Photo by Beiersdorf
資生堂、花王、ロレアルパリ、ニベアなどの化粧品大手約70社が参画する「エコビューティスコア」。美容・パーソナルケア業界で、CO2排出量や水使用量など、環境への影響について製品を評価する業界初の環境スコアリングシステムだ。主にEU市場を中心に、このスコアシステムの導入が始まった。
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「エコビューティスコア(EcoBeautyScore)」とは、化粧品およびパーソナルケア製品を対象に、環境への影響について科学に基づいて評価する世界共通の環境スコアリングシステムだ。
この取り組みは、2022年2月の「エコビューティースコア・コンソーシアム(EcoBeautyScore Consortium)」の発足から始まった。当時、40弱の化粧品・パーソナルケア企業が集まり、専門家団体とともに、このコンソーシアムを立ち上げた。
そして、3年の歳月をかけて「エコビューティスコア」の評価方法を開発。EUの製品環境フットプリント手法(PEF)に準拠し、CO2排出量、水使用量、土地利用など、16の環境影響カテゴリーにわたって製品を評価する。
実際の製品では、消費者にわかりやすく、AからEまでの5段階で提示(Aがもっとも高い評価)。さらに、参画ブランドは定期的に独立した第三者機関による監査を受ける。信頼性と透明性の高さを維持するスコアシステムだ。
「エコビューティスコア」は5段階評価。Aの評価がもっとも高い。
現在、エコビューティスコアは、シャンプー、コンディショナー、ボディウォッシュ、フェイスケアの4つの製品カテゴリーで運用され、今後さらに拡大していく予定だ。
そして2025年7月からは、一部企業において、実際の各製品のスコアについて各メーカーのサイトでの表示が始まった。
例えば、ドイツ発のバイヤスドルフが有するブランド「ニベア」では、フランス、ドイツ、英国などのヨーロッパ市場で、フェイスケア製品の「エコビューティスコア」をオンラインで導入した。ニベアのフェイスケア製品の99%が、AまたはBのスコアを獲得しており、今後は「エコビューティスコア」の導入市場を拡大していく。
同じバイヤスドルフの「ユーセリン」でもスコアを公開。2025年中にはヨーロッパ全域で展開する予定だ。
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また、2022年の「エコビューティースコア・コンソーシアム」発足時点では約40社だった参画企業が、現在は70社以上まで増加。資生堂、花王も含め、下記などの企業が参画している。
アモーレパシフィック/コティ/エスティ ローダー/ヘンケル/ジョンソン・エンド・ジョンソン/花王/ロレアルグループ/LVMH/P&G/Puig/資生堂/シスレー/ユニリーバ
消費者にとって、化粧品やパーソナル製品の環境への影響は理解しにくい部分があるだろう。これを世界共通の評価手法で、わかりやすく5段階で表示する「エコビューティスコア」は、この業界にとって大きな一歩であることは間違いない。
参画する企業と対象の市場が拡大していけば、「エコビューティスコア」を見て製品を選ぶという、新しい消費者の購買行動も根付いていく可能性がある。まずは欧州市場から、このシステムがどれだけ普及していくか、世界が注目しているはずだ。
※参考
EcoBeautyScore
EcoBeautyScore, the environmental rating system, enters the deployment phase|Fashion Network
Beiersdorf implements EcoBeautyScore for NIVEA and Eucerin – supporting a new level of transparency for consumers|Beiersdorf
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