私たちの買いものが未来をつくる|NOMAが「ソラルナオイル」を選ぶワケ

sea design soap

「地球に、人に、社会に、次の可能性を」を使命に、環境負荷の少ない原料の開発に取り組む「circuRE act(サキュレアクト)」。未来を変える原料として注目したのが微細藻類(びさいそうるい)から生まれた「ソラルナオイル」です。第一弾として製品化された石けんと藻類の可能性について、自然科学にも詳しいモデルのNOMAさんが体験しました。

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エレミニスト編集部

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2024.10.10
Promotion: circuRE act

毎日使う石けんから、海洋プラスチックという課題を考える

NOMA

「プラスチックごみを増やしたくない」というのは、エシカルな生活を目指す私たちにとって切実な課題です。ふと家の中を見渡せば、こんなにもプラスチック製品に埋もれていたのか、と驚くことでしょう。

プラスチック製品の何が問題なのか。一つは製造時に大量のCO2を排出すること。そしてもう一つが、ごみとなったプラスチックによる海洋汚染です。マイクロプラスチックと聞くと日本は関係ない、海外の話だと思う方もいらっしゃるかもしれませんが、そんなことはありません。

国際環境NGO団体・グリーンピースのプラスチック条約に関するプロジェクトのアンバサダーも務めるNOMAさん。「以前、環境活動家のメンバーと横須賀・茅ヶ崎あたりの沖合へ調査にいったことがあったんです。海水にどれくらいマイクロプラスチックが混ざっているのか見せてもらったのですが、結構な量が入っていて驚きました」と話してくれました。

わたしたちにとって、いまや身近になった海洋汚染を解決しようと開発されたのが、サキュレアクトの「sea design soap(シーデザインソープ)」です。天然由来成分100%配合の肌にも地球にもやさしい石けんです。排水で海を汚染する心配もありませんし、包装にも一切プラスチックを使用していません。

何より注目したいのが、微細藻類、いわゆる藻から生まれた「ソラルナオイル」を採用していること。石油由来成分に代わる未来の原料として、サキュレアクトが開発に取り組んでいるサステナブルな国産原料なのです。毎日使う石けんから、どんな未来へのアクションを起こしていけるのでしょうか。

「自然科学からみると、私たち人間も地球の一部。自ずとエシカルな暮らしに」

モデルとして、また環境省の森里川海アンバサダーやグリーンピースオーシャンアンバサダーとして活躍するNOMA(ノーマ)さん。その原点はというと、ともに生物学者であったご両親の影響と、生まれ育った佐賀県の大自然があったといいます。その後、環境活動家のアンニャ・ライトさんとの出会いや、スタジオジブリの『風の谷のナウシカ』を観たことが、環境について考える大きなきっかけになりました。

また、NOMAさんといえば自然科学への博識ぶりも知られるところ。モデルを続けるなか、体調管理のため自然療法に没頭。植物学や薬草学について学び、しだいに自然科学へと傾倒していきました。その知識は、著書『WE EARTH 〜海・微生物・緑・土・星・空・虹 7つのキーワードで知る地球のこと全部〜』に遺憾なく発揮されています。

NOMA

100本以上もあるエッセンシャルオイル。フィトテラピー、アロマテラピー、フードレメディーなどの資格を持つ。

「自然科学を通して地球の成り立ちを知ると、私たち人間も他の地球を構成するエレメンツと同じ、いちプレーヤーに過ぎないことがわかります。地球の一部なんです。それに気づいてからは、自ずと地球環境に負荷をかけないものを選ぶようになりました」。

一児の母でもあるNOMAさん。現在は横浜のご自宅と、現代アーティストである夫のアトリエがある滋賀県、そして家族や親戚が住むニューヨーク州のロングアイランド島の3つの拠点で生活をしています。常に自然を感じていたいという暮らしは、窓から緑あふれる公園を望み、テラスにはハーブや栄養満点だという雲南百薬(オカワカメ)が茂ります。家の中を見渡すと、石や貝殻、鳥の羽根など、自然物が美しくコレクションされていました。

「自分でつくれるものは、極力つくりたい」。というだけあって、庭があるという滋賀県の一軒家では野菜やハーブが育ち、毎日何かしらの野菜が食卓に登場するそう。またプロのニホンミツバチ養蜂家に裏庭を提供して、ニホンミツバチの養蜂も勉強中。お味噌、梅酒、酵素シロップなどももちろん手づくり。「命のつまった感じのご飯をつくるのが好き。なるべく身近で手に入る、ローカルな食材を選ぶようにしています」。

子どもが生まれたことで変化したプラスチックとの付き合い方

NOMA

ものを選ぶ基準は、つくられた背景や生産者のストーリーを知ってワクワクするかどうか。そこまで知ったうえで「好きなものに囲まれていたい」。

日用品はというと、できるだけエシカル度の高いものを選んでいるそう。ただ、子どもが生まれてからは葛藤があったといいます。「娘が生まれる前は、もっとストイックでした。自分ひとりの生活だったから自由に選べたんですよね。幼児用品はプラスチック製のものが多くて思うようにいかず…。なので、なるべくお下がりを使わせてもらうようにしています」。最初は、自分のペースで買いものできないことがストレスに感じたそう。

「子どもが生まれると、いだたき物も増えます。なかにはプラスチックを使ったものもあって、それを自分の信条ゆえに否定するのは正しいのだろうかと悩みました」。考えたすえ、「自分の正義をふりかざすことで、無意識な差別を生むことがないようにしたい」と、そこは割り切って、できる範囲で向き合うのが自分らしいと納得しました。

「プラスチック素材でないものを探してアンテナは張りつつ、生活からすべて排除しようとはしていません。実際、プラスチックによる恩恵も受けているわけですし。“脱炭素”のように言葉が独り歩きしてしまうのは、ちょっと違うかなと感じています」。

「化粧品でここまでできるのはすごい! シンプルな包装でストレスフリー」

NOMA shopping

プラスチックは使用せず、紙箱のみの包装。輸送テストでくずれないことは検証済み。洗顔石けん「sea design soap」70g ¥2,530 (税込)/530(FIVE THIRTY)サキュレアクト株式会社

なるべく環境負荷の低いものを選びたいけれど、プラスチック全否定で生きていくのは難しい。そんな葛藤を抱えながらも、しなやかにエシカルライフを楽しむNOMAさん。サキュレアクトの石けん「sea design soap」について、どう感じたのでしょうか?

「心遣いにあふれた製品だなと思いました。まず箱を開けると石けんが直に入っていて、よくあるプラスチックの包装もありません。成分表やプロダクトストーリーもすべてこの箱ひとつに印字されているので、シンプルで無駄がないんです。石けんを包まず裸のままでいいなら、ごみも出ないので生活者としてはうれしい」。箱を解体して平たくすれば、そのまま資源ごみに出せるというミニマムさです。

530のプロダクトポリシー
1.環境負荷に起因しない原料を使用
2.天然由来成分を使用し、配合比率を明記
3.パーム油不使用
4.動物由来原料不使用(クルエルティフリー)
5.合成香料・精油の不使用
6.合成着色料不使用
7.合成界面活性剤不使用
8.炭素原子含有シリコーン不使用
9.石油由来原料不使用
10.鉱物油不使用
11.防腐剤不使用
12.生産地の環境に配慮
13.環境にやさしい容器・包装

これは、「プラスチックごみを減らそう」というサキュレアクトからの提案が形になったもの。ブランド名「530(FIVE THIRTY)=通称ごみゼロ」にも、その想いが込められています。13におよぶ厳格なプロダクトポリシーのもと、肌はもちろん、環境へのやさしさに徹底してこだわっているのです。

NOMA

マイルドな使い心地で「肌質を選ばないので、家族みんなで使えそう」。

「ここまでされているのはすごいこと。とくに13番目の『環境にやさしい容器・包装』は、化粧品業界にとって大きな課題です。製品自体はエシカルであっても容器はプラスチック素材だったり、真空パックに包まれているものも多いんです」と、感心しきり。「これくらいラフで行こうよ!と、サキュレアクトさんが先導してくれている感じがしてすてきです」。

NOMA

部屋のあちこちに貝殻や石などを置き、自然の美しさを楽しんでいる。

石けんの使い心地はというと、「保湿性が高いのか、肌がもっちりして心地よい洗い上がり。肌にやさしい処方なので、娘と一緒に使っています」。植物好きのNOMAさんらしく、カミツレ(カモミール)配合というのもたまらないそう。「カモミールは家でも育てていて、精油も必ずストックしているほど。カモミールを煮出して入浴剤にしたり、シアバターに混ぜて保湿をすることも」。

石けんのつくり方も、昔ながらのコールドプロセス製法を採用。電気を使わないため、製造時のCO2はもちろん、エネルギーの削減にも貢献しています。

微細藻類から生まれたサステナブルな国産原料、「ソラルナオイル」とは?

NOMA

チェストはインテリアデザイナーの笠原英治さんと一緒につくったオーダーメイドで、修理しながら14年以上一緒に暮らしている。

環境にも肌にもやさしい処方でつくられた石けん「sea design soap」。その最大の特徴は、原料に「ソラルナオイル」を配合している点にあります。「ソラルナオイル」とはいったい何なのでしょうか? それは微細藻類と呼ばれる、目に見えないほど小さな藻の一種。「スピルリナ」や「クロレラ」の仲間といえばイメージしやすいかと思います。

数十万種類とある微細藻類ですが、実は、さまざまな可能性を秘めていることがわかり、いま、世界中で研究・開発がすすんでいます。しかも植物プランクトンですから、光合成によって二酸化炭素を吸収し、酸素に変えてくれます。太陽光と水と二酸化炭素があれば、2週間程度で培養が可能。国内で製造できるサステナブルな国産原料なのです。

「ソラルナオイル」はJ-POWERという会社が発見し、研究をすすめている微細藻類由来のオイルです。2050年のSAF(Sustainable Aviation Fuel:持続可能な航空燃料)、いわゆるガソリンの代替エネルギーを目指して、目下開発中といったところ。

とはいえ、2050年までまだまだ時間があります。ガソリンの代替エネルギーになる前に、「ソラルナオイル」を使って何か製品化できないか。そこに未来を変える可能性を見出したのがサキュレアクトです。「ソラルナオイル」は航空燃料の代わりとなる原料です。つまり、石油と同じということ。石油由来の製品が存在するように、さまざまな製品に応用できるのでは、と考えたのです。

化粧品の例をみてみましょう。配合されている石油由来成分のほとんどは、海外からの輸入品です。製造にも輸送にもCO2を排出しています。そこを「ソラルナオイル」が担えるとしたら、どれだけ環境負荷の低減に貢献できることでしょう。しかも化粧品だけではなく、さまざまな原料のサステナブルな代替素材になることができるとしたら? 「ソラルナオイル」と歩む未来を考えると、ワクワクしてきませんか?

未来を変える原料・「ソラルナオイル」活用の可能性

1.パーム油に替わる化粧品原料(基材)オイル
化粧品の9割は水と油。その基材部分を「ソラルナオイル」に変えることができれば、原料として大きなインパクトに。

2.洗剤の活性剤原料
油ということは活性剤になる可能性も。食器洗いや洗濯洗剤も替えられる。(※今回の石けんは保湿成分として使用)

3.プラスチック素材に替わるバイオマスプラスチックや合成繊維
石油からプラスチックがつくられるなら、ゆくゆくはバイオマスプラスチックや合成繊維にも。その他、残渣(残ったカス)も活用し、100%循環させることを目指す。

ふだんからシアノバクテリアなど、藻への並々ならぬ興味があるというNOMAさん。「微細藻類のおかげで、いまの地球環境があると言っても過言ではありません。約30億年前に地球上に誕生し、光合成によって酸素をつくってくれたのが、同じ藻の仲間、シアノバクテリアです。『ソラルナオイル』のエナジーで代替エネルギーをつくるということは、代謝している太陽の力を使うことでもあります。すごく理に叶っている気がします」。

「未来につながるつくり手を応援したい」−買い物で生活者が社会を変える

NOMA

「娘の世代へつなげるために、『ソラルナさん』の壮大な夢を応援したい!」。

今回の取材の感想を聞いてみると、「微細藻類を知ることによって、みなさんの環境問題への意識も変わるのでは」と、NOMAさん。「命の根源を改めて問い直すような微細藻類の使い方をされていることに驚きました。微細藻類あっての地球ですし、私たち人間です。他の生物と共生関係を育みながら命をつなげてきた彼らのことを知れば、利己的ではなく、利他的な明るい未来を選べるのでは」。

サキュレアクトの目指すゴールは、石けんをつくることでも、化粧品メーカーになることでもありません。2030年までに環境負荷の少ない国産原料として、「ソラルナオイル」を世に普及させることが目的です。

「私たちがポジティブなアクションを起こすとしたら、日々の買いものの選び方が大切。『いい未来につながるんじゃないか』、そう思う企業やつくり手さんを積極的に応援していきたいです」と言うNOMAさん。地球を救う可能性を秘めた「ソラルナオイル」に、エールを送りました。

買いものは投票です。企業につくる責任があるように、生活者にも選ぶ責任、つかう責任があります。いまが100点満点でなくてもいい。10年後、20年後といったこれからのビジョンや道のりを見据えて、社会を変えるアクションを起こしていきたい。私たちの買いものが、未来をつくるのだから。

NOMA

サプライズでプレゼントされたという肖像画は、画家の宮内直子さんが描いたもの。色とりどりの植物に囲まれ、NOMAさんの雰囲気にぴったり。

Profile
NOMA(ノーマ)/佐賀県出身のモデル。日本人の父とシシリア系アメリカ人の母を持ち、自然遊びに夢中な幼少期を送る。植物療法を取り入れたライフスタイルや自然科学への探究心を活かし、メディア連載やセミナー、トークショーなど幅広いジャンルで活躍。エコロジストとして、環境省森里川海アンバサダー、グリーンピースオーシャンアンバサダーなども務める。

Instagram:@noma77777
http://noma-official.com

撮影/小渕真希子 取材・執筆/村田理江 編集/後藤未央(ELEMINIST編集部)

※掲載している情報は、2024年10月10日時点のものです。

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