出)の排出量を45%減らす。
ステップ2「既存の炭素貯留量の保持」
スコープ3(事業者の活動に関連する他社の排出)を含めた運営に不可避な排出に対しては、大気中への二酸化炭素放出を防ぐ働きをするプロジェクトに投資することで、相殺を目指す。まずは、熱帯雨林のように気候変動目標を達成するうえで危機的状況にある重要なエリアの保全からはじめる。
ステップ3「大気中にある二酸化炭素の排除」
危機に瀕する自然生態系の再生へ取り組む。草地、マングローブ林、健全な土を再生するプロジェクトは、二酸化炭素を吸収・貯留するだけでなく、多くのメリットをもたらす。
国連気候変動枠組条約事務局の前事務局長でもあるChristiana Figuerede氏は、同社の取り組みについてこうコメントしている。
「Netflixのサステナビリティへの取り組みは、本当にすばらしいものです。すぐそこに迫ったネットゼロ目標の達成のため、ストーリーテリングの力を生かして市民を教育し楽しませていることをうれしく思います」
Photo by freestocks on Unsplash
これまでNetflixでは、気候変動や環境問題について学べるドキュメンタリー映画を数々製作してきた。
気候変動が動植物に与える影響の大きさを伝える『OUR PLANET 私たちの地球』、枯れ果てゆくサンゴの姿を追った『チェイシング・コーラル』、海を守るため活動する海洋学者に密着する『ミッション・ブルー』など、専門知識がない人でも現状を正しく理解できる作品ばかりだ。
社を挙げて地球温暖化に配慮した事業運営を徹底しながら、ユーザーにはエンターテイメントを通して学びが得られるコンテンツを発信していく。ネットゼロ宣言したNetflixが今後、どのような作品をリリースするのか楽しみだ。
※ SBTとは?|環境省
https://www.env.go.jp/earth/ondanka/supply_chain/gvc/files/SBT_syousai_01_20210319.pdf
参照サイト/Netflix
https://about.netflix.com/en/news/net-zero-nature-our-climate-commitment
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