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コンセントに差すだけで発電できる「プラグインソーラー」がヨーロッパで急速に普及している。ドイツでは2022年から2025年の間に累計100万台が設置された。バルコニーにも設置できる手軽さから、マンションや賃貸住宅に住む人々にとっても太陽光発電の新たな選択肢として広がりを見せる。

Aoi Kurogi
ライター
元新聞記者。幼少期に地球温暖化のドキュメンタリーを見て以来、環境問題に興味を抱く。現在は国際環境NGOなどでも執筆活動中。
プラグインソーラー(プラグイン式太陽光発電)とは、ベランダやテラス、物置の屋根などに設置できる、太陽光パネルが1~4枚程度の小型の太陽光発電システムだ。
発電した電力は、家庭用コンセントを通じて、その家庭での電力にそのまま利用できるのが特徴だ。太陽光パネルの大がかりな設置工事が不要で、設置コストの低さや、スーパーやオンラインショップで購入できる手軽さから、ヨーロッパで急速に普及している。
なかでも導入が進んでいるのがドイツだ。2022年から2025年の間に設置台数は100万台を突破した。ドイツでは2045年までに電力需要の最大2%をプラグインソーラーでまかなえる可能性があるという。
普及を後押ししてきたのが政府の支援策だ。家庭で発電した余剰電力を電力会社が固定価格で買い取るFIT(固定価格買取)制度や、システム購入時の消費税免除などの施策が、一般家庭への導入を大きく後押しした。
価格の下落も普及を後押ししている。ドイツではプラグインソーラーの価格がここ数年で大幅に下がり、小型モデルであれば現在は約200ユーロ(約37,000円)から購入できる。
さらに2024年以降、ドイツでは賃貸住宅の入居者やマンション所有者が自らベランダにプラグインソーラーを設置できるようになり、追加の設置工事費が不要となった。
専門家によるとプラグインソーラーの導入費用を回収するまでの期間は平均2〜6年。稼働後は電力会社から購入する電力量を減らすことができるため電気代の削減につながる。
ただし、発電量が400〜500W程度のプラグインソーラーではエアコンなどの消費電力の大きい機器を動かすには十分ではないとの指摘もある。専門家はプラグインソーラーを「補完的な電源」と位置づけており、冷蔵庫やWi-Fiルーターなど常時稼働している家電への給電補助に役立つとしている。
それでも、これまで屋根設置型の太陽光発電を利用できなかった賃貸住宅や集合住宅の人々にも再生可能エネルギーを活用する選択肢を広げている点は大きな特徴だ。
ドイツ以外でも普及の波は広がっている。
ベルギーは2025年4月に個人によるセルフ設置型パネルの導入を認めた。スペインでも販売が急増しており、英国では小売店での販売開始が発表された。EU加盟27か国で、スウェーデンとハンガリーをのぞいてすべての国で、セルフ設置型プラグインソーラーの導入が認められている。
一方で、普及には安全面の課題も残る。ヨーロッパには老朽化した電気設備を持つ住宅も多く、プラグインソーラーを導入する前に専門家による点検が必要なケースがある。
制度面の違いもある。例えば英国では家庭用コンセントが逆潮流(プラグインソーラーで発電した電力を送電網に流すこと)に対応しておらず、余剰電力を電力網へ売電することができない。
なお日本では、プラグインソーラーをコンセントに直接接続する利用形態は現行制度上想定されていない。そのため、小規模な設備であっても電気工事士による施工や送配電事業者への接続申請が必要となる。普及に向けた制度整備はこれからだ。
※参考
Germany has become a leader in plug-in solar. What’s taking other European countries so long? | euro news.
Plug-in solar is soaring across Europe – but is it better than traditional rooftop panels? | euro news.
Plug-in Solar SystemsGlobal Expansion and the Status in Japan | Renewable Energy Institute
プラグインソーラー|自然エネルギー財団
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