「ジャパンSDGsアワード」の5つの評価基準 応募条件と評価のポイントとは

国連で開催されている会議の様子

「ジャパンSDGsアワード」とは、SDGs(エスディージーズ)達成に向けて優れた取り組みを行う、国内に拠点のある企業や団体を表彰する制度だ。この記事ではジャパンSDGsアワードの目的や応募方法、評価基準、第三回アワードの受賞団体などを解説する。

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2021.02.08
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ジャパンSDGsアワードとは

SDGsゴール4の内容が記載された紙

Photo by Prado on Unsplash

SDGsとは、2030年までに持続可能でよりよい世界を目指す国際目標のこと。2001年のミレニアム開発目標の後継として2015年9月の国連サミットで採択された。

ジャパンSDGsアワードは、政府の全国務大臣を構成員とする団体が主催し、SDGs達成に向けて優れた取り組みを行う、国内に拠点のある企業や団体を表彰することが目的だ。

選考はNGO・NPO、有識者、民間セクター、国際機関などの関係者が集まる選考委員会が行う。例年8月に内閣総理大臣官邸と外務省のWebサイトで公募しており、表彰式は同年12月。これまでに4回開催されている。

応募条件

応募用紙は内閣総理大臣官邸または外務省のWebサイトからダウンロードして記入後に外務省の担当課にメールで送付。応募単位は活動単位ではなく、企業または団体単位である点、そして応募は1企業または1団体につき1件までとなっている。

賞の種類

SDGs推進本部長(内閣総理大臣)賞

きわめて顕著な功績があったと認められる企業・団体等

SDGs推進副本部長(内閣官房長官および外務大臣)賞

特に顕著な功績があったと認めれる企業・団体等

この他にも特筆すべき功績があったと認められる企業や団体については特別賞が用意されることもある。表彰件数はSDGs推進本部長(内閣総理大臣)によるものは1件、SDGs推進本部長(内閣官房長官および外務大臣)によるものは4件程度とされている(※1)。

アワードの評価基準

普遍性

1. 国際社会においても幅広くロールモデルとなり得る取組であるか
2. 国内における取組である場合、国際目標達成に向けた努力としての側面を有しているか
3. 国際協力に関する取組である場合、我が国自身の繁栄を支えるものであるか

包摂性

1. 「誰一人取り残さない」の理念に則って取り組んでいるか
2. 多様性という視点が活動に含まれているか
3. ジェンダーの主流化の視点が活動に含まれているか

参画型

1. 脆弱な立場におかれた人々を対象として取り込んでいるか
2. 自らが当事者となって主体的に参加しているか
3. 様々なステークホルダーを巻き込んでいるか

統合性

1. 経済・社会・環境の分野における関連課題との相互関連性・相乗効果を重視し ているか
2. 統合的解決の視点を持って取り組んでいるか
3. 異なる優先課題を有機的に連動させているか

透明性と説明責任

1. 自社・団体の取組を定期的に評価しているか
2. 自社・団体の取組を公表しているか
3. 公表された評価の結果を踏まえ自社・団体の取組を修正しているか

これまでに受賞した企業や団体の業種や種類は幅広い。また、表彰回数も少ないことから上記の評価基準の他に現時点で傾向を読み取ることは難しいが、SDGsの理念を十分に理解し、自らが当事者となった取り組みが表彰の対象となるということは言えるだろう。

第3回ジャパンSDGsアワード受賞団体と評価内容

用紙を挟んだボード

Photo by Arisa Chattasa on Unsplash

SDGs推進本部長(内閣総理大臣)賞

魚町商店街振興組合

福岡県北九州市の商店街組合。商店街としてSDGs宣言を行いホームレスの自立支援や障害者の自立生活支援などの社会的包括に視点を置いた活動のほか、若手起業家やワーキングマザーのための環境整備を行った。そのほかにも商店街内の遊休不動産の再生や、フードロスの削減など幅広い領域に取り組んだ。

副本部長賞(内閣官房長官)

大阪府

自治体SDGsの推進に向けて、自己分析モデルを構築。「大阪が目指すSDGs先進都市の姿」の明確化に取り組んだ。SDGsに取り組みたいさまざまな自治体への汎用性がある。

「九州力作野菜」・「果物」プロジェクト共同体

発酵関係業者、堆肥製造業者、農家、卸売業者、小売業者など多くの事業者が連携した低炭素の活動。代表はイオン九州。重油不使用の堆肥を使って野菜や果物を栽培し、高い付加価値をつけて販売した。

副本部長賞(外務大臣)

特定非営利活動法人 TABLE FOR TWO International

おにぎりの写真をSNSまたは特設サイトに投稿すると、1枚につき給食5食がアフリカやアジアの子どもたちに届く市民参加型の「おにぎりアクション」を行った。

株式会社富士メガネ

1983年以来、延べ37回にわたって海外の難民キャンプや国内避難民の居留地を訪問。難民・国内避難民の視力検査を行って、一人ひとりに合った眼鏡を無償で寄贈する活動を実施した。

SDGsパートナーシップ賞

日本リユースシステム株式会社

古着を回収し、開発途上国で安価でリユース。さらに、 専用回収キット1つ購入するごとに、購入代金から5人分のポリオワクチンが寄付される仕組みを構築して、片付けと社会貢献が同時にできる取り組みやすさが評価された。

徳島県 上板町立 高志小学校

学校が中核となって関係者と連携し、ライフスタイルの変革とエシカル消費の普及促進に取り組んだ。

大牟田市 教育委員会

市内すべての公立小・中・特別支援学校でSDGsの達成に向けた持続可能な教育を推進。子どもたちが自ら地域の課題を見出して、自分で考えて行動する学びを展開した。

公益社団法人 日本青年会議所

SDGsの全国展開を図るために、SDGsについての正しい知識を推進するためのプログラムを実施し、3000社以上の中小企業がSDGsのゴールを掲げた。

株式会社 大和ネクスト銀行

全国の社会課題に取り組む団体を、預金を通じて支援する「応援定期預金」を創設し預金残高は約500億円となった。

そらのまちほいくえん

鹿児島県の保育園。商店街の空きビルをリノベーションして、惣菜店併設の保育園をつくり子育て世代が商店街に集まるようにした。地域住民同士の関係づくりや、子どもたちの地域に対する愛着を醸成した。

※ 参照サイト
ジャパンSDGsアワードとは
https://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/oda/sdgs/award/index.html
令和元年度「ジャパンSDGsアワード」の具体的実施方法について
https://www.mofa.go.jp/mofaj/files/000504201.pdf
第3回ジャパンSDGsアワード受賞団体
https://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/oda/sdgs/pdf/award3_win_efforts.pdf

※掲載している情報は、2021年2月8日時点のものです。

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