タイヤメーカーの強みを生かした機能性が評価されているミシュランが、「B-corp」を取得しているスペインのアパレルブランド「ECOALF」とコラボ。リサイクルローファーコレクションを発表した。従来に比べ1万4,773tの二酸化炭素排出量と38万4,188l分の水を削減に成功した。
染谷優衣
フリーランスライター
YouTubeのThrift Filp動画をきっかけにサステナブルに興味を持つ。最近は洋服のリメイクを勉強中。リサイクルショップで掘り出し物の古着を見つけるのが好き。
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タイヤメーカーの強みを生かした機能性が高く評価されている「Michelin(ミシュラン)」。そんな老舗メーカーが、環境や社会に配慮した企業に贈られる認証「B Corporation(B corp)」を取得したスペインのアパレルブランド「ECOALF(エコアルフ)」とコラボし、リサイクルローファーコレクションを発表した。
ミシュランのシューズライン「Soles by Michelin」の生産時に出る材料を使って、環境にやさしい靴底を共同開発。メッシュ素材の部分はポリエスターが30%、海底から集めたプラスチックボトルが原料のオーシャンヤーン70%でできている。
1足あたり5本分のプラスチックボトルが使われている今回のコレクション。「ECOALF」の計算によると、コレクション全体の製造にかかるコストは、同じ量の従来のローファーに比べて、1万4,773tの二酸化炭素排出量と38万4,188l分水の削減ができているという。
機能性だけでなく、ふだん使いができるユニセックスなデザインも評価が高い。全体的にシンプルななかで、ソールにミシュランのキャラクターがいるロゴが刻印されており、遊び心も忘れていない。
価格は99ユーロ。購入の際には、「ECOALF」が開発に成功したリサイクルしたダンボールとポリエスターを100%使った最新のエコパッケージングが使われる。
これまでミシュランは、数々の機能性に優れたソールを製造してきたが、ミシュランライフスタイルの取締役であるChristian Delhayさんによると、生産廃棄物から製作するのは今回がはじめての試みだという。
環境に配慮したものづくりをはじめたことは大変喜ばしい。しかし、リサイクルローファーは、ミシュランの売りである機能性と耐久性を担保するために、現時点で100%エコ素材ではないようである。とはいえ、1万t以上のCO2排出量と38万tの水の削減に成功したのは大きな功績だろう。
100%でない分は、今後の伸び代としてさらなるサステナブルな技術開発に期待が高まる。
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