社会へのメッセージ エシカルダイバーが始めた提案型SHOP「エコストア・パパラギ」

エコストア  パパラギの前に立つ武本さん家族

環境活動家の武本匡弘さんが始めた「エコストア・パパラギ」は、日本初のプラスチックフリー用品専門店。ダイバーとしてずっと海を見てきた武本さんは、どのような思いでパパラギをオープンしたのだろうか。開業から1年半経ち、見えてきた現状と課題について話を伺った。

2020.12.05

海から見る地球 サンゴの白化、プラスチックの海洋汚染は何を語るのか

あなたは海にいて心から感動したことはあるだろうか。この美しい星に生まれた幸福感に包まれたことはあるだろうか。何とかしてこの海や星を守りたいと思うことがあるだろうか......

沖縄本島のサンゴ

Photo by 武本匡弘

沖縄本島のサンゴ

2019年4月に神奈川県藤沢市でスタートした「エコストア・パパラギ(以下パパラギ)」は、日本初のプラスチックフリー用品専門店。量り売りやプラスチックフリー・ゼロウェイストを提唱している。環境活動家であり41年のダイバー経験を持つ武本匡弘さんが発起人となり、プロダイバー3人で始めたお店だ。

「使い捨て包装・プラスチック製品を使わない」をテーマに、生活雑貨、美容雑貨、食品など180種以上の商品が店内に並ぶ。食品は健康を考えて、農薬・添加物・化学物質は不使用、無添加のものを厳選している。ここまでエシカルグッズが揃うお店は日本ではまだ珍しいだろう。

エコストア パパラギの店内 量り売りコーナーの様子

エコストア パパラギの店内 量り売りコーナーの様子

エコストア パパラギの店内 量り売りコーナーの様子

しかしパパラギはただの生活雑貨用品店ではない。社会へのメッセージであり、社会実験のような試みの「提案型ストア」だと武本さんは言う。

なぜ武本さんは経営していたダイビング会社から身を引き、初めての小売業に挑んだのだろうか。ずっと海を見てきたからこそ感じる変化や、お店を1年半やってみて見えてきた現状や課題を伺った。パパラギが目指す未来を一緒に覗いてみよう。

エコストア パパラギの店内で話す武本匡弘さん

パパラギを経営している環境活動家・プロダイバーの武本匡弘さん。国際環境NGOグリーンピース・ジャパンのアンバサダーも務めている。

「ダイビングを始めて今年で41年目になります。最初の20年はパラダイスのように美しいサンゴの海が広がっていました。

オーストラリア グレートバリアリーフのサンゴ

Photo by 武本匡弘

オーストラリア グレートバリアリーフのサンゴ、生物多様性に富んだ海

しかし後半の20年は海の荒廃やサンゴの死滅などを見続け、胸を締め付けられるような思いをし続けました。すでに沖縄の9割のサンゴは死滅、オーストラリアの世界遺産グレートバリアリーフのサンゴも6割は死滅状態だと言われており、いまも海洋環境の劇的な変容は留まることがありません。

中部太平洋マーシャル諸島の見事な造礁サンゴ

Photo by 武本匡弘

2011年に中部太平洋マーシャル諸島を訪れたときの見事な造礁サンゴ

中部太平洋マーシャル諸島のサンゴの白化が進んだ状態

Photo by 武本匡弘

2013年に訪れたときにはサンゴの白化(瀕死に近い状態)が進んでいた

瓦礫と化してしまった中部太平洋マーシャル諸島のサンゴ

Photo by 武本匡弘

その後この海域のサンゴは瓦礫(がれき)と化してしまった

サンゴの白化は地球温暖化による水温上昇が大きな原因の一つですが、環境悪化の原因は複合的です。例えば農薬や除草剤、日焼け止めなど......身近な実生活で無意識に自分自身もサンゴの破壊に加担しているかもしれません。

そして地球温暖化・気候危機も決して遠くで起こっている事ではありません。私の地元、江の島~葉山・湘南エリアの冬の海水温は、10年ほど前までは12℃くらいでしたが、最近は15~16℃もあります。

葉山の海 海藻の森

Photo by 武本匡弘

葉山の海の象徴「海藻の森」は、竜宮城の入り口のよう(2014年3月 水温14℃)

葉山の海 海藻がなくなりガンガゼの異常繁殖したむなしい姿

Photo by 武本匡弘

海藻がなくなりガンガゼ(長い棘に毒があるウニの一種)の異常繁殖したむなしい姿(2020年3月 水温18℃)

環太平洋沿岸の海を中心に水中の世界を見てきましたが、太平洋中心の状況はどうなっているのか気になっていました。そこで5年前から探査・国際交流などを目的に、自らヨットを操縦し航海を始めました。

航海距離は5年間で29,000km、航海日数は延べ250日間にもおよびます。ヨットでの旅は気候変動による海・空・風の変化が、地球はただならない状態だということを教えてくれました」

太平洋帆船航海の様子

Photo by 武本匡弘

太平洋帆船航海プロジェクト

外洋で見る大きな漂流プラスチックごみ

Photo by 武本匡弘

外洋で見る大きな漂流プラスチックごみ。 他船に会うことはなくても大量のごみは毎日目にする。

プランクトンネットで海洋プラスチック調査をしている武本さん

Photo by 武本匡弘

プランクトンネットで海洋プラスチック調査をしている武本さん

2019年12月末にはJAMSTEC(海洋研究開発機構)の研究者も乗船する帆船で、横浜からパラオまで20日間の太平洋航海に参加。航海中どんなに海が荒れていても、プランクトン・マイクロプラスチックの採取調査を毎日行なっていた。

たった30分間のモニタリングで、どこまで行っても5mmよりも小さいマイクロプラスチックがネットに入っていたという。

北緯20度付近でも見られるマイクロプラスチック

Photo by 武本匡弘

北緯20度付近まで来ても、必ず見られるマイクロプラスチック

カツオノエボシとマイクロプラスチック

Photo by 武本匡弘

カツオノエボシとマイクロプラスチック

「私は『まさか!』と思うことが実際に海で起きているのを目撃してきました。世界の海にはいくつかの渦流域が存在し、そこには海に捨てられた大量のごみが浮遊しています。地球上の海は、まさに『プラスチックのスープ』なってしまっています。信じ難いと思いますがこれはまぎれもない事実で現実です。

プラスチックは海で分解されるのに300〜1,000年かかると言われていて、海に長期間残り続けます。東京農工大教授の高田秀重氏は、プラスチック樹脂などのマイクロプラスチックは海に浮遊しながら毒性化学物質を吸収していると立証しています。

エコストア パパラギの店内で話す武本匡弘さん

この問題の怖いところは、放射性汚染と同様に目に見えないことです。目に見えて被害を与えることがないため、自分ごととして捉えにくいかもしれません。

でも海に流れたプラスチックは私たちが日常生活で排出したごみがほとんどです。人間は海をごみ捨て場のように使ってきましたが、海や地球を汚し続ける行為は賢い選択だと思えません。これ以上、放っておくわけにはいかないのです。

『この状況から海を救いたい!プラスチックに囲まれた生活を見直さなければ!』そんな強い思いからパパラギを開業しました。使い捨てではない商品を紹介することでプラスチックの発生を防ぎ、人と地球に少しでも負荷をかけないライフスタイルを提言したいと考えたのです」

「知ってもらうこと」が使命であり希望 誰でもすぐにできること

プラスチックの海洋汚染も深刻だが、気候変動も非常に危機的な状態だ。このままでは2030年を待たずに地球は臨界点を迎えると言われている。武本さんは「気候変動」と「海洋汚染」の源流は同じであり、さまざまな原因が複合しているため切り離して考えることはできないと言う。

「2019年、スウェーデンの学生グレタ・トゥーンベリさん(当時16歳)が世界に向けて『私たちは地球が緊急事態だから学校を休んでいる。将来自分の子どもの目を見て、できることは全部やったと言えるように活動している』と発信しました。

『グレタ たったひとりのストライキ』 の本が並ぶ様子

店内にあるグレタさんの本 『グレタ たったひとりのストライキ』

彼女のスピーチに体が震えるほどの感動を覚えました。私の気持ちをまさに代弁してくれたのです。大人も彼女の行動に負けない実効性のある行動が必要だと思いました。

私はその行動の一つとして、セミナーや報告会を開催しています。自ら撮影した映像とともに、海で起きていること、行動すべきことを参加者と一緒に話し合います。そして私が一方的に話すのではなく、参加者の声を聞くことを大切にしています。異る意見が議論を深め、考え方やものの見方の幅を広げてくれると考えています。

私は科学者や研究者ではないので、『目撃者』として自分の目で見てきたこと、体験したことを伝え、知っていただく努力をしています。講演依頼があればたとえ遠方でも引き受けます。プラスチックごみがどのような害を地球環境に与えているか、まずは『知ってもらうこと』、これが私の使命であり『希望』につながると信じています」

パパラギにはプラスチックや環境問題を知るための本がたくさん置かれている。店内のソファに座って読んだり、借りて帰ることも可能だ。

店内の本

店内の蔵書の一部

また武本さんは「誰でもすぐにでもできること」として次のことを提案している。

1. レジ袋はもらわない → マイバックを使おう
2. ペットボトルは買わない → マイボトルを使おう

マイボトル

店内に並ぶさまざまな種類のマイボトル。中央の商品は、最近発売したばかりのパパラギオリジナルデザインのステンレスボトル。

マイカップ

竹の繊維でできた「Ecoffee Cup」。さまざまなデザインの中には、売り上げの一部がオラウータンを守るために寄付される商品もある。

3. 飲み物はストローがなくても飲める!どうしても必要なら → マイストローを使おう

マイストロー

店内に並ぶ裸売りのステンレスストロー。太いサイズやストローを洗うブラシもある。

4. 過剰包装のものは買わない → 裸売り、量り売り、ばら売りなどを利用しよう

量り売りの様子

量り売りコーナーと購入時に繰り返し使える容器

お米の量り売り

お米の量り売り(手前は人気の「いろいろ米」古代米、希少米、緑米、黒米、などいろいろな品種のお米のもみを保存して、約50種を混植して1枚の田圃に育て収穫している。白米に1〜3割ほど混ぜて食べてもおいしい)

祝島のひじき、北海道函館市の真昆布の量り売り

山口県瀬戸内海に浮かぶ祝島のひじき、北海道函館市の真昆布の量り売り

容器の並ぶ様子

持ち運びにも便利なシリコン素材のバッグ 「stasher(スタッシャー)」と、リサイクルガラスを使用している保存容器「WECK(ウェック)」

ホタテパウダーの量り売り

強力な洗浄・消臭・除菌効果があるホタテパウダー「618 scallop powder(618 スカラップ パウダー)」も量り売りで購入可能

びわこふきんの裸売りの様子

食器洗い時に海への負荷が少ない綿素材の「びわこふきん」、コーヒー豆の麻袋を再利用した「食器洗いクロス」の裸売り

単品売り

裸売り、ばら売りの「シリコンラップ」(通常はセットで販売されているが必要な分だけ単品で買えるのも嬉しい)

「買い物は投票です。たったこれだけでも大勢の人が実行すれば膨大な数のプラスチック削減になります。自分のできることから実行してみましょう!」

ベターからベストへ 目指せ!地産地消

「いまからでも遅くない!生活スタイルを変えれば人も海も地球も元気を取り戻せる」そんな思いでスタートしたパパラギ。しかしプラスチックフリーやゼロウェイストを提唱するお店は欧米では多く見られるが、日本ではまだまだ少ない。お店を1年半やってきて見えてきた現状や課題を伺った。

エコストア パパラギの店内で話す武本匡弘さん

「こういう業態をやる限りは半永久的な課題ですが、世の中に出回っているほとんどの商品はプラスチック包装のため、必然的に品ぞろえに制限が生じます。

裸売りの野菜の鮮度を保つのに苦労を強いられたり、お茶やコーヒーなどの高い密閉性が必要な包装袋や、プラ容器に代わる容器を探すのも一筋縄ではいきません。新素材の包装用品などの開発にも挑んでいますが、完全にプラスチックフリーは不可能に近いのが現状です。

裸売りの野菜

Photo by 武本匡弘

45年間無農薬・無化学肥料の野菜の裸売り

50年以上無農薬を貫いてきた安心の新茶

50年以上無農薬を貫いてきた安心の新茶「はしり」など紙包装のお茶

でもだからといって、グリーンウォッシュ*な商品でいいわけがありません。環境に配慮しているように見せかけて、実はそうではないものが出回っていますが、それを知らずに買っている人は少なくないでしょう。

しかしそれらの曖昧で基準のない商品とパパラギの商品を同じと思ってほしくはありません。100%プラスチックフリーではないものもありますが、よりベターな選択にこだわっています。

*グリーンウォッシュ…環境配慮をしているように装うこと。見せかけのエコ。(参考:https://eleminist.com/article/363

シャワーヘッド「ミラブル」

洗剤を使わず油性マジックが落ちる洗浄力のシャワーヘッド「ミラブル」(素材はプラスチックだが、敏感肌で石鹸を使えないお客さんからの相談があり、6か月間の慎重な試用期間を経て取り扱いを決めた)

でもこれもベターのままでいいわけがなく、ベストに近づけるため共同開発が必要だと考えています。

パパラギの共同開発で一番象徴的な例は、柄の部分の素材にポリ乳酸樹脂(1年で成長する植物が資源)と竹繊維をブレンドした「バイオマス竹歯ブラシ」です。この歯ブラシは生産者とともに東京都立技術研究所で、30・40・60・90日間で海洋分解がどれぐらい進むのか海洋浸漬実験をしています。

竹の繊維と生分解性樹脂のバイオマス竹歯ブラシ

バイオマス竹歯ブラシ。ブラシ部分は100%植物性(ひまし油)、豚毛、馬毛の3種類を展開している。

いまはまだ不完全でも、完全を目指して開発したものを販売し、買ってもらう。その資金でまた開発をしていく。自転車操業ですが買ってもらわないと前に進めないので、お客さんには『完全ではありませんが、まずは使って応援してくれませんか』という文書を必ず付けるようにしています。

これをしないとグリーンウォッシュになるので、大事なことは正直に現状を伝えること。安易に環境や海にやさしいと言っているわけではないと理解してもらうことだと思っています。このようにいまはベストよりベターな選択ですが、ベストに近づけようと日々努力しています。

もう一つの課題は、優秀な商品は圧倒的に海外のものが多いということです。海外よりもいいものをつくる方が日本でもたくさん現れるように、生産者を刺激していきたいですね。輸入は輸送にたくさんのCO2を排出してしまうので最終的には『地産地消』を目指しています」

パパラギ 美容雑貨コーナー

ニュージーランド発のシャンプーバー・コンディショナーバーの「エティーク」(上段)や、量り売りをスタートした手づくり石けん「リンガリンガソープ」(下段手前)など海外輸入の多い美容雑貨コーナー

収益をあげるのは難しい、でもお店が増えなくては意味がない!

「商品構成や店全体は日々変化しています。これは来店してくれるお客さんや支援してくれる方々からの情報やヒントによるものです。自分の学習や情報収集だけでは一方的になってしまうので、お客さんの声を大切にしています。

機会をみてお客さんを自宅に招いたり、主催している乗船体験会で話を聞いたり......場が変わると本音がいろいろ出てくるので、お店では聞けない話が聞けたりします。地産地消の意図と同じで、顔が見える環境でものを売ったり買ったりが理想だと思っています。

エコストア パパラギの店内で話す武本匡弘さん

また多くのメデイアで取り上げられたことで、北海道から沖縄まで全国から来訪があります。同じような形態で開業したいという相談も多いです。しかしパパラギのような規模で本業として店を経営し収益をあげるのは、正直かなり難しいです。

人口に対してエコに興味を持ってる人の比率はかなり低いので、単価の高い宝飾品や化粧品なら成立しても、単価の低い生活雑貨品が中心では限界があるのです。実際に視察に来てお店を始めた人もいますが、もともとやっている事業を続けながら、売り場の半分を活用して量り売りやエコ商品を展開することをおすすめしています。

パパラギはたくさんのお客さんの支持や遠方からの来店で、やっと何とかやっていける採算の見通しが見え始めたところです。でも私や一緒に働く妻の給料は発生していません。あくまで社会実験のためのボランティアとして店をやっているので、私たちの生活を営むためのものではないのです。

しかし社会改革のための世間へのアプローチなので、最終的には同形態のお店が全国に増えないとやり始めた意味がありません。出費を抑えながら自分たちでもう一店舗出すか、お店をやりたい人を見つける必要があります」

新たな社会モデルを切り拓く時代 ワーカーズの実現を目指して

パパラギを立ち上げたメンバーは武本さん、長男の康平さん、次男の晃彦さんの3人。そこに匡弘さんの奥さん(洋子さん)も加わって、家族4人が中心となり運営している。

エコストア  パパラギの前に立つ武本さん家族

左:武本康平さん 右:武本匡弘さん

武本さんは環境活動家として年間70回以上の講演会やイベントを開催しながら商品の共同開発などを担当。康平さんは不動産仲介のエコライフ不動産を運営している。

化学薬品類に囲まれた住環境が及ぼす健康問題の相談も可能だ。パパラギの内装も、自分たちで天然珪藻土や石膏ボードを貼りつけ漆喰を塗るなど、科学接合剤を使わずに化学物質を排除したこだわりが詰まっている。

エコストア パパラギ 店内に立つ 武本晃彦さん

パパラギ店長の武本晃彦さん

晃彦さんはパパラギの店長として、洋子さんと一緒に商品構成や仕入れを担当。仕入れの段階から可能な限りパッケージフリーで納品を依頼したり、スタッフで実際に何ヶ月も商品を使用してから取り扱いを決めている。そのためどれも自信を持っておすすめできる商品ばかりだ。

「家族で立ち上げたお店ですが、基礎づくりをしたら次世代へ引き継いでいくことが開業当初からの計画です。誰かに雇われている以上、経営者の方針に従わなければなりません。人々の生活や、社会、地球環境に貢献したいと思うなら他人に経営を委ねない、自分が主人公になろうとする労働のあり方が必要です。

パパラギでは一般的な雇用労働ではなく、協同組合(ワーカーズ:働く人が出資をして組合員となり、経営に携わる経営形態)の実現を目指し、将来的に運営に参加することが前提の仲間を募集しています。

すでに今年の7月から募集を開始し、共同運営者を想定したパートスタッフが働いてくれています。2021年春までには現在の運営スタッフの一新が行われ、自主的な運営メンバーによる運営形態になる予定です。

今後お店を増やしていく上でまだまだ仲間は必要なので、時間をかけて増やしていきたいと思っています。募集期限は設けていないので、自分でお店をやりたい人がどんどん現れてくれることを願っています」

現在の社会問題や環境問題の解決を目指す人はぜひ詳細をチェックしてみてほしい。

Vive la différence! 見えてきたゴール

「今後の地球環境の気候危機に関してだけ見ると非常に絶望的な現状ですが、何とか危機に立ち向かおうという面から見れば希望はたくさんあります。

お店を始めてたくさんの人に出会えたこと、実際に一緒に活動したりパートとして働いてくれる仲間ができたこと、これは間違いなく『希望』です。同じような問題意識を持っていたり、実際に動いてみようという人たちにどれだけ出会えるかが究極のゴールだと思います」

パパラギでは武本さんが報告と司会進行を行うネイチャーセミナーを始め、さまざまな講師を招いて講座や映画の上映会やワークショップを開催している。参加費は500円〜、参加者の年齢は10〜70代までと幅広い。どの会も、予約の段階で満席になるという。

エコストア パパラギ ネイチャーセミナーの様子

Photo by 武本匡弘

ネイチャーセミナーの様子

「いまの世の中は、意識して知識や情報を持っていないと、防ぎようがないくらい人の健康に悪影響を与えるものがあふれています。私の個人的なゴールとしてはこの店が単なるエコストアで終わらず、いろいろなことを『学ぶ場』だったり、情報発信や意見交換の場としてともに育つ『共育の場』にもしていきたいと考えています。

最近、子どもたちから海洋プラスチックという言葉を聞くことが多くなったと感じます。子どもが関心を持ち始めたことにきちんと話ができたり、より気付きを与えることは大人の大事な責任ではないでしょうか」

最後に武本さんはサステナブルな社会を日本で普及するには、システムを変えていく必要があると教えてくれた。

「例えば電球がLEDしか生産されなくなったらLEDを買うしかありません。欧米ではタバコが一箱$10近くになり、高くて止めざるを得ない人が増えました。このように政治や技術力、科学リード型で、地球環境に悪いこと、サステナブルじゃないものを変えていくことで、人々は受動的に従うことになります。それでいいんです!

ドイツやフランス、ニュージーランドなどはエコ意識が高いと言われていますが、国民全員がそうとは限らないと感じることもあります。一人ひとり見れば日本人の方が『もったいない精神』をけっこう持っていたりするんですよね。

個人の好みや趣向を変えることは簡単ではないし、変えるべきではありません。違いを押し潰しては多様性がなくなってしまいます。違いがあっていいんです。Vive la différence!(フランス語:違い万歳) 」

エコストア パパラギの店内で話す武本匡弘さん

「海を守りたい」という強い思いからパパラギを開業し、環境活動家としてさまざまな活動をされている武本さんの姿には、本当に強く感銘を受ける。海やこの星を愛する武本さんはまさにエシカルダイバーと言えるだろう。

ふだんの生活で過剰包装やごみの量に嫌気が差している人はぜひ一度パパラギを訪れてみてほしい。あなたがELEMINISTならプラスチックフリーやエシカルグッズがたくさん並ぶ店内にワクワクすることだろう。そして商品について丁寧にあたたかく教えてくれるのがパパラギの魅力の一つでもある。質問や相談はぜひ気軽にしてみてほしい。

また、いろいろな疑問や問題意識を持っている人にはセミナーへの参加をおすすめする。私自身も数回参加しているが、武本さんのお話はとてもわかりやすく実体験をもとにしているので説得力がある。

セミナーと聞くと少しかた苦しいイメージを持つ人も多いかもしれないが、とてもアットホームな雰囲気で気軽に参加できる。きっと多くの気づきと学びを得ることができるだろう。

海をこの星を守るために立ち上がった先駆者であるパパラギ。これからも応援していきたい気持ちと同時に、パパラギのようなお店が日本に、世界に、たくさん増えてほしいと願う。そのためにまずは「ベストよりベターな選択」を、そして「ベターからベストへ」ともに歩み続けよう。

エコストア・パパラギ
https://ecostorepapalagi.com/
オンラインショップ
https://ecopapa.official.ec

撮影/田上大輝

※掲載している情報は、2020年12月5日時点のものです。

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