ヨハネスブルグ宣言とは、2002年に南アフリカのヨハネスブルクで行われた「持続可能な開発に関する世界首脳会議」にて採択された政治的な宣言で、持続可能な開発に向けた、世界各国の首脳の考えを示すことを目的としたものである。
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2002年8月26日から9月4日にかけて、南アフリカのヨハネスブルクで行われた「持続可能な開発に関する世界首脳会議」において採択された政治宣言。
この会議は、1992年にリオ・デ・ジャネイロで行われた国連環境開発会議にて採択された「アジェンダ21」の決議内容を実行に移すための、より具体的な目標設定などについて議論するため開催された。
ヨハネスブルグ宣言は、これからの持続可能な開発に向けた、世界各国の首脳の考えを示すことを目的としたもので、世界各国が衛生的な生活環境、安全な水、安定したエネルギーや食料の供給などに取り組むことを宣言している。
会議期間中は約100名もの各国首脳をはじめ、各国のNGOや企業の代表者、それに各地の先住民など、2万人以上の参加者が出席した。
日本からは、当時の首相小泉純一郎氏が参加。黄熱病の研究に献身した野口英世を例にあげ、地球の未来を担う優秀な人材を育てるためには教育分野への投資が重要だと訴えた。
当会議では宣言のほかに、持続可能な開発を進めていくための指針である「実施計画」も採択された。日本の計画の概要は次のとおり。
京都議定書は、1997年に京都で行われたCOP3で採択された。これは、主要先進国が温室効果ガスを削減することを義務付けたものであったが、2002年時点ではまだ発効に至っていなかったため、早急に発効するよう言及した。
2001年11月にWTOドーハ閣僚会議で開始が決定された、農業分野の関税の引き下げなどに関するドーハ開発アジェンダや、2002年3月に国連が開催した開発資金国際会議の結果をまとめたモンテレイ合意などの実施を重視することを提言。
2015年までに、整った衛生環境の恩恵に預かれない人を全体の半数まで減らすことを目標に含み、合意に至る。
それぞれの国の内情に合わせた数値目標を設けつつ、全エネルギーのうち再生可能エネルギーが占める割合を拡大していくことで合意。
持続可能な開発を実現するために不可欠な環境教育に力を入れるため、「持続可能な開発のための教育の10年」を提言。
ヨハネスブルグ宣言は大々的に行われた。しかし、1972年にストッククホルムで開催された国連人間環境会議や、1992年のリオデジャネイロ国連環境開発会議と比べ、成果がはっきり現れていないという点で、いい評価がされているとは言い難い。
とはいえ、2000年9月の国連ミレニアム・サミットで採択された国連ミレニアム宣言と、1990年代の主要なサミットで採択された開発目標を統合した「ミレニアム開発目標(MDGs)」や、これまでの気候変動対策などへの取り組みを振り返ることができ、課題を洗い出せたという点においては、少なからず評価されている。
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