マヨネーズメーカーのキユーピー株式会社が、持続可能な鶏卵調達を目指すため、ケージフリーの卵調達に取り組む声明を発表した。国際的な動物保護連盟のオープン・ウィング・アライアンスは、この取り組みにより、数百万羽の養鶏の苦しみが軽減されると予想している。
ELEMINIST Press
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マヨネーズメーカーの国内最大手であるキユーピー株式会社が、「ケージフリー飼養への取り組み」に関する声明を10月24日(木)に発表した。
声明によれば、アニマルウェルフェアの基本原則である“5つの自由”に賛同するキユーピーグループでは、持続可能な鶏卵の調達を目指し、今後はケージフリー飼鶏を含む採卵鶏の健康・福祉の改善に向けた取り組みを進めていくという。
何段にも重ねられた檻(ケージ)で採卵鶏を飼育する「ケージシステム」。現在日本国内の養鶏場の98.89%(2023年調査結果)がケージシステムを採用しているが、このシステムは採卵鶏のストレスや、生殖器の病気、骨折・脱臼・骨粗鬆症などを引き起こすことなどから、世界的に問題視されている。
世界各国では、消費者の意識の急速な高まりを受け、法的な禁止措置や企業の取り組みが進み、ケージフリー(平飼い)での飼育が新たな業界標準になりつつある。
75か国の団体が参画する国際的な動物保護連盟「オープン・ウィング・アライアンス(OWA)」の日本国内構成団体である「認定NPO法人アニマルライツセンター」は、2016年より、国内の動物愛護団体としてキユービーとの対話を行ってきた。
今回のキユーピーによる発表は、ケージ飼育の撤廃を求める団体のアクションや、消費者主導の抗議行動、そして5万人近くもの顧客による署名が反映されたものと見られる。
今回キユーピーは、マヨネーズに使用するる「ケージフリー飼養卵」のグローバル調達比率を、2027年までに3%から10%まで引き上げることを約束した。
また日本国内では、2030年までにキユーピー マヨネーズに使用される卵の20%量を「ケージフリー飼養卵」に切り替えるという。これにより、数百万羽の養鶏の苦しみが大幅に軽減されるだろう。
さらに、ケージシステムに依存する日本の養鶏場の現状打破を支援するべく、企業がケージフリー養鶏場を支援できるプログラム「インパクト・インセンティブ」の利用も検討しているそうだ。今後の展開にも期待したい。
お問い合わせ先/NPO法人アニマルライツセンター
https://arcj.org
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