人間拡張とは、ロボットや人工知能(AI)などの技術を活用して、人間の持つ感覚を拡張するテクノロジーである。機械やAIだけでなく、将来的にはインターネットと接続して、人間の感覚や能力を大きく広げる可能性もある。人間拡張について、詳しく見ていこう。
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人間拡張とは、ロボットや人工知能(AI)などの技術を活用して、人間の持つ身体能力や認知能力、知能を拡張するテクノロジーである。
人間はこれまで、道具や機械などを活用して自分の能力を拡張してきたが、人間拡張がそれと決定的に異なるのは、AIやロボットを活用することで、現実と仮想世界、身体と機械を融合させようとするところだ。
人間拡張の試みはすでに進められている。農作業や配送作業を軽減できるパワーアシストスーツは、自動車部品メーカーのジェイテクトなどがすでに実用化した。
また、眼鏡のようにかけるだけで、視覚上にデジタル情報を表示するスマートグラスも、Googleやドイツのボッシュ社などが開発している。
Photo by JL Lacar on Unsplash
人間拡張の技術が進むと、人間単体の能力を拡張するだけでなく、ネットワークに接続し、さらに能力を拡張する方向へ発展していくと考えられている。
人間がインターネットにつながり、人の能力(アビリティ)が強化されることを「IoA(Internet of Abilities、インターネット・オブ・アビリティズ)という。日本語に訳すと「能力のインターネット」となる。
IoAが発達すると、さまざまな能力の拡張が予想される。とくに、ネットワークを通じて他人やロボット、AIに接続する技術は、ウィリアム・ギブスンのSF長編『ニューロマンサー』にちなみ「ジャックイン」と呼ばれている。
例えば、テニスのレッスンで講師が生徒にジャックインし、身体の動かし方を共有することができるようになる。また、飛んでいるドローンにジャックインすれば、空を飛ぶ感覚を体験できる。
人が空を飛んだり、違う人の体験を共有したり……空想の世界のようなできごとが、もうすぐIoAによって実現するだろう。
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