東京都が第1回「Tokyo-NbSアクションアワード」の受付を開始し、自然を活用した解決策で人間の幸福と生物多様性の両方に貢献する取り組みを募集している。都内に事業場をもつ企業、自治体、研究機関および特定非営利活動法人等の団体が応募することができる。
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東京都は、2023年4月に改定した「生物多様性地域戦略」に基づき、2030年までに、自然を活用した解決策(Nature-based Solutions,NbS ※)となる取組を定着させるため、事業者等によるNbSの取組や効果の発信など、普及啓発を進めている。
今回、新たな取組として、先駆的にNbSに取り組む事業者等を表彰する「Tokyo-NbSアクションアワード~自然とともに、未来をつくる~」の募集をおこなっている。
受賞した取組は、取組内容を紹介する動画が都によって作成され、東京都ホームページで公開される。また、表彰式の模様は、オンライン配信の実施を予定している。(アーカイブでも配信予定)
応募対象者:
都内に事業場をもつ企業、自治体、研究機関および特定非営利活動法人等の団体
応募対象となる取組:
都内において、生態系の機能を活用し、人間の幸福(ウェルビーイング)と生物多様性の両方に貢献する取組
応募受付期間:令和6年9月5日(木)〜10月4日(金)
審査期間:10月~11月(一次:書面審査、最終:プレゼン審査を予定)
表彰式:12月中旬
IUCN(国際自然保護連合)では、NbSを「社会課題に効果的かつ順応的に対処し、人間の幸福および生物多様性による恩恵を同時にもたらす、自然の、そして、人為的に改変された生態系の保護、持続可能な管理、再生のための行動」と定義している。
NbSの定義の概念図(IUCN2020)
NbSには、グリーンインフラやEco-DRR、生態系を活用した適応策(EbA:Ecosystem-based Adaptation)などが含まれ、あくまでそれらを統合する「傘」としての役割を果たす概念を指している。
なお、NbSは、気候変動や自然災害を含む社会的課題に対応し、人間の幸福と生物多様性の両方に貢献するものとしているため、自然の有する機能を利用していても生物多様性の損失を招く取組はNbSには当てはまらない。
生物多様性は、食料の供給や災害防止、緑地におけるストレス解消など、社会的課題の解決に資するさまざまな価値を有している。
生物多様性の恵みを持続的に利用し、自然の機能を都民生活の向上に活かしていくためには、NbSとなるさまざまな取組を、行政・事業者・民間団体などの各主体がともに推進していく必要があると、東京都は発信。
東京都では、2030年までを「NbSの定着期間」と捉え、各主体がNbSとなる取組を実施していくことを目指している。
そのため、生態系の機能を活用して都が抱える社会課題に対応し、人間の幸福と生物多様性の両方に貢献する事例を「Tokyo-NbSアクション」として発信し、自然のさまざまな価値を「見える化」することで、各主体のNbSの取組を促進していきたいとしている。
・生物多様性に貢献とは、取組(行動)が生態系の保全、管理、回復(再生)、または持続可能な利用につながること
・取組が及ぼす効果、影響及び範囲に配慮しながら関係者と連携していること
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