パンセクシュアリティとは、あらゆるすべての人たちに隔たりなく恋をするセクシュアリティのこと。 いま国籍・人種分け隔てなく、自分の気持ちに素直に、好きな人を好きといい、家族になれる時代になってきている。
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パンセクシュアリティ(Pansexual)とは、男性・女性・どちらの性にも分類されない人、あらゆるすべての人たちに隔たりなく恋をするセクシュアリティのこと。
彼らは相手を好きになることに、セクシュアリティは関係ないと考える。日本語では全性愛者という。同じような言葉として、「バイセクシュアル」や「ポリセクシュアル」がある。
バイセクシュアル(Bisexual)とは、男性・女性の2つのセクシャリティに恋をすること。パンセクシュアリティと違う部分は、彼らは相手を好きになる条件にセクシュアリティが関わるということ。日本語では両性愛者という。
ポリセクシュアル(Polysexual)は、複数のセクシュアリティに恋をすること。好きになることにセクシュアリティは関係ないと考えるパンセクシュアリティと同じように思うが、ポリセクシュアルは好きになることにセクシュアリティを条件としており、好きにならないセクシュアリティも存在する。ここが大きな違いだ。日本語では、多性愛者、複数性愛者という。
Photo by Margaux Bellott
パンセクシャルをはじめとした、3つのセクシュアリティの多様性を紹介した。
ヨーロッパにある国際都市で生活する筆者にとって、いま世の中の動きはそのセクシュアリティのカテゴライズに限定せず、自分の気持ちに素直に、大切に生きていくことが自然の流れになってきているように感じる。
例えば、毎年7月に行われる欧州最大級のLGBTパレード「クリストファー・ストリート・デイ」ではカラフルな衣装でドレスアップしたLGBTの人々が街を練り歩く。そのパレードにはLGBTの人々だけでなく、すべての人々が参加可能だ。パレードを見守る両サイドの人々も含め、そこはいつも多様な愛を認め喜び合うハッピーな空間ができあがっている。
ちなみに今年のはじめまでの約1年間、筆者はあるレズビアンカップルとルームシェアをして暮らしていた。彼女たちは筆者より年上で、成人した子どもが2人いる。彼女たちが出会って恋に落ちる前、それぞれが男性と結婚して生まれた子どもたちだ。
子どもたちがまだ10代はじめの頃に2人は同居生活をはじめ、あたたかい家族という形態を大切につくりあげてきた。子どもたちが成人して家を巣立ち、空き部屋ができたため、筆者がそこを借りる形でルームシェアが始まった。
筆者の年齢は彼女たちの子どもより少し年上だが、2人には本当の家族のように接してもらい、まるで母親が2人できたような気持ちになった。クリスマスなどの家族行事も彼女たちの子どもたちと一緒に過ごさせてもらったが、自分の気持ちに素直に生きたからこそ生まれた「あたたかさ」がそこにはあった。
また「タンテパートナー(Tante Partner)」というものも存在する。直訳すると「叔母パートナー」だ。なんらかの事情で家族がいない人を、叔母、もしくは叔父として迎え入れ、一緒に家族行事を行う。友人の1人がタンテパートナーを結んでいるが、今度その子どもの入学式に参加すると、とても楽しそうに話してくれた。
セクシュアルについてもそうだが、国籍・人種分け隔てなく、自分の気持ちに素直に、好きな人を好きといい、家族になれる時代になってきている。
エシカルでミニマルなライフスタイルを生きるELEMINISTにとって、多様性を認め合い、相手の気持ちも自分の気持ちも素直に受け入れていくことが大切ではないだろうか。
わたしたちは同じ「地球」に生きている、同じ人間。世界を見つめ、自分にできることから始めていこう。
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