私たちが「オーガニックコットン」を選ぶ意味とは 途上国の生産背景から考える買い物の責任

オーガニックコットンの綿

オーガニックコットンとは、農薬の制限だけでなく労働環境にも配慮されてつくられたコットンのことだ。オーガニックコットンを選ぶ意味は、私たちが思っている以上に大きい。児童労働をなくし、ファッションに関するビジネスがサステナブルであってほしいと望むすべての人に、ぜひ読んでほしい。

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2020.10.30

オーガニックコットンとは 農法や労働環境に厳しい基準

オーガニックコットンとは、認証機関が認めた農地で、農薬や肥料などの基準を守って育てられた綿花を指す。認証機関に認められるには、オーガニック農産物の育て方として決められた基準どおりの農法で、3年以上にわたり作物を育てた実績が必要とされる。

オーガニックコットンとして認められるには、農地だけでなくすべての製造工程において基準をクリアしなければならない。綿花から糸をつくる紡績に始まり、織布や染色、縫製といった一連の工程でトレーサビリティを確保することが求められる。化学薬品の使用をできるだけ少なくし、人体や自然環境への影響を最小限に抑えることも必要な条件だ。

また、オーガニックコットン製品をつくる労働者の雇用状態もチェックされる。労働者は安全な環境で働いているか、違法な児童労働によって製造されていないかなど、社会規範を守ることもオーガニックコットンと認められるための大切な基準となる。

私たちがファッションを楽しむ裏側では「スウェットショップ」と呼ばれる違法労働が後を絶たない。スウェットショップとは「非倫理的に労働力を搾取する職場」という意味だ。

そうした生産現場では、児童労働や女性の権利が認められないなどの問題が横行している。2013年にバングラデシュで起こった縫製工場を含む商業ビル「ラナ・プラザ」の倒壊事故を記憶している読者も多いだろう。

このような悲劇を繰り返さないためにも、私たちはよりよい選択をしていかなくてはならない。オーガニックコットンでできた製品を選ぶ意味は、まさにそこにある。

オーガニックコットンと通常のコットンとの違い

収穫時期のコットン

Photo by l-odyssee-belle

オーガニックコットンと通常のコットンとのいちばんの違いは、農薬の量などの生産背景にある。

実は、綿花を育てる過程では多くの農薬が使われる。種をまく際には化学肥料に加えて、種が腐らないように防カビ剤や殺菌剤が散布される。雑草に栄養をとられないようにするための除草剤や虫よけの殺虫剤、綿花が実ると収穫するための枯葉剤なども使用される。

オーガニックコットンの場合は、使える農薬に厳しい基準が設けられ、使用する量も最小限に抑えられている。化学肥料ではなく有機肥料を使い、多くの手間をかけて丁寧に収穫される。

生産プロセスも厳しくチェックされる。雇用環境に児童労働や女性軽視といった問題がないかどうかも、オーガニックコットンの認証を得るための重要なポイントだ。オーガニックコットンでつくられた商品を買うことは、間接的に児童労働をなくすことにもつながっている。

世界最大のコットン耕作地を持ち、生産量が世界第2位のインドでは、多くの子どもたちが厳しい環境で働かされている。コットンの畑で働く子どもたちは学校に通えず、綿花の受粉や収穫に長時間従事させられている。大人よりも安い労働力として利用されているのだ。

発展途上国の生理の現状

発展途上国の女性たちの生理の現状について考えてことがあるだろうか。実は、発展途上国では生理用品の普及が進んでいない地域が多い。

生理に対する偏見も多く、生理中は外出できず学校を休んでしまう少女たちも多いという。学校を休むと勉強についていけず成績が下がり、将来就く仕事が少なくなったり賃金が下がったりといった悪循環につながる可能性がある。

生理用品が高価な発展途上国では、少女たちはボロ布や新聞紙などで対処するという。非常に不衛生なだけでなく、においや経血の漏れといった問題も起こりやすい。こうした生理の問題は「生理の貧困(period poverty)」として全世界で注目されつつある。

世界中の少女たちが生理によって不当な扱いを受けたり、勉強や社会進出の機会を失ったりすることを防ぐには、生理用品の普及が欠かせない。洗って繰り返し使えるコットンのナプキンなら、彼女たちの悩みを少し軽くしてくれるだろう。

私たちがオーガニックコットン製品を選んで買うことは、途上国で働く女性たちの支援につながる。彼女たちが生理の問題を乗り越え、社会に出てイキイキと活躍するために、私たちにできる選択は難しいものではない。オーガニックコットンを選ぶという背景にある大きな意味を、もう一度立ち止まって考えたい。

触り心地は通常のコットンと違いはない

機屋で織られているコットン

Photo by 🇸🇮 Janko Ferlič on Unsplash

オーガニックコットンは、しばしば肌ざわりがよいと思われがちだが、実は通常のコットン製品と違いはない。コットンそのものの品質は同じで、見た目で判断することは難しい。

繰り返しになるが、オーガニックコットンと普通のコットンの違いは、その生産背景だ。ちなみに通常のコットンは「コンベンショナル・コットン」と呼ばれる。

見た目で判別できないため、第三者機関による認証ラベルによって通常のコットンと区別される。認証ラベルの代表として「国際オーガニックテキスタイル基準(Global Organic Textile Standard:GOTS)」がある。

GOTSは世界的な評価を得た国際基準で、原料となるコットンの収穫から製造という全行程で「繊維製品が正しくオーガニックである」ことを示すものだ。

GOTSのラベルには、認証されたオーガニック製品の含有率によって2種類のラベルがある。製品の95%以上が認証されたオーガニック繊維であることを示すのが「Organic」、製品の70%以上が認証されたオーガニック繊維を使用したものであることを示すのが「Made with Organic」だ。

オーガニックコットンは、まさに生産者と消費者の信頼関係によって成り立っている。私たち消費者が国際認証マークのGOTSラベルを知り、ラベルの付いた商品を選ぶことで、エシカルな生産プロセスを応援することができる。ショッピングを楽しみながらサステナブルな生産のあり方を指示するために、ぜひGOTSラベルを覚えてほしい。

オーガニックコットンを選ぶ意味とは 背景の物語を知ろう

民家脇のコットン畑

Photo by annie-spratt

私たちがオーガニックコットンを選ぶ意味は、実は思いのほか大きい。消費者の選択は、綿花の栽培から始まる生産から流通、販売というすべてのプロセスを肯定することでもある。オーガニックコットンについてのよくある思い込みを捨て、生産背景を正しく理解することが、よりよい未来への一歩となるだろう。

ふだんの何気ないショッピングの裏側には、発展途上国のゆがんだ児童労働がひそんでいるかもしれない。こうした問題に歯止めをかけ、土壌や河川などへの環境負荷を軽減できる手段のひとつが、オーガニックコットンだ。

私たちの買い物は、もはや単に商品を手に入れるだけの行為ではない。商品ができるまでの長いストーリーを選び取り、支持するという大切な意味をもつ。買い物は投票であるといわれる理由がここにある。

誰かが苦しみながらつくった商品を手にするのではなく、多くの人をハッピーにするエシカルな商品を選んでほしい。そんなオーガニックコットンをELLEMINISTでさっそく手にしてみよう。

※掲載している情報は、2020年10月30日時点のものです。

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