持ち手つきで袋いらず、縦置きも可能 限りなく無駄のないシューズボックス「Standbox」

Elif bulutさんが開発した「Standbox」

トルコ・イスタンブールを拠点に活動するデザイナーElif bulutさんが、靴のパッケージに関する無駄をなくすエコなプロダクト「Standbox」を開発した。従来のアイデアに少しのスパイスを加えることで、資源の削減はもちろん、スペースや工程の効率化をも可能にする。

染谷優衣

フリーランスライター

YouTubeのThrift Filp動画をきっかけにサステナブルに興味を持つ。最近は洋服のリメイクを勉強中。リサイクルショップで掘り出し物の古着を見つけるのが好き。

2021.03.06
SOCIETY
学び

エシカルマーケティングとは? メリットや実例をわかりやすく紹介

一つで三役 従来のシューズボックスの概念を覆す「Standbox」

持ち運び可能な状態(左)と収納時の「Standbox」(右)

箱に詰められた新品をバックヤードから持ってきてもらい、プラスチックのビニールに入れて持ち帰るーー。お店で靴を購入する際、多くの人が経験するシチュエーションだろう。大抵の場合、箱を入れたビニールはそれだけに使われ、箱も靴箱の奥にしまわれて終わりだ。

トルコ・イスタンブールを拠点に活動するデザイナーElif bulutさんは、そんな靴のパッケージに関する無駄をなくすエコなプロダクト「Standbox」を開発した。

従来の半分の大きさであり(上)、機能性を保ちつつ資源の省エネ化をし(中)、組み替えてディスプレイにできる(下)

同製品が排除した無駄は、大きく3つある。

まず従来の緩衝材を廃止しボックスの縮小に成功したことだ。通常の約半分ほどのサイズなので、その分生産者側は一度に多くの製品を出荷でき、カーボンフットプリント量の減少につながる。

またボックスの切れ込みを斜めに設計することで、靴の縦収納が可能に。購入者にとっては片足分のスペースで収まるようになる。

そして、「Standbox」のもっとも大きな利点は、販売側がビニール袋を用意しなくていいことだ。持ち手つきのシューキーパーが使われているため、箱のまま簡単に持ち運びができる。

必要なのは少しのスパイス スタイルを変えずに価値を生む

左から、白・緑・黒の「Standbox」

デザインしたElifは、「(Standboxは)資源をより効率的に使い、利用するスペースを縮小する。余計なプラスチックやダンボールの使用を最小限にする、巧妙なパッケージデザインになりました」とコメントしている。

いくらエコとはいえど、利用者にメリットがなければなかなか使われづらいのが現実だろう。その点で「Standbox」は、下駄箱のスペースを効率的に使えるようにし、ビニール袋の準備をも不要にする優れたプロダクトだといえる。

生産者よし、販売者よし、購入者よし、そして地球よし。従来のアイデアに少しのスパイスを加えることで多くの人に価値を与えた例として、ぜひ参考にしたいところだ。

※掲載している情報は、2021年3月6日時点のものです。

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