米大手薬局CVS「飲み残し&余った薬の回収プログラム」で4500トンを回収

手に持った薬とコップ

Photo by Towfiqu barbhuiya on Unsplash

米国の大手薬局のCVSファーマシーは、飲み残しや余った薬、期限切れの薬を回収するプログラムを2017年から実施している。2025年10月には、これまでの回収量が1,000万ポンド(約4,500トン)以上になった。

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2025.12.17

全米4000店舗に回収ボックスを設置 無料で回収

CVSファーマシーの店舗に設置された薬を回収するボックス

Photo by CVS Health

全米に店舗を展開する、大手薬局のCVSファーマシー。同社では2017年より、不要な薬や期限が切れた薬を無料で店舗で回収する「セーフ・メディケーション・ディスポ―サル・プログラム」を4000以上の店舗で実施している。

実施店舗では、薬剤廃棄キオスクを設置。処方薬や一般用医薬品のほか、使用済の4オンス(約115ml)未満の液剤ボトルを回収している。

そして2025年10月、プログラム開始から約8年が経ち、回収量が1000万ポンド(約4500トン)を超え、ひとつの節目を迎えた。

薬剤放置による安全性と環境汚染のリスク

服用の必要がなくなった薬や期限が切れた薬は、どの家庭にもあるものかもしれない。だがそれを放置することには、さまざまなリスクがともなう。

一番に考えなければならないのが、安全面でのリスクだ。適切に処分されていなければ、誤飲のほか、中毒事故につながりかねない。

例えば、オピオイドは高い鎮痛効果をもたらす一方で、医療用麻薬製剤でもあり、アメリカでは中毒患者や過剰摂取による死者の増加が問題になっている。そこでCVSではオピオイドを処方された患者には、不要になったオピオイドに水と一緒に加えて生分解性のゲル状にし、安全に廃棄できる専用のパウダーを無料で渡している。

CVSファーマシーでは、薬剤師が学校を訪問して生徒や保護者に処方薬を乱用する危険性について講義を行うといった啓発活動も行っているという。

また、これらの薬をそのまま廃棄したり水道に流したりすることも、環境汚染や水質汚染につながる可能性もある。

日本では一部の薬局では、このような余った薬の処分を行っているところもあるようだ。もし手元に不要な薬や期限切れの薬があれば、まずは処方してもらった薬局で回収が可能か問い合わせてみるといいだろう。今回のアメリカのニュースを、身近な薬の適切な処分について考えるひとつのきっかけにしてみてはどうだろう。

※掲載している情報は、2025年12月17日時点のものです。

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