YKK APが環境報告書2026を発行 CDPサプライヤーエンゲージメント評価で最高評価「A」を獲得

YKK APが2025年度の環境への取り組みをまとめた「YKK AP環境報告書 2026」を発行。自社CO2排出量を2013年度比44%削減し、CDPの「サプライヤーエンゲージメント評価」で最高評価「A」を獲得した。

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2026.08.05
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第7次中期環境事業計画の初年度——4つの環境課題に取り組む

YKK AP株式会社は2026年8月3日、2025年度の環境への取り組みをまとめた「YKK AP環境報告書 2026」を発行した。

同社は2030年に向けたビジョン「Evolution2030」の方針のひとつに「地球環境への貢献」を掲げ、脱炭素化・循環型社会の実現に向けた仕組みづくりを進めている。2025年度は「第7次中期環境事業計画」(2025〜2028年度)の初年度となり、環境経営方針で掲げる「気候変動(カーボンニュートラル)」「資源循環(サーキュラーエコノミー)」「水保全」「生物多様性」の4つの環境課題に取り組んだ。

なかでも気候変動については2013年度比で自社CO2排出量(スコープ1+2)を44%削減、サプライチェーンCO2排出量(スコープ3)を30%削減。また、国際的な環境非営利団体CDPによる「サプライヤーエンゲージメント評価」において脱炭素社会への取り組みが評価され、最高評価「A」を獲得した。CDPは企業や自治体の気候変動対策や環境問題への取り組み状況を評価し、情報開示を求めるイギリス発の組織だ。

「YKK AP環境報告書 2026」
https://www.ykkapglobal.com/ja/sustainability/environment/report/ 

「YKK APサステナビリティデータブック 2026」https://www.ykkapglobal.com/ja/sustainability/activities-data/data/

2025年度 環境活動のポイント

環境課題成果
気候変動(カーボンニュートラル)自社CO2排出量(スコープ1+2)を2013年度比44%削減/サプライチェーンCO2排出量(スコープ3)を2013年度比30%削減
資源循環(サーキュラーエコノミー)廃棄物排出量を2016年度比18%削減/廃棄物原単位(売上高当たりの廃棄物排出量)を2016年度比39%削減
水保全水使用量を2013年度比36%削減
生物多様性社会貢献活動の実施件数234件

国内外15拠点に17,800kWの太陽光発電。リサイクルアルミ100%建材「Re・AL」も始動

リサイクルアルミ使用比率100%のアルミ建材「Re・AL」対象商品イメージ

リサイクルアルミ使用比率100%のアルミ建材「Re・AL」対象商品イメージ

スコープ1+2では、自社敷地内への自家消費型再生可能エネルギーの導入および燃料転換、省エネを主軸とした対策を推進。これまでに国内外15拠点に17,800kW(前年度比約1.1倍)の太陽光発電を導入した。結果、2025年度のCO2排出削減量は年間11,000t(前年度比約1.5倍)に相当し、2013年度比で44%削減となった。スコープ3ではリサイクルアルミ利用率を高め、物流の効率化や生産性向上に取り組むことで2013年度比30%削減を達成している。

環境政策の指標として樹脂窓等の高断熱商品による「CO2削減貢献量」を数値化しており、2025年度は2020年度比で226%を削減。2025年10月には、リサイクルアルミを100%使用したアルミ建材「Re・AL(リ・アル)」を使った物件対応を開始した。同商品は第三者検証の環境製品宣言「SuMPO EPD」を取得しており、原材料調達・輸送・製造過程のCO2排出量を85%削減(新地金100%アルミ形材比)することができる。

ガラスくずの再資源化を開始——アルミ・樹脂は社内リサイクル率100%

ガラスくずを選別して破砕後、回収したガラスカレット

ガラスくずを選別して破砕後、回収したガラスカレット

アルミについては社内リサイクル率100%を達成しており、社外品リサイクルの割合を高める取り組みを進め、リサイクルアルミ使用比率は59%に達した。樹脂では、製造過程で発生する端材・切粉を資源として樹脂製品へ再生させることにより社内リサイクル率100%を達成。

さらにガラスにおいては、滑川製造所(富山県滑川市)に複層ガラスの破砕機を導入して社内処理を開始。製造過程で発生したガラスくずをカレット(廃ガラスを破砕し再利用可能な原材料として調整されたガラス片)とスペーサー(複層ガラスにおいて2枚以上のガラスの間隔を一定に保つための枠状の部品)に選別し、これまで廃棄物となっていたガラスくずの再資源化を開始した。これらの取り組みの結果、廃棄物排出量について2016年度比18%削減を達成している。

水保全では、持続的な水利用の実現と渇水などの水リスク低減による事業継続性の向上を目的に、生産工程における取水量の削減や循環利用を推進。工業用水の受け入れ量の見直しや洗浄水の多段利用(リユース)、配管更新による漏洩対策等の取り組みにより、水使用量で2013年度比36%、水原単位で54%の削減を達成した。生物多様性では、国内外の各拠点で植樹による緑化活動や地域の環境保全、生物多様性にまつわる教育支援など、地域のニーズに応じた社会貢献に取り組んだ。

水使用量の推移

水使用量の推移

第7次中期環境事業計画「主要テーマの2025年度 計画と実績」

テーマ指標2025年度計画2025年度実績達成度
気候変動自社CO2排出量 スコープ1+2244千t-CO2(2013年度比43%削減)239千t-CO2(2013年度比44%削減)
気候変動エネルギー原単位前年比1.3%削減前年比0.4%削減
気候変動商品使用時のCO2削減貢献量1,211千t-CO2(2020年度比252%)1,084千t-CO2(2020年度比226%)×

テーマ指標2025年度計画2025年度実績達成度
資源循環廃棄物排出量18.4千t(2016年度比10%削減)16.9千t(2016年度比18%削減)
資源循環廃棄物原単位2016年度比37%削減2016年度比39%削減
資源循環廃棄物リサイクル率98%98%

テーマ指標2025年度計画2025年度実績達成度
水保全水使用量7.94百万m3(2013年度比37%削減)7.99百万m3(2013年度比36%削減)
水保全水原単位2013年度比57%削減2013年度比54%削減
生物多様性社会貢献件数220件234件

達成度:◎計画以上/○計画通り/△一部未達(>90%)/×未達

「窓で発電」の社会実装へ——BIPVの事業化を目指す

BIPV実証実験ハウス(広島市) 「HIROSHIMA ZERO BOX」

BIPV実証実験ハウス(広島市)「HIROSHIMA ZERO BOX」

2026年度はサステナビリティ統括部を新設し、商品開発、製造、デジタル推進(DX)など各分野が密に連携して、環境を含めたサステナビリティ戦略を全社横断で推進していく。

気候変動では2013年度比でスコープ1+2の51%削減、スコープ3の31%削減を目標に設定。全国で実証実験を進める「建材一体型太陽光発電(BIPV)」の事業化により「窓で発電」の社会実装を目指す。製造現場では自家消費型再生可能エネルギーの導入をはじめ多角的な脱炭素・省エネ活動を推進し、今年度の創エネ導入量は20,500kWとなり自社電力使用量の約5%をまかなう見込みだ。

YKK AP自社CO2排出量

YKK AP自社CO2排出量

資源循環では、アルミや樹脂素材において資源循環の推進に加え、グリーンアルミ(再生可能エネルギーを使って作った新地金)の活用を進めるとともに、使用済み樹脂窓のリサイクル実現に向けた取り組みを進める。ガラスは2025年度に開始した複層ガラスくずの有価物化を継続し、量の増大に努める。

窓が発電し、廃棄していたガラスくずが原料に戻る。建材メーカーが扱う素材の性質上、削減の努力は自社工場だけでなく建物の使用段階にも及ぶ——CO2削減貢献量という指標で目標未達を明示している点にも、その難しさが表れている。

問い合わせ先/YKK AP株式会社 「YKK AP環境報告書 2026」
https://www.ykkapglobal.com/ja/sustainability/environment/report/

※掲載している情報は、2026年8月5日時点のものです。

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