世界終末時計「残り85秒」過去最短 核危機や気候変動が要因

「残り85分」になった世界終末時計

Photo by Bulletin of the Atomic Scientists

人類が滅亡するまでの残り時間を示す「世界終末時計」。2026年は前年から4秒が短縮され、私たちに残された時間は「残り85秒」となった。核戦争への危機や気候変動の課題が大きな理由だ。

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2026.01.28

「世界終末時計」とは?

「世界終末時計(Doomsday Clock)」とは、世界が滅亡するまでに残された時間を示す時計。滅亡する時間が「午前0時00分」であり、それまでの残りの時間を示す。

誰が、いつ、つくった?

世界終末時計を発表しているのは、米国の科学誌である「Bulletin of the Atomic Scientists(ブレティン・オブ・ジ・アトミック・サイエンティスツ、原子力科学者会報)」。世界終末時計が初めてつくられたのは、1947年。米国とロシアの冷戦の緊張が高まったときのことだった。当時、世界終末時計の針が示したのは「残り7分」で、核戦争が起こる可能性について警告された。

目的は?

世界終末時計の目的は、人間がつくりだした脅威に対して、人々にその危機感を理解してもらうこと。「Bulletin of the Atomic Scientists」は、広島と長崎に原爆が投下され、その事実について人々が振り返る必要があると感じた科学者たちによって生まれた組織。彼らは、人類が自ら生み出した技術によって、世界がいかに滅亡に近づいているのか警告するため、世界終末時計をつくり、毎年発表を行っている。

2025年より4秒短縮 気候変動も一因

「残り85分」になった、2026年発表の世界終末時計

Photo by Bulletin of the Atomic Scientists

そして2026年に発表された世界終末時計の針が示したのは、「残り85分」。2025年は「残り89分」だったので、時計の針が4分進められた。世界終末時計が初めて設定された1947年以来、過去最短だ。

世界終末時計が人類の滅亡に向かって進んだ大きな要因は、核の脅威、気候変動、AIのリスクの3つ。とくに世界の多くの国が核兵器への依存度を高めており、抑止力としての核保有だけではなく、強制力として核兵器を使用する議論が行われていることが大きい。

また、2007年より世界終末時計の審議に考慮されるようになった気候変動についても、考える必要がある。

カリフォルニア大学バークレー校の環境科学・政策・管理学科のイネス・ファン名誉教授は、「気候変動の脅威を軽減するには、気候変動の原因と被害に対処するための行動が必要だ。なによりもまず、化石燃料の燃焼による温室効果ガスの排出量を削減する必要があり、政府は再生可能エネルギーの広範な導入を加速させるべき」と語る。

さらに近年高まっている、AIによる偽情報の拡散といったリスクもある。

Bulletin of the Atomic Scientistsの会長兼CEOであるアレクサンドラ・ベル氏は「終末時計のメッセージは、これ以上ないほど明確である」とコメントを発表。

「国際社会は指導者たちに迅速な行動を求めなければなりません」とし、変化は必要であり、また可能であるとも述べている。

※掲載している情報は、2026年1月28日時点のものです。

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