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イギリスの海岸沿いに、ゴルフ場の跡地を再生した自然保護区がこの秋オープンした。湿地や草原を整え、野生生物の生息地をつくるとともに、地域の人々が身近に自然を楽しめる場所を目指す。

Kojiro Nishida
ライター
イギリス、イースト・ミッドランズ地方在住。出版社で雑誌編集に携わったのちフリーランスに。ガーデニングとバードウォッチングが趣味。

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2026年9月26日、イングランド東部・リンカンシャーにオープンした「サンディランズ自然保護区」。ここは、もともとゴルフ場として利用されていた土地だ。
1894年から続いていたゴルフ場が経営難により2018年12月に閉鎖した後、自然や歴史的建造物の保全に取り組む団体「ナショナル・トラスト」が2020年3月にその土地を購入。自治体や自然保護団体、地域住民、ボランティアらと協力し、計画や協議を重ね、6年かけて野生生物の生息地へとつくりかえてきた。
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海岸沿いに細長く伸びる敷地に、ゴルフコースの面影を感じる。
広さは、サッカーコート約42面分に相当する30ヘクタール。かつてはゴルフコースのフェアウェイやグリーンだった場所に、現在は湿地や草原、海岸性の低木が茂る景観が広がっている。
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敷地内には、かつてバンカーだったと思われるくぼみも点在している。
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イギリスの東海岸は、北極圏や北欧の繁殖地と、南方の越冬地を行き来する渡り鳥の重要な移動ルートだ。サンディランズ自然保護区も、タゲリやタシギ、アジサシ類などの生息地となるほか、オグロシギやツルシギ、ヘラサギなどが旅の途中に羽を休め、栄養を補給する場所としても期待されている。
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入り口付近の案内板では、渡ってくる鳥、ここで暮らす鳥、季節とともに旅立つ鳥を一覧で紹介している。
実際に、渡り鳥たちは、サンディランズ自然保護区が正式にオープンする前から、すでにこの場所を利用していた。2026年はソリハシセイタカシギとミヤコドリが営巣・繁殖に成功し、コチドリのひなも2年連続で確認されるなど、生息地の再生は早くも成果を見せている。
周辺には、ほかの団体が管理する自然保護区も点在しているため、それらとともに海岸沿いの生息地のネットワークを充実させ、野生生物が利用できる場所を増やす役割を担っている。
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サンディランズの再生では、池やヨシ原(湿地に葦が群生してできた草原)、野花が育つ草地など、さまざまな環境を組み合わせている。鳥だけでなく、トンボや両生類、チョウなど、多様な生き物の餌場やすみかをつくるためだ。
敷地には3万5000株を超える在来の低木を植栽。さらに、近隣の自然保護区で刈り取った草を種子ごと敷地にまき、地域に自生する多様な草花が育つ草地づくりも進めている。
また、生き物のための環境づくりをするとともに、人々の訪れやすさにも配慮しているという。車いすやベビーカーでも散策しやすい遊歩道や木道を設けたほか、ひと休みできるカフェや、地域の人々が集まる交流スペースも併設。誰もが訪れやすく、自然を楽しめる場所を目指している。
※参考
Former golf course transformed into nature reserve|BBC
Sandilands|National Trust
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