2020年のブラックフライデーはリユース・リメイクの日に モノと私の付き合いを末永く

2020年のブラックフライデーは11月20〜27日。多くのブランドが大幅セールを打ち出し、今年も大量のお客さんがお店に押し寄せるだろう。しかし、こうした大量消費の生活スタイルで引き起こされるのが、大量生産・廃棄問題だ。今回は、手元の衣服に長く活躍してもらうための方法を紹介する。

Mari Kozawa

ライター

一般社団法人TSUNAGU理事。2018年エシカルファッションブランド「TSU.NA.GU」にジョインし、ビジネスモデルの設計や生産者と消費者のコミュニケーションづくりを通して、ファッシ…

2020.11.16

衣服関連の産業を通じて世界中の排水の20%、CO2の10%が排出され、衣服の洗濯で年間約26万トンのマイクロプラスチックが海に排出されると言われている。また、世界では毎秒トラック1台分の衣類がリサイクルされずに廃棄されている(※)。

(※)令和2年版 環境白書・循環型社会白書・生物多様性白書

こうした問題を踏まえると、ブラックフライデーはある意味モノと自分との関係を見直すきっかけとなる日とも言えるだろう。そこで、今回は私が実践するエシカルなモノとの関係をつくるうえでのヒントを紹介する。

着なくなったものを「リユース」

想いと衣服を次の人へ

私自身も、どうしても着なくなった古着は古着屋に回収してもらっている。近年では、フリマアプリが浸透しているが、古着屋を通した新しい人とのつながりを感じられるのも楽しい。

例えば「ファッションを愛する人たちがファッションを通して輝くためのプラットフォーム」を掲げるMODALAVAは、想いとストーリーをシェアする場として「Open Closet Market」を不定期開催している。

出品されているアイテムとともに、出品者による手書きのタグが掲示される。モノ単体だけでなく、誰かに愛された洋服にどんな想いが込められているのかがわかり、気持ちのいい循環が生まれている。

Open Closet Market

着古したものを「リメイク」

草木染めで好きな色に

私も最近はまっているのが、着なくなった服のリメイク。とくに、草木染めをすると、着古したアイテムがよみがえる楽しさを感じられる。

草木染めは、昔からある伝統的な技術だ。草木染めと聞くと素材を煮立たせて染めるイメージがあるかもしれないが、草木染めランジェリーブランド「Liv:ra」が販売している染め直しキットを使えば、微細な草木の粉を水に溶かして簡単に染められる。

綿や麻、ウールなどの動植物の天然素材が染まりやすく、1年を通してリメイクできるのも嬉しい。ピンクや黄色、水色といったポップなカラーが展開されているので、きっとお気に入りのカラーが見つかるはずだ。

木染めしたセーター

Photo by Mari Kozawa

白いセーターを草木染めしたセーター

ダーニングで穴を補修

草木染めのほかにも、刺繍や穴が空いたアイテムを可愛く修復できる「ダーニング」など、さまざまなリメイクの方法がある。

「Mend It Mine」というインスタグラムアカウントでは、ダーニングやアップリケなど、さまざまな方法を用いたリメイクのヒントを発信している。気になる方は、ぜひチェックして実践してもらいたい。

ダーニング

Photo by Ethical Fashion Lab. Maosi オオシロマヤ

ダーニング

Photo by 小林ななこ

私自身、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)による自粛期間をきっかけに身の回りを整理するなかで、必要以上に物を買わないようになった。

着なくなったアイテムを次に活用してくれる人のもとへと渡し、循環させることに嬉しい気持ちになったり、着古した衣服を草木染めやリメイクすることで手仕事のおもしろさを実感している。

そうした日常生活で身近にできることを積み上げていくと、自分らしいエシカルライフの形が見えてくると思う。みなさんも、ぜひ興味があるところから実践してみてほしい。

※掲載している情報は、2020年11月16日時点のものです。

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