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オーストラリアでは、DIYに必要な工具を地域で共有する「工具ライブラリー」が広がっている。レンチやスパナなどの工具から、芝刈り機まで、必要なときだけ借りられる仕組みで、購入費や保管場所の負担軽減につながる。工具の貸し出しに加え、工具の使い方や修理方法を学ぶ場としての役割も担う。

natsumi_kawaide
ライター
フランスのパリに滞在中、ライターとして欧州の旅行見本市や日本文化イベントを取材。帰国後は旅行情報誌の編集に携わり、現在はフリーランスのライターとして活動している。
オーストラリアではDIY文化が根付いており、自宅や庭の修繕・改善を自ら行う人も多い。一方で、DIYに必要な工具のなかには使用頻度が高くないものもある。購入したものの、その後ほとんど使われないまま保管されるケースも少なくないという。
そうしたなかで利用されているのが「工具ライブラリー(Tool Library)」だ。会員制で工具を貸し出す仕組みで、本を借りる図書館のように、必要な工具を借りて利用できる。
メルボルン北部にある「ブランズウィック・ツール・ライブラリー(Brunswick Tool Library)」は、13年間にわたって運営されている工具ライブラリーだ。約1,400人の会員が登録し、2,000点以上の工具を備える。
六角レンチやスパナなどの小型工具から、高圧洗浄機や芝刈り機といった大型の工具まで幅広く貸し出している。なかでも利用が多いのは、はしごや業務用掃除機、芝刈り機、ドリルセットなどだという。
一般会員なら年会費100ドル(約11,000円)を支払うと、1回につき最大で1週間、工具を10個まで無料で借りられる。
ブランズウィック・ツール・ライブラリーの運営に携わるザック・モリス氏は、工具ライブラリーによって工具の購入費用を抑えられるだけでなく、保管場所の問題も軽減できると説明する。また、工具を購入する代わりに借りることで、ごみの削減や過剰消費の抑制にもつながると考えられている。
工具ライブラリーの役割は、工具の貸し出しだけではない。
ブランズウィック・ツール・ライブラリーの副代表を務めるカリーナ・リー氏は、工具ライブラリーは工具の使い方や修理方法を学ぶ場としての役割も担っていると語る。実際に、工具の使い方や修理方法に関する知識や技術を学ぶ機会も提供している。
こうした学びの場は工具ライブラリーの外にも広がっている。オーストラリアでは、地域の人々が集まり、壊れたものを修理する活動を行う「修理カフェ(Repair Café)」が各地で展開されており、その数は100を超える。
工具ライブラリーと修理カフェは異なる取り組みだが、道具や知識を地域のなかで共有するという点では共通している。壊れたものを使い捨てるのではなく、修理しながら長く使うための選択肢を支えている。
一つの工具を地域で共有しながら使うという発想は、すでにある資源を有効活用する方法のひとつといえる。必要以上にモノを増やすのではなく、あるものをより長く、より多くの人で使う。そんな工具ライブラリーの取り組みは、持続可能なモノの使い方を考えるヒントになりそうだ。
※参考
Can we fix it? Shifting from fast, throwaway hardware to a sustainable DIY culture|The Guardian
Brunswick Tool Library
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