2016年のコンペで優勝したザハ・ハディド事務所構想の木製サッカースタジアム「Eco Park Stadium」の建設がついに承認された。建設に使う材料はほぼすべてリサイクル可能な木材。スタジアムとともに、グリーンテクノロジーを扱う企業が入居するエコビジネスパークも設置予定だ。
染谷優衣
フリーランスライター
YouTubeのThrift Filp動画をきっかけにサステナブルに興味を持つ。最近は洋服のリメイクを勉強中。リサイクルショップで掘り出し物の古着を見つけるのが好き。
世界的に著名な建築家である故ザハ・ハディドさんが発表した木製のサッカースタジアム「Eco Park Stadium」の建設が先日、ようやく認められた。骨組みから床まで木材が使われる予定で、完成すれば世界初の試みとなる。
5,000人規模のスタジアム案のコンペで優勝したのが2006年のこと。その後、スタジアムに併設予定だったビジネスパークに対して、建設予定地のストラウド(イギリス)から異議があったため、一度白紙に戻されていた。
現在は和解に至っており、イギリスの電力会社「Ecotricity」が手がける100エーカーほどのエコビジネスパークの設置が決定している。建物にはグリーンテクノロジーを扱う企業が入居し、約4,000人の雇用を生む予定だという。
スタジアムの特徴は、内部に光を取り込むための透明な天井をのぞき、ほぼすべてがリサイクル可能な木材を使用している点だ。
コンペでの条件のとおり、構想の第一段階では収容人数5,000人を予定しているが、集客が伸びた後の第二段階では簡単な改築で2倍の10,000人収容が可能になると報告されている。
「Eco Park Stadium」の採用に至った建築コンペを開催したのは、イングランド・フットボールリーグ2(実質4部)のサッカーチーム「Forest Green Rovers F.C(フォレストグリーンローヴァーズFC)」。じつはこのチーム、世界一地球にやさしいサッカーチームとして昨今注目を集めている。
2010年に現在の経営者に変わって以来、スタジアムにソーラーパネルを設置し一部電力を自家発電し、ユニフォームにはもっともサステナブルとされている竹を採用。
選手含むクラブチーム関係者は全員ヴィーガン食を徹底し、来場するサポーターに提供される食事までヴィーガンだというのだ。最初こそ反対する観客がいたものの、現在売り上げは好調。場内飲食の売り上げは以前の5倍まで成長した。
スポーツ界のグリーン化を牽引する存在として、今後も動向に注目だ。
参照サイト/Zaha Hadid Architecture
https://www.zaha-hadid.com/architecture/forest-green-rovers-eco-park-stadium/
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