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森林を残すことを選択した土地所有者は、インセンティブで金銭を受け取ることができるプロジェクト「CONSERV」。ブラジルで試行されたこの取り組みでは、アマゾンとセラードで2万700ヘクタールを超える土地が保護された。

Ouchi_Seiko
ライター
フランス在住。美容職を経て2019年よりライターに。居住地フランスのサステナブルな暮らしを手本に、地球と人にやさしい読みものを発信。

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ブラジルでは、法律上は農地や牧草地に転換できる森林を、あえて残す土地所有者に金銭を支払う取り組みが試行されている。アマゾン環境研究所(IPAM)がすすめるプロジェクト、「CONSERV」だ。
ブラジルでは、土地所有者に一定割合の森林を保全することが法律で義務付けられている。保全すべき割合は地域によって異なり、アマゾンでは最大80%、その他の地域では20%とされている。
一方、その基準を超えて残された原生植生は「法定保留地の余剰」とされ、許可を得れば合法的に伐採し、農地や牧草地に転換できるという。
問題は、こうした「合法的に伐採できる森林」が広大なこと。研究ネットワークMapBiomasの調査では、2008年から2024年の間に、アマゾンとセラード(ブラジルのサバンナ地域)で許可を得て伐採された森林は360万ヘクタールに上っている。これは、ベルギーの国土よりも広い面積だ。
CONSERVは、これらの森林を伐採せずに残す土地所有者に対して、その保全に対する金銭的なインセンティブを提供する。森林を残すこと自体に経済的な価値を持たせる仕組みだ。
2020~2024年の試行では、マットグロッソ州とパラー州の23の土地を対象に、ノルウェーとオランダの政府から資金提供を受け、アマゾンとセラードの2つの生態系で計2万707ヘクタールの土地を保護した。
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支払いの仕組みはこうだ。IPAMは、土地所有者と契約を結ぶ前に、対象となる土地が森林法などの法規制を守っているかを調査し、第三者によるチェックを行う。また、土地所有者には、火災管理計画の提示も求められる。
契約期間中は、3カ月ごとに衛星データを分析し、原生植生が伐採されていないかを監視する。問題が見つかった場合には現地の調査チームを派遣し、違反者には罰則が科されるという。
CONSERVの試行段階では、土地所有者は法定保留地の余剰について、年2回の報酬を受けとる。金額は、その地域の森林伐採リスク、森林が提供する環境サービスの価値、そして1ヘクタール当たりの土地価格に基づいて算出される。
もちろん、追加収入だけがこのプロジェクトのメリットではない。近隣の土地所有者とのつながりが強まったほか、CONSERVの対象地では、周辺の土地と比べて森林火災が減少したという。
さらに農家からは、より多くの野生動物を見るようになったことや、雨が増えたことも報告されている。
IPAMの事務局長アンドレ・ギマランイス氏は、「当初の課題は、土地所有者を説得することでした。現在の課題は、それを規模の大きなものにすることです」と述べている。CONSERVはいま、試行から規模拡大の段階へと進もうとしているのだ。
そこでIPAMは現在、CONSERVを大規模かつ長期的に続けるための資金調達方法を検討している。
候補となっているのは、炭素クレジットの販売、対象地で生産された農産物への価格プレミアム(インセンティブの上乗せ)、より有利な条件での融資の3つ。それぞれ異なる方法で、森林を残す土地所有者への経済的なインセンティブが提供される。さらに、これらの仕組みには公的機関と民間機関の双方が関わることも想定されているという。
農業生産と森林保全、この2つのさらなる両立を目指すCONSERV。これから問われるのは、こうした取り組みを一部の土地にとどめず、より広い地域へ、そしてより長期にわたって広げていけるかどうかだろう。
※参考
In Brazil, a project paying farmers for forests is looking to scale up|MONGABAY
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