ポルトガルの再生可能エネルギー発電が8割超え ノルウェーに次ぎ欧州2位に

海辺の散歩道に停泊しているボート

Photo by Nick Karvounis on Unsplash

ポルトガルでは、1月の発電量の8割以上を再生可能エネルギーでまかなった。これは、ノルウェーの96.3%に次いで、欧州で2位の発電量だ。前年に大規模停電を経験したポルトガルでは、再生可能エネルギーの拡大と電力網強化の両立が課題になっている。

Ouchi_Seiko

ライター

フランス在住。美容職を経て2019年よりライターに。居住地フランスのサステナブルな暮らしを手本に、地球と人にやさしい読みものを発信。

2026.02.24

1位はノルウェー、2位はポルトガル、3位はデンマーク

2026年1月、ポルトガルがEU圏内でもっともグリーンな電力を生み出した国になった。ポルトガル再生可能エネルギー協会(APREN)によると、同月に国内で発電された電力の80.7%が再生可能エネルギーだった。

この割合は、EU加盟国のなかで首位にあたる。EU非加盟国もあわせると、1位がノルウェー(96.3%)で、ポルトガルは2位にランクイン。3位はデンマーク(78.8%)となった。

さらに今回の記録は、2025年に発生したスペイン・ポルトガルの大規模停電からわずか9か月後に達成されたものでもある。

水力・風力で過去最高の発電量に

水域の航空写真

Photo by Dan Meyers on Unsplash

ポルトガルの再生可能エネルギーをけん引したのは、水力発電と風力発電だった。水力は全体の36.8%を占めており、これに風力(35.2%)が続く。一方で、太陽光発電は4.4%にとどまった。また、再生可能エネルギーの総発電量は10,977メガワットに達しており、国内で過去最高を記録した。

なかでも注目されるのは、再生可能エネルギーのみの発電量が国内の電力消費量を上回った時間が、1か月で合計210時間にのぼったという点だ。断続的とはいえ、非再生可能エネルギーである火力発電に頼らずに、電力供給が成立した時間が実際に存在したことになる。

APRENによれば、こうした発電構成によって、天然ガスの火力で発電した場合と比べ約7億300万ユーロ(約1,280億円)のコスト削減効果があったとみられるという。環境負荷の低減だけでなく、経済的な効果も示されたかたちだ。

大停電の教訓とこれからの課題

光と茶色の橋

Photo by Daniel Seßler on Unsplash

とはいえ、ポルトガルとスペインは2025年4月、大規模な停電を経験している。イベリア半島の広範囲で電力が失われ、交通や通信、緊急システムが停止し、約6,000万人に影響が及んだ。復旧には半日以上を要し、死亡者も出たこの事故は、欧州では20年来でもっとも重大な電力システム障害と言われている。

当時は、一部で「再生可能エネルギーの拡大が原因ではないか?」という声もあった。しかし公式調査では、従来型発電所のトラブルや送電網の計画ミス、そして連鎖的な過電圧が主因であり、再生可能エネルギー自体は直接の原因ではないと結論づけられている。

それでも教訓は明確だ。21世紀のための自然エネルギー政策ネットワーク(REN21)のラナ・アディブ事務局長は、この停電が既存の電力網強化を加速させる警鐘になったと指摘。「再生可能エネルギーが拡大するにつれ、システムの耐性も同様に強化されねばならない」と述べている。

たしかに、再生可能エネルギーを拡大するには送電網の整備も欠かせない。欧州委員会によると、欧州全体では2030年までに、5,840億ユーロ(約約 106兆円)規模の投資が必要だという。風力や太陽光の発電所は遠隔地に建てられることが多いため、中央に集中した従来の電力網だけでは、対応が難しい場合もある。

しかし、ポルトガルの実例は、発電の大半を再生可能エネルギーでまかなえることを実証した。脱炭素社会へ向けた現実的なモデルの一つとして、今後も注目したい。

※参考
Portugal tops EU leaderboard as over 80% of electricity in January came from renewables|euro news
Portugal starts 2026 with renewables covering 80% of electricity demand|review energy

※掲載している情報は、2026年2月24日時点のものです。

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